コラムまとめ 「水の中の草コラム」著者:まさ

2026年2月27日金曜日

Greenジャーナル 水の中の草コラム

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水の中の草のコラム 2024年10月3号掲載

第1回「プロローグ」



長い文章を書くのは久々なので、自己紹介がてら肩慣らし。


私がアクアリウムを始めたのはもうかれこれ30年以上前。

誕生日プレゼントに伯父から買ってもらった60cm水槽セットがスタートだった。

上部フィルターに1灯式ライト、大磯砂という環境だったが、最初に買ったアマゾンソード、ルドウィジア、ハイグロフィラが思いのほか元気に育った。(ヘアーグラスは枯れた)


そこで水草に興味を抱きライトを2灯式に変更し、二酸化炭素を貯蓄式で添加し始め、フィルターを内部式にして最初に使っていた1灯式ライトも乗せて3灯に。

当時の情報源は書籍だったので、水草の本をいくつか購入。

その中の「レイアウト作製・水草育成図鑑」という本の中の「トニナの森のレイアウト」という写真に目を奪われる。




「南米産水草」との出会いである。


がしかし、しばらくは本を眺めるだけの日々。

と、そんなある日、先出の伯父と一緒に行った「日本水族館(現TropiLand荒川店)」で偶然トニナと出会い入手。

当時まだ珍しい種類では有茎草1本5000円などというものも普通にあった時代で、トニナは3本980円だったと記憶しているので、それなりに専門店に出回り始めた時期だったのだろう。

かくして本でしか見たことがなかったトニナを手にしてからは、もう水草沼にどっぷりと。


フィルターをさらに外部式に変更し、蛍光灯の種類にこだわってみたり、二酸化炭素を小型の高圧ボンベから添加するようになり、初めて底床にソイルを使ってみたりと、設備投資を進めていくのと並行してこれまで以上に様々な水草に興味が湧くようになっていき、部屋に置く水槽の本数も順調に増えていった。


歳を重ねると共に行動範囲も広くなり、水草に強いショップに足を運ぶと同時に、書籍などのショップの広告から通信販売をしているお店を見つけてはプライスリストを送ってもらい、南米産水草をはじめとするレアな水草を手に入れていくことになる。




11歳でアクアリウムを始めた少年は、時を経てすっかりおじさんになってしまったが、今も部屋には水槽が並び、その中にはあのトニナsp.も育っている。


そんなおじさんのコラム、始まりました。



水の中の草コラム 2024年11月3号掲載

第2回「トニナsp. “ベレン産”」



やはり、この水草沼に嵌まったきっかけとなった水草から始めよう。




トニナsp.

このトニナsp.の登場が、底床素材としてのソイルを一般的にしたと言っても過言ではないのではないか?

それまでの底床の主流といえば「大磯砂」

今や自社製品として「アクアソイル」シリーズを販売するADAですら大磯砂を使ったレイアウトが普通だったが、トニナsp.は当時の大磯水槽ではなかなか上手く育たなかったのである。

そんな中、ドイツの専門誌「Das aquarium」アクアズーム主宰、三浦達雄氏による本種の育成記録が掲載され、本種の栽培条件が広く知れ渡ることになる。




トニナは水中の炭酸塩硬度(KH)の存在を嫌う。

大磯砂は海産の砂利でそのまま使うとどうしてもKHを上げてしまうが、当時出始めのソイル系底床はカルシウム分を含まず、使用することでソイルの吸着効果(陽イオン交換)や有機酸によりpHやKHが低下し、トニナsp.の栽培に適した水質を得ることができたのだ。

トニナsp.から始まる後の「南米産水草ブーム」で登場する多くの新着水草にもこのソイルの効果は絶大で、ソイルは一気に水草栽培底床の主流となっていった。




過去に育成経験のある方はもう一度、まだ未経験の方は是非一度、本種を育ててみてほしい。


トニナ育成の水質目安はpH6以下、KH0〜1

これさえクリア出来れば、トニナ育成は8割成功したと言っても良いだろう。
炭酸ガスの添加は有効だが少量でも良く、光も特別強くなくても大丈夫。
とにかく水質条件さえ満たせばそれほど難しい水草ではない。




