ボララス ミクロス'レッド'とリムノフィラsp.ワイナード

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.12 11月4号のお届けです

Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なウェブ連載です


日々情報が溢れて残らない時代に、本誌を通じて記録を残す事を試みています

この場を通じて新たな出会いや学び、楽しみが広がる一助になれれば幸いです


※主にショップや企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です

個人のツイートで特に紹介したい!と思ったものはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m

今週末注目のイベント

第44回日本盆栽大観展(京都市) 開催中!

国内最大規模の盆栽展覧会「第44回日本盆栽大観展」が京都市勧業館みやこメッセにて11月22日(金)~25日(月)まで開催中です
松柏やさつき、小品、水石など日本中の盆栽作家、愛好家が出展し、名品が一堂に介する大イベントですので、行ける方は絶対行ったほうが良いイベントなんじゃないかなと思います
展示会のみならず、優良業者による即売会、盆栽作家によるデモンストレーション、祇園辻利による軽食にオークションと、現代最新のBONSAI事情を知りたい人には特にオススメのイベントになるかと思います…行きたい!!


盆栽大野フェス(さいたま市) 11月23日、24日 開催!

豆盆栽の製造で知られるさいたま市見沼区の盆栽大野さんの店舗で盆栽大野フェスが11月2日(土)、24日(日)に開催されます
盆栽大野は各地の手のひらサイズの豆盆栽に使われる苗の製造元の一つです。会場では苗を購入してその場で植え付ける講座や、豆盆栽愛好会による即売会、鉢作家による展示販売など、豆盆栽に関わる様々なイベントが目白押しとなっています
小柄ながら四季を感じられる豆盆栽を始めるには良い機会かと思いますので是非!

緑ノ風(行方市) 11月23日、24日開催!

Botanical Fes緑ノ風が行方市親水公園にて11月23日(土)、24日(日)に開催されます
ビカクシダ、アガベや塊根植物、多肉植物の生産者や鉢作家などが集うイベントです
注目は路地裏のギボウシさんでしょうか?今回は23日のみの参加のようですが、イワギボウシの羅紗葉の作出をされているファームさんです。実物を見ると本当に素晴らしい出来映えですので、是非一度実物を見てみて欲しいです

AquaTalkingReview(大阪市)11月23日開催!

大阪で行われている魚マニアによる魚マニアのためのアクア系トークイベント「AquaTalkingReview5」が則天学園大阪動植物海洋専門学校にて11月23日(土)に開催されます!まだwebで参加受付をしている(はず?)なので、お近くの方は是非!
今回のテーマは山田 充哉氏『いにしえの"Japanese Home Aquarium"を求めて』と、大森 尚也氏『ウツボを採る!飼う!調べる!』の2タイトル
どっちも熱帯魚趣味の人には刺さる興味深いテーマだと思います!今週は関西で熱いイベントが多いですね…大阪の民が羨ましいったらない!!

今週の気になる情報

シロハラチュウシャクシギ絶滅宣言





絶滅が危惧されていた渡り鳥、シロハラチュウシャクシギの絶滅が研究者らの論文によって宣言されました
シベリアで繁殖、アフリカ北部で越冬をする渡り鳥で、30年程前から野生での保護活動が行なわれていましたが、1995年の目撃が最後となり、この度絶滅が宣言されました

1500年以降にユーラシア大陸で絶滅した鳥類としては3番目の鳥となったそうです

絶滅の原因は論文内でも様々検討されていますが、主な繁殖地である湿原の大規模な開発、冬の餌場である沿岸湿地の減少、狩猟が原因として考えられるとのことです

日本国内でも同じ様な環境に生息するチドリやシギ類は半減レベルで減少しており、湿地の保全が急務であることは間違いなさそうです

ADA「ソーラーRGB」 安定器の経年劣化と一部製造ロット安定器の自主回収&「ソーラーRGB」販売終了、新型機「ソーラーRGB2」発売へ



ソーラーRGBの安定器のうち、特定の製造ロットのものについて自主回収および交換の案内が出ています
ハンダ付けや経年劣化などの問題によって白煙が上がるなどの被害が寄せられているそうですので、お持ちの方はHPで対象を確認の上ADAコールセンターに連絡をしてください
また現行モデルのソーラーRGBは終売となり、新型のソーラーRGB2の発売が発表されています
調光、調色、タイマー機能などが追加された新型モデルになるそうで、発売時期はまだ未定です


危険を把握して交換してくれるのは誠意あるメーカーだなあと感じます。RGB2はまたすごい価格になりそうですねぇ…

新着情報

カメルーンゼブラゴビー(Sicydium crenilabrum?)


