ブセファランドラの育生について最近考えているあれこれ

2024年11月29日金曜日

ブセファランドラ

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ブセファランドラの育生について最近考えていること


ブセ、簡単で、気難しく、奥深い。面白い植物


みなさーんブセファランドラ育ててますかー!?


僕もいくつか育てているのですが、育てていて疑問を感じること、気付くことがいくつかあったので書き留めておきたいと思います

栽培について思うこと


ブセファランドラを育てる方法は大きく分けて水中栽培、水上栽培(水耕栽培、多湿栽培)の3種に分けられると思います


水中栽培は水草水槽での栽培。水上育生のうち水耕栽培は腰水による栽培、多湿栽培は水槽やケージに入れてやや湿度高めに管理するジメジメ系の育成法です

水中栽培は溶岩石などに巻き付けて活着させる、底床に植え付けるなど、アヌビアスやミクロソリウムなどの活着性のある水草と同じような育て方です

水耕栽培は腰水での栽培法(これも水を浅く張るか深く張るかなどバリエーションがあります)、水を張った上でエアポンプや水中ポンプで水を回す方法など一口に水耕栽培といってもやり方は様々あります

多湿栽培はジメジメ系の植物と同様の扱いで、用土や水苔などで植えてケージや水槽に入れて湿度を保ちつつ育てる方法です

どの栽培法が正解かは正直いまだに分かりません。人によって、草を置く環境によって、種類によって好適環境は異なるため正解はいくつもあると思います

僕がブセを育てていて共通して感じている事は、清浄な環境を好み、あまり強い光を好まず、肥料の好き嫌いがあり、根の通気性を好むという点で、現状いくつかの栽培方法を試していますが、いずれの場合もその点を意識しています


栽培方法

水中栽培

水槽に沈めて育てるだけです

ヒゲゴケが生えやすいのが難点


水中育生は古い葉がコケやすいので明るすぎる照明や多肥の環境はあまり向かないと思います

個人的には栄養系ソイルよりも吸着系ソイルや砂礫の水槽で貧栄養気味に管理し、清浄な水質を維持しなるべく周囲の水が動くようにしてやると元気になる気がします

意識して育てるというよりは、置いておいたら勝手に育つように仕向けるといった感じが理想でしょうか

クアラクアヤンtypeⅠやⅡ、クダガンは水中適性が非常に高いです

水中育生はハマる種類では他の育生法よりも圧倒的に生長が早いので、数を増やしたい人に向いていると思います(kisiiなど一部明らかに水中育生に向かないものがいるので注意が必要です)


ファーム物のブセはほぼ水上育生で入荷します

植え付けから2ヶ月でやっと水中で動き出しました

水上育生のものを水槽に導入する場合、順応させるまでに最低一月、動き始めるまでに2ヶ月程度の時間を見ると良いでしょう。ブセは他の水草の倍以上順応に時間がかかるのんびり屋さんな植物だと思います

株が込み入ってくるとミクロソリウムのシダ病のように中心部から溶けることがたまにあるので、定期的にスポイトなどで入り組んでる場所を清掃してやるか、流水をあててやると良いと思います


発根管理として地上株をトップカットした時などに水槽に浮かべておくと安定して発根する気がします


メリット:放っておける、ハマると成長が早い

デメリット:順応に時間がかかる、突然溶ける場合がある


水耕栽培

一番悩んでる育成方法です


水槽の縁に鉢をかけておくだけでも上手く育ちます(湿度を維持する蓋が必要)

我が家では過去に水槽の縁に吸盤ネットを固定しそこに鉢を置いた簡易な水耕栽培を行い、かなり好成績だったのでタッパーでの腰水栽培を試してみたのですが、こちらは何故か上手くいきませんでした

両者の決定的な違いは水が動いているかどうか(水中の酸素濃度の違い)だと思い、エアレーションで水を回すように変えてみましたが今のところこの方法は安定しています

我が家のやり方はダイソーのクリアケースに水を張り、棒状のエアストーンを使って水を回しています


大きい株はプレステラ75、小さい株は水草用のメッシュ鉢に植え込んでいます。

今のところ鉢の種類の違いによる成長の差はないと感じています(プレステラの方が若干根張りが良い…かも?

他にも水中ポンプで水を回す人、簡易なスプリンクラーを組み合わせて常に葉に水が滴るようにしている人もいますが、いずれも好成績なようですね

ブセの自生地の写真などを見ると、谷間を流れる渓流の岩の上や隙間に活着しているイメージがありますが、株元の水が動く水耕栽培は一番自生地の環境に近いのかなぁと思います(勿論自生地はため水ではないですけどね…)

我が家では目安として茶ゴケ(珪藻)や藍藻、バイオフィルムを発生させない管理を意識しています

なお我が家では動かない腰水では上手くいきませんでしたが、おそらく低めに水を張ってケージに入れて育てている方が一番多いはずなので、何か管理方法にコツがあるのかもしれません


今のところ成績が良い水耕栽培ですが、何故かこの環境が向かないブセもしっかりいます。TB便のSekadau3、トロピカのsp.レッドは我が家では上手くいきませんでした。この方法が向かないブセを上手く育てられるのが次に紹介する多湿栽培です

メリット:様々なブセが好適

デメリット:蒸れると溶ける場合がある、清浄を維持するために手間がかかる


多湿栽培


用土や水苔に植え付けてケースやケージに入れて育てる方法です



過去にサラダカップに水苔を入れて植える方法をご紹介しましたが、あの感覚で大概のブセはうまく育ちます

勿論赤玉土やソイル単用でも育つと思いますが、僕が水苔を採用する理由は水苔の抗菌力にあります

ブセは清浄な渓流のクリアウォーターや殺菌性のあるタンニンの含まれるブラックウォーターが流れる沢沿いや水中に生えている渓流植物であり、淀んだ水、雑菌の多い環境は好まないと考えています(実際は生息環境も幅があるとは思いますが)

そういったことを意識して我が家の育成法では菌が繁殖しやすい環境をなるべく作らず、清浄な環境を保つことを意識しています

※上記の考えはあくまで我が家のやり方であり、バクテリアやトビムシなどを利用してミクロフローラを構築して上手く行っている人もいます


この方法は水耕栽培同様に貧栄養で育つタイプのブセ(大半がコチラ寄り)に有効だと感じています

一方で栄養を好むタイプのブセは清浄さよりも栄養分を重視したほうが育つ印象があります

先述したTB便のSekadau3、トロピカのsp.レッドなどの貧栄養な水耕栽培に向いていない(と思っている)ブセはまさにこの枠で、アマゾニアなど栄養の多いソイルに植え付けると根をグングンと張り成長も早いです

個人的にファーム物のブセ(=量産可能なくらい成長が早く施肥が効くタイプ)の多くはこれに当たると考えています

Sekadau3

Sintang


このタイプのブセの多くは強健種が多いので寄せ植えなどでも楽しめると思います

Sintang、グリーンブロードリーフ

メリット:一番簡単で手間がかからない

デメリット:蒸れると溶ける場合がある、水通しが必要


といった感じで最近は一種ずつ水耕栽培と水上栽培を試して、種類ごとの向き不向きや傾向を調べています

こういったブセの種類ごとの個性は実際に育ててみないと分からず、なかなか得がたいものですので、もし皆さんがご存知の種類ごとの特徴みたいなものがあったら是非ご教示いただければ嬉しいです


次回は今回の内容を踏まえて、実際にどんな管理、用土、肥料を使っているのかなど、我が家の管理方法について触れたいと思います

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