頂芽が魅力的な水草なのでトリミングは差し戻しが基本となり手間はかかるが、是非一度ご自宅の水槽でトニナを育ててみてほしい。

そして出来ることなら1度で良いので水槽全面にトニナを植えてみてほしい。
他種では見られない個性的かつ美しい光景が見られるはずだ。





水の中の草のコラム 2024年12月2号掲載

第3回「お詫び」


今回で3回目のコラムとなるが、ここで早くも読者諸氏に謝らなくてはならない事態となった。

初回のコラムでは自己紹介がてら、私がアクアリウムを始めて水草に興味を持ち、水草にどっぷりと嵌るまでを書き連ねているのだが、その中で一つ大きな嘘をついていたのだ。

コラム内ではトニナsp.との出会いを「南米産水草」との出会いとしたが、これが実は大嘘なのである。

誠に申し訳ない。


その一文より少し遡って読んでみてほしい。

「最初に買ったアマゾンソード、ルドウィジア、ハイグロフィラが思いのほか元気に育った。」

そう、実は初手で南米産水草と出会っていたのである。


「アマゾンソードプラント」

アマゾンソードプラント


古くから水草の入門種として知られ、価格もリーズナブル。

炭酸ガスの添加をしなくても育ち、立派に育ったものは一株でもしっかりとした存在感を示し、美しい。


定番種過ぎてすっかり忘れていたが、本種も立派な南米産水草なのである。


最近ではAquarius属に移行したり、いくつかのタイプがまとめられてgreisebachii種となったりと色々変更があるようだが、その辺りの詳細は他所へ丸投げして、ここでは水草としての魅力について触れておこう。


といってもこれも全て先ほど述べてしまった。

安価で栽培容易、存在感があり美しい。


エキノドルス パルビフロルス

昨今のレイアウトスタイルではなかなか登場の機会はないが、例えば砂底床に一株ドンッと植えて周辺をコリドラスを泳がせればそれだけで様になるし、昔ながらのセンタープランツとして本種を植えて、周辺を有茎草で埋めても美しい。

じっくり育てれば葉数50枚の大株に仕立てる事もできるし、明るい緑一色なので様々な色彩の有茎草との相性も良いのだ。

ブロードリーフアマゾン ”コンパクト”

夏場は屋外で水上葉として育てればシュートをよく出して可愛い花も見られるし増殖も容易。

関東以南であれば越冬も不可能ではないので、適切に施肥や植え替えをすれば何年も楽しめる。


ブロードリーフアマゾン ”コンパクト” 水上育成株

エキノドルス パルビフロルス 水上育成株

エキノドルス パルビフロルスの花

水草としての魅力がたくさんある種なのである。


定番種と侮るなかれ。

是非改めて栽培してみてほしい水草である。


さて、最後にもう一つ読者諸氏に謝らなければならない。

お気づきかもしれないが、今回のコラムのテーマは「アマゾンソードプラント」なのに使用している画像の大半を近縁種のものでお茶を濁している。

最近久々にアマゾンソードを入手したのだが、入手したてでようやく水中葉が展開し始めたところで、綺麗な水中株の画像の用意が間に合わなかったのだ。


アマゾンソードプラント


誠に申し訳ない。。。


水の中の草のコラム 2025年1月2号掲載

第4回「ブーム」



どんなジャンルにも「ブーム」いうものはあるもので…

とその前に、ここからは私まさが一趣味家として当時見て、感じたことを書いていく。
が、なにぶん25年も前のことである。

記憶違い等もあるかもしれない。

もし読者諸氏の中に当時をリアルタイムで知る人がいれば、遠慮なく指摘して頂きたい。
と同時に、私とは違った立場で見た当時はどうだったのか?なども教えて頂けると有り難い。

また、当時はまだ生まれていなかったり、アクアリウムに出会っていなかった方々で質問等あれば、知っている範囲で答えていきたいと思う。

まだブームとまではいかないが、ここ最近の水草栽培の盛り上がりをXを通じてなんとなく感じているおじさんは、このコラムが世代を超えた趣味家の交流の一端になれば嬉しいのだ。

さて、自分がこの趣味を始めて30数年の間にも、アクアリウム業界にはいくつかのブームがあった。

最近では「メダカ」だろうか。その前には「シュリンプ」もブームになったように思う。

一方「水草」は…

残念なことにジャンルとしての「水草」がブームになったことは無かった。
山田孝之と長澤まさみ主演で水草ショップを舞台に映画を作ってもブームにはならなかった。

とはいえ、ジャンル内では水草栽培を楽しんでいる趣味家の間で、いくつかのブームがあった。

本コラム第2弾、トニナの回で軽く触れた「南米産水草ブーム」もその一つである。

デカケヤリ

ケヤリソウ

それは今から25年程前、90年代後半から00年代初頭にかけて南米ブラジルアマゾンから、松坂寛氏主催の「アマゾンだいじょうぶだ探検隊ツアー」に参加した方々により、多くの新着水草が国内導入された

