Greenジャーナルvol.41 2025年7月2号

2025年7月18日金曜日

Greenジャーナル ワイルドベタ 草を求めて東奔西走コラム 闘魚庵 熱帯植物 迷宮探訪

t f B! P L


金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.41 2025年7月2号のお届けです! Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です 日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです ※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です 個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております! 是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければ光栄です

掲載の体裁上、お借りするお写真は一部カットさせて頂くこともあるかと思いますのでその点のみご了承ください よろしくお願いします


今週末注目のイベント

草パラダイスVol.6(岡崎市)7月19日、20日に開催

愛知県岡崎市の三浦園芸田口農場の温室にて植物即売会「草パラダイスVol.6」が7月19日(土)・20日(日)に開催されます
土日で参加者が異なりますが、両日出展される小林昆虫さんはアロイド中心の出品だそうで、面白い草が沢山あるでしょう
日曜日に参加されるPlantsBaseさんやAquafortuneさんなどはジメジメに強いお店なので色々と面白い草が見られるのではないかなと思います
きっと楽しいイベントになると思いますのでご近所の方は是非!!

オザキ珍植物コレクション(練馬区)7月19日、20日に開催

練馬区石神井のオザキフラワーパーク2Fにて植物即売会「オザキ珍植物コレクション」が7月19日(土)、20日(日)に開催されます
ビカクの長久園、洋らんの太陽園芸、食虫植物のヒーローズピッチャープランツ、蟻植物の伊藤蟻植物農園と各分野の有名店が出展されていますのでこれは絶対見に行ったほうが良いイベントですね…!
20日にはアリ飼育キットでおなじみのAnt Roomさんの講演会もあるそうです!これはお子さんも喜びそう!是非!

ジュエルオーキッド-森の宝石-(名古屋)7月20日に開催

苔テラリウムのトップランナーの一人、道草さん主催のジュエルオーキッドのイベントが名古屋市千種区の橋本ビルにて開催されます
ゲストはジュエルオーキッドマニアで知られる「青い葉っぱのメモ帳@シシゼロ」でおなじみシシゼロさん
ジュエルオーキッドについてのトークショーや、植え替え実演、苔テラリウムのワークショップ、ジュエルオーキッドやヒカリゴケの即売会など、ジュエルオーキッドがお好きな人にはたまらないイベントになること間違いなし!お近くの方もそうでない方も是非!

今週の気になる情報

Seachemの水草添加剤が日本でも発売

アメリカのマリン、観賞魚メーカーSeachemの水草用添加剤が日本でも発売開始されました
液肥や底床用肥料が発売されていますので、色々試してみるのも良さそうですね
Seachemの液肥はかなり種類が細分化されていますが、それぞれ細かい成分表示がされていますので、欲しい要素を選んで使うのも面白そうです
現在輸入代理店のLSS laboratoryが8月31日までオマケとして1.0mlプッシュノズルを付けているそうなのでこの機会に試してみると良いかもしれません!
底床肥料は最近色々ざわついていますしちょっと興味あります

NativeForest(札幌)熱帯雨林植物(ジメジメ系)買取りサービス開始

北国の熱いジメジメショップ、Nativeforestさんが自宅で余剰になったジメジメ系植物の買い取りサービスを開始するそうです。面白い試みだと思います
例としてベゴニア、ジュエルオーキッド、ソネリラ、ピペル など結構増えやすい植物を挙げられていますので、このあたりで持て余している方はお店にコンタクトを取ってみるといいかもしれませんね!

新着情報

今週は特にありません

コラム

1:草を求めて東奔西走

「パリで水草旅」

Bonsoir~という事でパリに行ってまいりました。

お仕事が多忙すぎてあんまりハッスルできませんでしたが、水草と博物学的に面白げな場所をターゲットにふらっと回り、かなり楽しめました。


10年前に訪れた時はこんなに暑くなかったのですが、今回はリアルヒートウェーブが発生しており、パリは燃えていました(笑)。日本のようにエアコンを設置している施設が少なく、22時くらいまでカンカン照りで逃げ場なし。ただ川沿いを散歩するには観察時間が長く取れるので夏にヨーロッパをフラフラするのは時期的に正解かもしれませんね。帰国後には15度くらいに冷えたらしいので、本来はもっと快適なのかもしれないです。






