Greenジャーナルvol.50 2025年9月3号

2025年9月19日金曜日

Greenジャーナル オススメTOOLS 新着情報 草を求めて東奔西走コラム 熱帯植物

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密林の妖精

写真ご提供:けんなかさん

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.50 2025年9月3号のお届けです! Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です 日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです ※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です 個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております! 是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければと思っております よろしくお願いします


今週末注目のイベント

自家繁殖生体即売イベント「JUMBLE」(札幌市)9月21日開催! 

両生類、爬虫類メインで自家繁殖個体にこだわった即売会「JUMBLE」が
北海道青少年会館 Compassで9月21日(日)に開催されます
植物も実生と増殖株メインという尖ったレギュレーションになっているため、他では見られない面白い交配株があるかもしれません!お近くの方は是非!

咲くやこの花館「Sakuya Green Jam 4」(大阪鶴見緑地)開催中

大阪の咲くやこの花館で毎年3週間に渡って行われている植物即売会イベントSakuya Green Jam4の3週目が今週末の20日(土)、21日(日)に開催されます
 ケープバルブやオモト、ベゴニアやアロイドなど色々と珍しい植物が集まり、またフードトラックなども集まるイベントなのでご家族連れで遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
 

vandaka plants GALLERY TOKYO(恵比寿)移転オープニングイベント9月20日から開催

こだわりのビカクシダの販売で有名なvandaka plantsさんのギャラリーが馬喰町から恵比寿に移転して9月20日(土)にオープンします
それに伴いビカクシダや育成関連用品のセール、商品購入でオリジナルコーヒープレゼントなどのオープニングイベントが予定されているそうです
素晴らしい形質のビカクシダをこだわって集めているハイセンスなショップですので、この機会に見に行くと審美眼が磨かれるかもしれませんね!  

上野グリーンクラブ「秋の山野草と小品盆栽販売会」開催中

毎年この時期に開催される上野グリーンクラブの秋の山野草と小品盆栽即売会が9月19日(金)~21日(日)まで開催中です 小品盆栽や豆盆栽、山野草の苗や豆鉢など手軽に盆栽を始めるのに向いたラインナップになっていますので、新しい出会いを求めに遊びに行ってみては如何でしょうか? 
これから秋冬にかけて紅葉や実が楽しめる植物が多く並ぶと思いますので、季節の移ろいを感じる一鉢と出会えるかもしれません  

都立神代植物公園(吉祥寺)にて「秋の山草展」9月23日から28日まで開催

毎年恒例の都立神代植物公園の秋の山草展が9月23日(火)~28日(日)まで神代植物公園正門横特設ブースにて開催されます
東京山草会の会員の育てた苗や種などが販売されるとのことで、面白い植物と出会うチャンスかもしれませんね!
陽気のいい季節ですのでお散歩がてら出かけてみると良いかもしれません

今週の気になる情報

闘魚庵現地便のアナバスリリース!

当コラムでもおなじみのけんごさんのアナバス専門店「闘魚庵」が久しぶりに現地便の原種ベタやアナバスをリリースしました 
今回の目玉は…個人的に気になるのはベタエニサエですが、やはりOsphronemus septemfasciatus(オスフロネムス セプテンファスキアータス)でしょうか… 
東南アジアでは食用で有名な大型グラミーのうちボルネオに限定的に産する種類です
オスフロネームスグラミーの中でも希少種で、名前の通り7本の縞模様が体側に入り、現地だと成熟したオスは真っ赤になるなかなか日本では見ることのない魚です 
巨大になるため誰でも簡単に飼える魚ではないですが、ロマンの塊ですね…是非育てて仕上がった姿を見てみたいものです  

コトブキ工芸 新型パネルヒーター”防水パネルヒート”発売記念キャンペーン開催

コトブキ工芸から新作のパネルヒーター”防水パネルヒート”が発売になりました 
パネルヒートは表面温度調節ができる点と防水仕様になっている点がポイントで、実際探してみるとこれを両立しているパネルヒーターは観賞魚ジャンルには少ないです 
ベタなどケースが小さくてヒーターを入れるのが難しい魚や、メインのヒーターの予備として底床を温める目的で使うのもアリだと思います
こういうのが欲しかったという人もいるのでは? 
発売を記念してXでプレゼントキャンペーンなども開催していますので、チェックしてみてはいかがでしょうか?  

国立環境研究所「流域の土地利用が湧水性魚類の分布に影響 ホトケドジョウを指標に検証—」

宅地化が進む印旛沼周辺の地下水、湧水の減少が湿地の生態系に与える影響についての論文です。絶滅危惧種のホトケドジョウを指標にして谷津の水路での生息環境に対する影響を調べています 単純に湧水の影響だけではない生息適地の条件にかかわる面白い要素があるので是非読んでみて下さい  

板橋区立熱帯環境植物館にてマレーシア展開催中&今週末は「31周年ねったいかんフェスティバル」開催!