それまで知られていた種のWILD株や地域変異種、それまで全く知られていなかった種など様々な水草が持ち帰られたのだ

ツアー参加者の中には当時水草で有名なショップの店長や熱心な趣味家がおり、国内導入された水草はそんな方々のお店や自宅の水槽で維持、増殖されて徐々に普及していった

スターレンジ “サンパウロ”

スターレンジ “サンガブリエル”

スターレンジ “アルタミーラ”


当然最初の導入数は少ないし、増殖すると言ってもそれから暫くは国内の総数はたかが知れているので、有茎草1本〇千円なんてことも普通にあったが、自分も含めて目新しく珍しい水草に魅入られた趣味家は自宅の水槽で栽培チャレンジするべく購入したのだ。

ベレン産レッドカボンバ

ポリゴナムsp. サンパウロ レッド


昨今のアクアライフ誌の新着種紹介コーナー「アクアフィーチャー」において水草の新着種が紹介されるのは稀で、数ヶ月に1回、1〜2種程度となっているが、00年代は毎月2〜3種の水草が紹介されるほど、目新しい水草のネタには困らない時代だったように見受けられる。

ラージナヤス “サンタレン”


エイクホルニアsp. “ローライマ”


自分がトニナと出会い、銀座のデパートの屋上にあった専門店を知った00年頃にはすでに国内導入から2〜3年が経ち、ツアーによってもたらされた水草たちはある程度価格も落ち着いてきていたが、同時期に海外ファームや今は亡き吉野敏氏のプライベート便などによって、南米以外の地域からも珍しく面白い水草の入荷が頻繁にあり、「南米産水草ブーム」から「新着・珍種水草ブーム」へと対象範囲を広げながら、しばらくブームは続いたように思う。

パンタナル バコパ

ローライマ バコパ


駆け足で当時を振り返ってみたが、大まかな内容としてはこんな感じだったように思う。

次回は、なぜブームになったのか?
そしてなぜブームは終わったのか?
この辺りを自分なりの考察を交えて書いてみたいと思う。

つづく…


※掲載画像は過去のものも含みます



水の中の草のコラム

第5回「はじまりと終わり」



 前回のコラムでは南米産水草ブームについて、大まかにではあるが振り返ってみた。

今回は何故ブームとなったのか?
そして何故ブームは去ったのか?

ブームの始まりと終わりについて、少し考えてみようと思う。

サンパウロ ラージパールグラス



ブームに至る要因はいくつかあったと思われるが、一つはやはりトニナ以降の南米産水草の入荷ラッシュであろう。
前回のコラムでも触れた「アマゾンだいじょうぶだ探検隊ツアー」により、1990年代後半に数度にわたって数多くの魅力的な南米産水草が国内導入され、それらはその希少性やコレクション性、未知の水草に対する探究心、栽培難種への挑戦など、水草好きの心をくすぐるには充分だった。

アマゾンハイグロ



と同時に、96年から販売されたADAアクアソイルの普及も一役買ったと思われる。
多くの南米産水草はpHの低い軟水を好み、その水質を容易に作れるソイルの普及は、新たな水草たちの栽培を容易にした。

ゴイアス ドワーフロタラ



もう一つは、インターネットオークションの開始も大きかったのではないかと思っている。
「ヤフオク」は1999年9月にスタートし、それまで増殖した水草は趣味家同士で譲渡するかトレードするのが主だったものが、誰でも容易に個人売買が可能な環境が出来たのだ。
珍種、希少種、栽培難種は出品されれば価格が上がるので、当時まだ流通量の少ない南米産水草は良い「商品」となっただろう。
実際「珍種」「希少種」「レア」などのうたい文句と共に、多くの南米産水草が出品されていたのを記憶している。

パンタナル ドワーフマヤカ



これらのいくつかの要因が重なり、1990年代後半から2000年代前半にかけての数年間にわたって「南米産水草ブーム」が起こったのだ。
またそこから派生、移行するように「ホシクサブーム」や「深緑系エキノドルスブーム」も起き、水草好きにとっては楽しい時代だった。