さてパリ市のど真ん中を流れるラ・セーヌことセーヌ川ですが、存外、植生豊かなので驚きました。ポタモゲ、ヒルムシロ、コウホネ、ミリオフィラム、ウキミクリ?など大都市のど真ん中で見られるとはかなりびっくり。これは上流の方へいってみたらもっと色々見られるかもですね。

出張時のお決まりのショップ巡りですが、今回はGrok先生に水草の強い店を聞いてみた所、大変良くご存知だったので、初めての国では彼(彼女?)に聞いてみるのが良いかもしれません。またフランスあるあるですが、お店に入ったときはきちんとボンジュールと言いましょう。さもないと扱いが悪くなるらしいです。あと基本的に英語通じません。電波状況が悪いので(3Gを久々に見ました笑)、アプリを用いたリアルタイムの翻訳は活躍できなそうです。質問事項などは事前に翻訳したものを用意しておいたほうが無難です。


1軒目:Aquadesigner










さて一店舗目はなんとIAPLC2014年にGrand Prizeを受賞されたGregoireさんのお店でした。素材がうず高く並べられており、ザ・レイアウターの店といった感じでしたね。他国は水槽内の生草の状態が高硬度のせいで死んでいるのですが、きちんと維持されていました。アクアフロー“ラ”、デナリー、トロピカなど欧州ファームのもののほか、TCカップでは日本未入荷の種類が在庫されていました。ADA製品が並んでいるのはふふふっとなりましたね。こちらのお店ではTropica ART posterを購入。










2軒目:Aquaplante

お次の店は郊外の店、パリの中心部付近から1時間半とかなり気合が必要でしたが、何とかたどり着きました。なんだか故Charm実店舗のような趣のある店で、名前もなんとAquaplanteとそのままのネーミング。水草は契約農家?で栽培された水上葉がメインのお店で、原種系エキノのほかホレマニーグリーン、レッドなどなかなか面白げな物がありましたが、水草だけではなく、熱帯魚や海水魚、コイなど手広く在庫しているので、今まで訪れたEUの店の中で一番見応えがありました。ポンドプランツコーナーもありEU原産のオモダカやハナイ、バルデリア、スギナモのほか、北米原産のAnemopsis californicaなど大変興味深いラインナップ。パリ近郊には池持ちの家庭が多いんだろうか。公園の池にもヒルムシロが植わっていたりとセンスを感じましたが、この辺はビオトープを楽しむ日本人の感覚に近いのかもしれない。せっかくなので何か買おうかなと思ったらTropica 50周年記念製品がまだ残っているじゃないの!?という事でカップとボトルを購入。ここで選ぶのはやっぱウェンデロブでしょう。








 続いて目指したのはサン-トゥアン地区の骨董市。ここ数年、博物画蒐集にはまっているので一度は行ってみたかった場所。絵画、アンティーク家具、古着、オーディオ、ボタン、古書、甲冑、こけし(笑)が一同に集まって、まるで巨大迷路でした。しかも立体的。あまりに巨大すぎて、最初に訪れた店で見つけたキルトスペルマジョンストニーの大きな博物画を、後でまた取りに来ますねといったきり、そこに再びたどり着くことが出来ませんでした。トホホ。結局この市場では19世紀にフランスで出版されたポケット植物図鑑のNuphar luteaを購入。状態も良く、とても良い買い物が出来ました。




 フランスにはこだわりが強い個性的な店が多くマニアックな方であれば間違いなく楽しめるでしょう。現地民曰くこれがアムールらしいので、なるほどこれが愛の国だと実感しました。また訪れたいけど次は旅行で。

仕事で行くとこじゃないねパリは。


著者紹介


White moon

行動派水草ハイマニア

面白い水草を求め日本のみならず世界を東奔西走。その収集力と育成技術、情報量の多さは計り知れない。

”草を求めてあっちにフラフラこっちにフラフラ。そろそろアジアをぶらつきたい。得意技は瞬間移動。”