相変わらず新着ではないのですが、気になったので…カメルーンゼブラゴビーは今年の春に久々に入荷があったアフリカのボウズハゼ系のハゼで、その時の入荷は14年ぶりくらいだったそうです
愛嬌のある顔、素敵な模様でとても良い魚だと思います!


Begonia sp. "ashitada"[ PP-241110-2 ]  from Seram Barat Plu.Seram


こちらも新着どころか入荷もされていませんが…主にスラウェシで精力的に植物採集をしていらっしゃるsenninさんが、インドネシア、セラム島で採取中に見つけたベゴニアだそうです
見た目がとてもシダっぽいのにベゴニアというのがたまらないものがありますね…!お花も気になるし入荷したら是非お迎えしたい一品だなぁと思いご紹介!


店舗紹介(新企画)

メダカフレンド 大阪市生野区寺田駅徒歩2分


メダカフレンドさんは今月オープンされたばかりのお店ですが、扱っている店内の魚は全て国産ブリードという唯一無二の魚を揃えたショップです

店主さん自らも長年ブリーダーとして活動されてきた方で、ご自身のブリード以外にブリーダー仲間から仕入れた魚や、改良メダカ、原種卵胎生メダカ、卵生メダカ、ワイルドベタ、タマミジンコ、日本水草、ほぼ流通のないような風変わりな外国産水草などを揃えています

営業日は週末営業で昼の部、夜の部に分かれていてます。昼の部は土、日、祝の10時〜16時、夜の部は金曜、土曜の20時から営業になっています


オシャレな外観

清潔な店内

ここにしかいない魚がいそう…



綺羅星のような魚たち…すべて国内ブリード!


海外から輸入することが当たり前の熱帯魚趣味ですが、入ってきた貴重な魚をブリードで維持し、更にそこから流通に戻すという、言うは易し行うは難しの茨の道を行くパイオニア的なお店、男気を感じますよね…

お近くの方も、お近くでなくても是非、訪れてみてはいかがでしょうか?



コラム

草を求めて東奔西走コラム


「シンガポール植物園」

2回目となる今回はシンガポール植物園をご紹介したいと思う。シンガポール(SG)といえばどんなイメージをお持ちだろうか。マーライオン、マリーナベイサンズ、チキンライスなどなど。渓流植物を長くやっておられる方には世界の〇〇さん便とSGはセットで記憶に深く刻まれている事だろう。





実際どのような国なのかというと、さまざまな人種が折り合いをつけながら明るく生きている国といった感じである(気候のせいもあるかもしれないが)。そこかしこに花が咲き乱れており、都市全体が良い香りがする。日本人特有の空気を読む特殊能力はあまり通用しないが、欧米よりは察してもらえる(笑)。

シンガポールは英語が公用語の一つであり、東南アジア経験の最初のステップを踏むにはちょうど良い難易度でお勧めである。観光地を外せば飯も安くて美味いし、フルーツなども他の東南アジア諸国と比べるとやや高いものの、日本の物価よりだいぶ安く楽しめる。






またバスや公共交通機関はクレジットカードのタッチ決済機能が使えるのでいちいち切符を買わなくて済むので楽ちんである。

旅行サイト等ではライトアップされたホテルとマーライオンの豪華な印象が強いが、あのエリアは観光客向けの仮初の場所である(笑)。そこから1時間ほど移動すればBukit Timah Nature Reserveなどの保護区もあり、SG固有種とされるCryptocoryne X timahensisなども観察できる。地元のアクアショップ店員とも話したが国立公園から外れた場所にはCry. cordataが自生しているらしく、先進国のイメージと異なり、自然度が高い場所は維持されているようだ。


アクアリウムショップも何件か回ったが、店舗のラインナップは日本に非常に近い印象がある。珍水草の種数などは日本と比べるべくもないが、近年、日本にも持ち込まれるようになったXyris sp、ウォーターローズレッドなどはもともとSG由来のものである。





一方でいわゆるジメジメ系植物は力を入れている店があるにはあるが、まだまだこれからという印象である。しかしながらBucephalandraの品揃えは日本の規制前を思わせる物量であった。


前置きがかなり長くなってしまったが、シンガポール植物園に話を戻そう。シンガポール植物園はSG唯一の世界遺産でもある。






植物園内に原生林が保存されており、現地ジャングルの風景さながらの様相である。





移植されたものかは不明であるが、ホマロメナなども生えていた。






園内には水辺も併設されており、ハイグロフィラなどがいた。現在H. polysperma Singaporeで流通しているものと同じなのだろうか。






エキノドルスも生えていたが種類は不明。






園内は非常に広大で全てを回りきるにはほぼ一日必要となるだろう。





その他のアクティビティも充実しており(私はあんまり興味がないけど)、お手軽にバランスよく東南アジア気分を楽しむにはお勧めの国である。 特にPlants loverが草に興味のないパートナーを連れ出すにはお勧めかもしれない(笑)。冬期休暇に是非ご検討してみてはいかがだろうか。 