しかしながら、ブームはいずれ去るもの。
「南米産水草ブーム」も徐々に落ち着いていき、あれほど多くあった南米産水草も一部を除いて少しずつ市場から姿を消していった。

レッドマヤカ サンタレン



さて、何故ブームは去ったのか?
これも原因はいくつかあったように思う。
一つは趣味家の興味が他ジャンルに移ったこと。
先述した「ホシクサブーム」や「深緑系エキノドルスブーム」が起こったことにより、流れがそちらに大きく動いたことは大きいだろう。

これによりオークションの出品ラインナップも、ある程度趣味家のもとへ行き渡った感のあった南米産水草よりもより高値で売れるホシクサや深緑系エキノへと入れ替わっていったように感じた。

サンタレン ドワーフニムファ



また、2001年からADAのレイアウトコンテストが世界規模になり、以降年々盛り上がりを見せるようにもなった。
南米産水草の多くは個性的でコレクション性も高いものが多かったように思うが、それは逆にレイアウトでは少々使いにくい水草であるとも言える。
レイアウトコンテストの盛り上がりと共に、市場で求められる水草も個性が強すぎるものよりも、よりレイアウトで使いやすい種類へと変化していき、少しずつ南米産水草の姿がショップから消えていったように思う。



タパジョスドワーフニムファ レッド



南米産、ホシクサ、深緑系エキノと水中の水草ブームが一通り終わったあと、いわゆる「ジメジメ系」とも呼ばれる水辺や林床の植物のブームがやって来て、個人的には水草の冬の時代がやって来たように感じていたのだが、ここ数年はまた水草界隈が少し盛り上がってきたように思う。
と同時に、南米産水草ブームでもたらされた水草たちも改めて注目されはじめ、懐かしい水草を再度目にする機会も増えてきた。
もちろん25年も前に導入されたもので、すでに国内からは消えてしまった種類も数多くあるが、自分としてはむしろよくこれだけの種類が残ったな、という印象が強かったりもする。


タパジョスドワーフニムファ グリーン



ブームの始まりと終わりを自分なりの考察も交えながら簡単に振り返ってみたが、いかがだったろうか?

さて、ここで一つご提案。
今自分の水槽にある水草の来歴を一度調べてみてはどうだろうか?
ブームよりさらに大昔から国内流通している種類や、初入荷はヨーロッパのファームから、なんて種類もあるだろうが、もしかしたら当時の「南米産水草ブーム」で導入・拡散された水草だったりするかもしれない。

サンパウロ レッドアンブリア



様々なルートで国内にもたらされる海外産の水草たち。
一度入手したら、できるだけ長く維持していきたいと思う。
今後二度と入荷しないかもしれないし、欲しいときにはもう国内に残っていないかもしれないから。

サンフランシスコ ドワーフアンブリア



※掲載画像は過去のものも含みます




水の中の草のコラム

「しんりょく」と読むか「ふかみどり」と読むか



前回、前々回と、南米産水草ブームについて振り返ってみたが、その中で少しだけ触れたその他のブーム。

今回は「深緑系エキノドルスブーム」について振り返ってみよう。

エキノドルス自体は古くから日本のアクアリウム界に流通しており、アマゾンソードをはじめとした定番種と言われるものがいくつか店頭に並んでいた。

そんな中、「エキノドルスの王様」としてエキノドルス ホレマニーが国内流通し始める。

当初はヨーロッパや東南アジアのファームからの入荷が主だったが、その入荷数、流通量は少なく、価格も高価だったのも「王様」と言われる所以だったのだろう。


エキノドルス ホレマニー バース便



90年代後半になり現地採集株のホレマニーが散発的に入荷するようになり、ブロードリーフやダークグリーンなど、葉幅や色彩にバリエーションがあることも知られてきた。

エキノドルス ホレマニー グリーン ブロード


エキノドルス ホレマニー グリーン ブロード (別株)

エキノドルス ホレマニー レッド



一方でそれまでファームから極少数ながら入荷していたホレマニーは入荷が止まり、辛うじてバース便やオリエンタル便でホレマニー レッドが入荷するのみとなっていった。

その後は「エキノドルス ホレマニー」の名で入荷しても全くの別物が来るようになるのだが、それはまた別のはなし。



現地採集株のホレマニーが入荷していた同じ時期、97年にポルトアレグレンシス、98年にはいよいよオパクスが入荷し、この辺りから「深緑系エキノドルス」として他のエキノドルスと分けて認知されるようになっていったように思う。