都会の穴場的な植物園&水族館としてその筋では有名?な板橋区立熱帯環境植物館でマレーシア展が開催中です 
 マレーシアの文化と自然の紹介ということで、ラフレシアのパネル展示やマレーシアに生息する魚のバラクーダの紹介、食文化の紹介、民族衣装の展示などが行われております
 土日祝日には高島平駅から無料送迎バスがあり、カフェも開かれているそうなのでご家族連れで遊びに行ってみてはいかがでしょうか? 
特に今週末20(土)、21(日)、23日(火)※月曜定休は開館31周年記念「ねったいかんフェスティバル」が開催され、様々なイベントやマレーシアのごはんをテーマにしたフードトラックが集まるそうです(しかも入館無料!)
また、23日には観賞魚の販売イベントもあるそうです!これは行かない手はないような気がします!注目!

新着情報

 

ファイヤーファントムテトラ

懐かしい珍カラがアクアショップフルーメン(西新井)さんに入荷していました
パンタナル湿原に産するファイヤーファントムテトラはブラックファントムテトラを赤くしたような魚です。ブラックファントムのメスも赤みを帯びることがありますが、独特の赤さが強く発色しとても魅力的なカラシンです
現在パンタナルでは野生生物の商業的な採集が禁止されているため、パンタナルに産する魚種の入荷は非常に稀です。手に入れられる時に手に入れておきましょう(繁殖も狙える種類なのでチャレンジしてみるのも良さそうです)


コラム

草を求めて東奔西走

博物画蒐集のススメ

 こんばんは。唐突ですが2-3年前から植物の博物画蒐集にはまっています。博物画は鑑賞性が高く、死なないし、枯れないし、歴史的価値もあって素晴らしいぞ!という事で、博物画の魅力について語ってみたいと思います。といってもそんなに詳しくもないので情熱だけ伝われば幸いです。

チェコスロバキア時代の熱帯魚図鑑

 博物画は英語でNatural history illustrationと呼ばれ、主に図鑑の絵や図譜などの動植物の特徴を詳細に記録するための絵を指します。単に植物画(Botanical art)や動物画(Zoological art)とも言われます。16世紀ヨーロッパにおいて博物学の進展とともに発展し、今日においても図鑑や論文など生物の特徴性を示すための手段として重要です。芸術的価値も高く、先日訪れたフランスパリでもショーウィンドウの装飾などに使われていたりして、もしかしたら今世界的に流行っているのかもしれません。その様式はヨーロッパの水草ファームにも受け継がれているのか、水草の販売タグなどの挿絵にはリアルな水草が美しく描かれています。

Tropica art poster


残念ながら日本では流通しませんでしたが、海外ではTropica社の50周年記念の際、5タイプの植物画とポスターカードが販売されていました。運よく何種類か入手出来ましたがこれはいい物でしたね。いつかフルコンプしたい、、、

有用植物図説巻ノ三

 一方、日本においてはいわゆる博物学的なムーブメントが起こったのは江戸時代中期以降だったようです。明治時代のものを所有していますが、木版画を用いて刷られており味わい深い絵柄が良いですよ。

ジュンサイの図譜

 植物画のアンティークとして最も有名なのはおそらくカーティスボタニカルマガジンだと思います。イギリスの博物学者のウィリムカーティスにより1787年に発刊され、今日においてもKewガーデンに引き継がれ、出版され続けているとんでもない植物雑誌です。18世紀後半のイギリスでは、大航海時代の副産物として異国の植物栽培が大流行し、新種や珍種がこの雑誌を通して紹介されていたそうですが、現代に置き換えればMist lovers的な存在だったのかもしれません。世紀をまたいで植物マニアの情熱が手垢とともに封じ込められたものなので、今日においても熱くて当然と言えば当然の代物なのかもしれません(笑)。

水草いろいろ

 さて博物画は基本的にアンティークの書籍を裁断したものが販売されています。カーティスの場合、図版と説明文(ない場合もある)がセットで販売されており、銅版画に手彩色して描かれているのが特徴ですが、彩色も特徴をとらえておりGoodです。価格は図譜の状態、大きさ、彩色が全体にわたってなされているのか、出版年代、出版数、レプリカかどうか、植物の種類などによって異なります。睡蓮は例外として、水生植物はそんなに人気がなく(涙)、だいたいそんなに高くありません。A4サイズ、手彩色で描かれているのものだとだいたい3,000~7,000円くらいでしょうか。A4の半分くらいのものは1000円以下で買えたりしますので、そういったものから沼に踏み入れるのも良いでしょう。