2:迷宮探訪


「タイ東北部編第三回」

お世話になっております。けんごです。
前回念願のギターを採集したタイ東北部遠征。今回はその続きをお届けします。

唐突ですがこのギターと言う魚、現状はBetta smaragdinaの1形とされており「タイ北部に生息する尾鰭に格子模様を持つスマラグディナがギターである」とされています。
では、実際にスマラグディナがギターと呼ばれる表現を持つ地域はどの範囲なのか?気になりませんか?
僕は気になりました。なのでブンコンロン湖を起点に西へ移動しながら都度スマラグディナを採集してみることに。(実際は次の目的もあり、立ち寄る場所すべてでスマラグディナを見られるわけではないのでサンプルはわずかですが…)

まずはブンカーン県の北部にて。
ここはブンコンロン湖から直線で40キロほど西の地点です。



Betta smaragdina "Guitar"


ここのスマラグディナは格子模様はやや弱いもののまだ"ギター"と呼べる範囲の表現をしています。

さらに西に移動してノンカーイ県の東部へ。
ここはノンカーイ県とブンカーン県の県境から西へ10キロほどの地点です。


Betta smaragdina "Guitar"?

この時点で尾鰭の格子模様は消失。
"ギター"と呼べる表現ではなくなりましたが、"ギター"と呼ばれる個体群に特徴的な形態的特徴は備えており、中間的な形質となっています。

ここからもスマラグディナを探すもののあまりいい場所を見つけることができず終了。




翌日は明るくなる前に起きてルーイ県へ。
この旅も終わりが近づいており滞在時間は短くなってしまいましたが、自然が多くとても素晴らしい場所でした。



ここではBetta splendensを採集しました。

Betta splendens


野生下の本種は闘魚文化や観賞魚文化の影響を多分に受けており純粋な原種を探すことは非常に難しくなっていますが、この場所の個体群はかなり原種に近い表現を保持しているように感じました。

その後はバンコクへ向かう寝台列車が2時間近く来ないというトラブルに見舞われ駅の地べたで眠ることになるなど、些細なトラブルを楽しみつつタイ東北部の遠征は終了致しました。





著者紹介

けんご

原種アナバス専門店「闘魚庵
主催のアナバニスト

アナバス以外にもメダカや水草などの採集も行っており、業界注目度が高い熱帯魚ハンターである


”原種アナバスと呼ばれるグループの魚に魅せられ、闘魚庵という原種アナバスの専門店を営んでいます。

「アナバス全種の繁殖維持」を目標に掲げ、東南アジアをフラフラしながら観察、収集や繁殖などにも力を入れています。”


表紙

約1年前の姿


ブセファランドラ sp.クアラクアヤン北部産 type1

最初期に日本に入ってきたブセといえば、出射氏が採集しNaturaさんからリリースされたクアラクアヤンtype1と2、クダガンが知られています

これらは現在も流通するブセの中でも特に水中適性が高いことで知られていますが、水草として見ても非常に魅力ある種類だと思います

type1は底床に植え込むことで小さな葉をみっしりと茂らせながら這っていくため、前景草としての能力がかなり高く、また成長が遅いのでトリミングに忙しくなることもなく、底床を覆っていく姿を楽しめます

水上ではより濃い緑で大きくなるのですが、水中では小さくなりつつもしっかり這ってくれる姿が可愛いです

クアラクアヤン北部産type2

クアラクアヤンtype2は中型のブセですが同じく水中適正が高く、独特な照りや複雑な輝きがあり盛んに花を付けることで知られています
水上育成が盛んな印象がありますが、今一度、水草としてブセを楽しんでみるとまた違う魅力が見えてくるかもしれません

(green)






週刊「自宅田園ビオトープを作ろう」は、今週写真撮り忘れました…_(:3」∠)_


ホウネンエビの抱えている卵っぽいのが黄色っぽくなってきました
また細長い葉っぱ以外に丸葉の芽も見えてきました…なんだろう…楽しみ

PostScript

エキノドルス ディープパープル(スリランカ便)



ここしばらく涼しいと思っていたら、いよいよ関東も梅雨明けだそうで…

室内は冷房があるからいいとして、屋外の植物達には過酷な日々になりそうですね…

皆様もくれぐれもご自愛ください

さて、そんな夏の暑さにこそ元気になるエキノドルス達の水上育成、流行りませんかねぇ?



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