エキノドルス ポルトアレグレンシス

エキノドルス オパクス ラタイ便




その後2000年にサターン、2001年にはサンタマリアなど2000年から数年にわたって深緑系エキノドルスの現地採集株の入荷が続き、ブームと言えるほどの人気の高まりを見せる。


エキノドルス sp. ラウンドリーフ ウルグアイ


エキノドルス オパクス ウルグアイ(初便)


エキノドルス sp. イグアス2009



南米産水草ブームのコラムでも触れた通り、オークションサイトの水草ページには多くの深緑系エキノドルスが並ぶようになり、ブームは最高潮を迎えるが、そうなると徐々に衰退の影も見え始める。

南米産水草と同じくエキノドルスの仲間も、昨今のレイアウトスタイルではなかなか使いづらい、使われにくい水草なので、レイアウトコンテストの盛り上がりと共に深緑系に限らずエキノドルス全般が衰退した感は否めないと思う。

しかしながら深緑系エキノドルスブーム衰退の一番の原因は、やはり「産地偽装」であろう。

2003年くらいまでは入荷情報なども追える、出所が明確な株がほとんどだったのだが、徐々に怪しい株が出回り始める。

まずは現地からやって来るエキノドルスの様子が変わってくる。

それまではいかにも採集株といった野生味溢れた草姿で入荷していたものが、増殖株のような小さく小綺麗な草姿の株の入荷が見られるようになる。

それらが過去に入荷した株の現地増殖株として入荷するならまだしも、初めましての産地名が付随して入荷するのである。

それまでの入荷状態とは明らかに違うので、一部のショップや趣味家の間ではここでまず怪しいと感じ始める。

同時にオークションサイトにも怪しい株が出品されるようになる。

元々まともに現地採集株として入荷していた時でさえ、同じインボイスで入荷しても一便目と二便目で物が違ったり、別名で入荷したものが育ててみたら同じタイプになったりと、曖昧な部分が多い点は否めなかったのだが、そこに付け込んでか、どんなに検索しても入荷情報が出てこない新たな産地や呼び名の深緑系エキノドルスが「レア」「希少」などの文言と共に出品され始めたのだ。


株そのものよりも産地名などの情報が価値を持ち過ぎてしまう悪い流れが出来て、目新しいインボイスや産地名が付いた出所不明の株が高額で取り引きされるようになってしまった。

こうなるとそれ以外のまともな株も含めて全体的に信憑性はなくなり、趣味家の興味は一気に冷めていったように思う。

その後は徐々にショップで目にする機会も減り、栽培する趣味家も少なくなり、国内から消えた種類も多くある、という流れは南米産水草ブームの衰退時と同じ。

こうして「深緑系エキノドルスブーム」は去っていったのだが、あれから20年近く経った現在、エキノドルスが再注目され始めているように感じている。

当時とは違い、今は深緑系だけに拘らず、黄緑系原種や改良品種も含めてその中で気に入った種類を入手し、レイアウトに活用するというよりは、「一株の美」を楽しむスタイルが多いように見受けられる。

そう、エキノドルスは改良品種まで含めれば非常にバリエーションに富んだグループで、探せばきっと自分の琴線に触れる一株が見つかるはずだ。

今後新たに現地採集株が入荷する見込みは残念ながらほとんど無い状況ではあるが、当時の深緑系エキノは少ないながらも国内に残っているし、昔ながらの改良品種や比較的新しい品種の流通も見られる現在は、エキノドルスを純粋に楽しむには良い時代なのかもしれない。

エキノドルス ウルグアイエンシス バリエガータ



大きくなるのがネックとする向きもあるが、大株に育ったエキノドルスにしかない魅力もあるし、根域制限すればある程度サイズコントロールも可能なので、是非ともお気に入りの一株を見つけて育ててみてほしい。

その先に「令和のエキノドルスブーム」がやって来るかもしれない。


著者プロフィール

アクア日記2は水草ブログの草分け的存在。数多くの飼育経験からまとめられた考察や記述は示唆に富み、飾らない語り口も心地よい。その記述は現在では流通しなくなった南米水草達の往時の情報や姿の記録として、今一層の価値を持つ

”ブログ時代の残党。
もはや過去の人。
アクア日記2は一応稼働中。
更新はごく稀。。。”

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