著者プロフィール

White moon

行動派水草ハイマニア

面白い水草を求め日本のみならず世界を東奔西走。その収集力と育成技術、情報量の多さは計り知れない。

”草を求めてあっちにフラフラこっちにフラフラ。そろそろアジアをぶらつきたい。得意技は瞬間移動。”



おまけ
シンガポール植物園は、イギリスの植民地行政官トーマス・スタンフォード・ラッフルズ(シンガポールの建設者)や複数の植物学者が関わり1822年に作られた実験植物園を祖とする
この実験植物園ではイギリス本国のキュー植物園と協力して、当時希少であった天然ゴムを産生するブラジル原産のパラゴムノキを他地域で育生する方法や樹液の回収方法など様々な研究を行い、その成果は世界各地の大英帝国領の国々へ伝わりプランテーションでの天然ゴム産生へと活かされていった

ラッフルズの作った植物園はその後閉園し、土地を更に拡大して現在のシンガポール植物園の礎が作られた。この植物園の園長として知られるのが植物学者リチャード・エリック・ホルタムである。彼は日本軍統治下で改名させられた昭南植物園でも植物園の維持に尽力したことで知られる

ラッフルズの名前は現在でもシンガポールの有名ホテルに残ってるが、ジメジメ的にはラフレシア:Rafflesiaの名は調査隊隊長であったラッフルズにちなむものとして知られる
またホルタムはシダの研究者であり、彼への献名としてholttumiiは例えばビカクシダやレカノプテリスなど、いくつかの植物に残る(green)




表紙



ボララスミクロス”レッド”Boraras naevus)はタイ原産の小型のコイ科の魚である

体に入る3つのスポットが特徴的な種で、ボララス・マキュラータに非常に似ているが、体側中心にのスポットがミクロスの方が大きく、また体高が高い点でも見分けられる
コイ科にしては温和で落ち着きのある魚であり、飼い込むことで色が上がるため小型水槽で群れさせると映える魚だと思う
水作HPの山崎氏によるオリジアス メコネンシスの記事によると、”ボララス・ミクロスは岸から網を入れただけでは採集は不可能である。彼らは水の底近くに生息しているので、水に腰までつかり、水底を探るように網を入れないと採集できないのだ。それでもひと網で数匹しか入らず、100匹近くを集めるには、かなりの時間を有する。”
との事で、たしかに水槽でも真ん中より底側で泳いでいる事が多いため、水面側を泳ぐ魚と合わせると良いのかもしれない



リムノフィラsp.ワイナード(Limnophila sp.)はカミハタインド便で日本に入ってきたインド原産のリムノフィラの一種である
丸みを帯びた可愛らしい葉が魅力的で個人的にお気に入りの水草である
節間から発根しやすいため横見が乱れがちなのが玉に瑕であるが、上から見ると可愛くて仕方がない


ボルネオの植物(新企画)

今回からyossie_y2kさんに御協力いただき、yossieさんがボルネオ島(マレーシア・サラワク州、サバ州)で撮影された美しい植物の写真を掲載させて頂けることになりました!
特に同定などはしていない植物の写真のみの掲載となりますが、写真から伝わる日差しや空気感、ジャングルの景色に思いを馳せて頂ければ幸いです






PostScript

Rotala welwitschii



緊急告知

現在Greenジャーナルでは表紙の写真とその写真についてのひとくちコラムをご担当して頂ける方を募集しております!
わが家には水槽が3本しかないため、写せる生き物の数に限界があり、表紙用の写真のストックがそろそろ底を尽きかけておりまして、是非皆様のご助力を賜われればと考えております

写真の方向性は今までの表紙を参照して頂ければと思います。美しい写真は勿論、写っている生き物への愛を感じられるものであれば嬉しいです
コラムも1ツイート分程度で十分ですので、是非お気軽にご応募頂ければと思います

なおご担当は毎週ではなく、連載コラム同様にこちらで複数人にご担当週を分けさせて頂き、日程調整後にご指名させて頂く形(月1回程度担当予定、1度切りの掲載でも大丈夫です)になると思います

掲載の体裁上、お借りするお写真は縦長にカットさせて頂くことになると思いますのでその点はご了承頂ければと思います

ありがたいことに複数の方にお声がけを頂いておりますが、まだまだ絶賛募集中です!


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