 日本では動植物の古本を専門に扱っている店や、骨董市、博物画を専門に扱っているバイヤーさんから入手できるでしょう。しかしながら物量的な観点から言うと、洋書のアンティーク由来のものが多いので博物学に所縁のあるパリやロンドンなどの本場で探したほうがいろんなものに出会える可能性は高そうです。パリのサン-トゥアン地区では博物画の専門店が何店舗もあり、本場は違うなぁとうらやましく思いました (GJ vol.41 2025年7月2号参照)。もし機会がありましたら是非行ってみてださい。
ちなみに今私が探しているのはクリプトコリネの図譜なのですが全然見つからないので、もしか見つけたらこっそり教えてください。

Rafflesia patma



図譜説明

1.チェコスロバキア時代の熱帯魚図鑑
ネオンテトラとラスボラヘテロモルファの図譜エキノ?とクリプト付き。飼育繁殖方法について書かれている。
2.Tropica art poster
日本にも入れてほしかったなー
3.有用植物図説巻ノ三
明治時代に出版された植物図鑑。ホシクサはイグサの一種として当時は考えられていたようです。
4.ジュンサイの図譜
Curtis Botanical Magazineより。新芽のゲルっぽい感じが良く描かれています。完全に彩色されたものは価格高めです。
5.水草いろいろ
EU原産の水生植物たち。彩色が不完全なもの。大体一枚1000円前後で買えます。
6.Rafflesia patma
19世紀前半にジャワ+αの島々の植生についてまとめられた植物本より。でっかいことは良い事だ。

著者紹介


White moon

行動派水草ハイマニア

面白い水草を求め日本のみならず世界を東奔西走。その収集力と育成技術、情報量の多さは計り知れない。

”草を求めてあっちにフラフラこっちにフラフラ。そろそろアジアをぶらつきたい。得意技は瞬間移動。”



表紙

Parosphromenus linkei(パロスフロメヌス リンケイ)

ボルネオに生息する小型のリコリスグラミー。日本で流通するリコリスの中ではディスネリーに並ぶ普及種の一つ
リコリスの中ではやや大型になり、体側に入る大きな黒い班、尾びれがピンテール状に伸びるなどの特徴がある
オスは伸長する赤みのあるヒレに水色のドットが散りばめられ非常に美しい
リコリスの飼育については以前も触れたが、障害物の多い鬱蒼としたレイアウトを作りブラックウォーターで飼育してやると落ち着きやすい
紅茶色の水の中で星が煌めくような姿は飼育している人間に密かな喜びをもたらす

週刊「自宅田園ビオトープを作ろう」

草の成長の勢いが落ち着き、コケが増えてきました。なんとなく秋を感じるのは何故でしょうか?




カヤツリグサっぽいものに穂が付いたので4.04さんに同定ポイントを聞いてみた所、イヌホタルイであろうとのことでした
5月から育て始めてついに謎の植物の名前が判明したわけです…これぞ育てる楽しみですね!
うーん嬉しい…

あ、でもイヌホタルイって茂るとめんどくさいことになるんじゃなかったっけ…


オススメTOOLS feat.ADA特集

 

ADA プロピンセット





永遠のマスターピース。レイアウト作成の際に便利なピンセットです

定番商品なのでお持ちの方も多いとは思いますが、重さのバランス、先の細さ、握りのバランス、掴む時の力加減などトータルでバランスの取れた使いやすいアイテムだと思います

上:プロピンセット 下:レイアウト専用ピンセット

30年以上の歴史の中で細かいモデルチェンジがあるのですが、僕がかれこれ30年近く使っているのは下側のもので、当時のモデル名は”レイアウト専用ピンセット”というものです

先端のシャープさが違います

こちらは現行のプロピンセットに比べると先端が尖っていて、指をあてるとチクチク刺さるくらい鋭利です

僕はこの先端部が尖ったものが使い慣れていて好きなのですが、現行品に比べると作用点が広くピンチした際の保持力が弱い難点があると思います

現行品は先端が丸くなっている代わりに作用点が狭くなっており、先端に力が加わりやすいのでピンチしたものをしっかり掴めるようになっていて一長一短かなと思います

ADAのピンセットは元々は医療用に使われていたものをレイアウト用に流用したものだとされていますが、正確な操作性、手のなじみなど使いやすい点ばかりで、他のピンセットは使いにくく感じてしまいます




ADAだからお高いんでしょう?と思う方もいるかもしれませんが、確かに同じような商品に比べると若干高いですが、なくしたり壊したりしない限り10年20年と使うことを思えば全然安い買い物だと思います

なお30周年記念モデルでチタン製のものもありますが、これは本当に軽くて羽根を持っているかのよう…なのですが、桁が1個違うのでおいそれとはオススメできません…でも減価償却で考えれば安い…いや高い…安い……



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次の特集

次は「僕達が好きだったADA特集」と決めてはいるのですが、ネタ出しが難航しています

こんなネタどう?というアイデアの持ち込みお待ちしております…

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