Greenジャーナル vol.60 2025年12月2号

2025年12月12日金曜日

ADA Greenジャーナル レイアウト 革命前夜 新着情報 水草水槽 熱帯魚 熱帯植物

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金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナル vol.60 2025年12月2号のお届けです! Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です 日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです ※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です 個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております! 是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければと思っております 掲載の体裁上、お借りするお写真は一部カットさせて頂くこともあるかと思いますのでその点のみご了承ください よろしくお願いします


今週末注目のイベント

第51回日本盆栽作風展(上野)12月12日~14日開催中!

日本の盆栽展示会でも格式の高い「日本盆栽作風展」が上野グリーンクラブにて12月12日(金)~14日(日)に開催されます
展示会のみならず、盆栽作家によるデモンストレーションや、毎年人気の都立園芸高によるワークショップなど有料にはなりますが楽しめますので、盆栽に興味があるけど敷居が高そう…と思っている方にこそオススメのイベントです!

BORDERBREAK!! 10th in 咲くやこの花館(大阪市)12月13日、14日に開催

LA長谷さんの主催イベントBORDER BREAK!! 10thが咲くやこの花館にて12月13日(土)14日(日)に開催されます
あらゆるジャンルの植物のプロや愛好家が一堂に介する即売イベントですので、草が好きな方は絶対に行ったほうが良いイベントですね…
今回長谷さんからはオリジナル交配ブセが先行リリースされるそうで、こちらも興味深いですね!

草パラダイスVol.8(横浜市新横浜)12月14日に開催!

熱帯植物を中心に様々な植物を扱う業者が集まる即売イベント「草パラダイスvol.8」が新横浜の加瀬ビル88の3階にて12月14日(日)に開催されます
おなじみのAQUAFORTUNEさんやPlantsBaseさんなM.R.G.R.さんなどが今年最後のイベントということで気合いの入ったラインナップを用意されているようです!
これは楽しみですね!

2025プチ草乱祭(越谷市) 12月14日開催

埼玉県越谷市の園芸店シマムラ園芸第二ハウスにて植物即売イベント「プチ草乱祭」が12月14日(日)に開催されます
小規模イベントということで、いつもよりもまったりしたイベントになるようですが、アガベ、塊根植物などに強い業者や、エケベリアで人気の多肉屋つむぎさんなどが集まるようで穴場的なイベントになるのではないかと思います!
つむぎさんのクオリティの高いエケベリアは見るだけでも眼福ですので見に行ってみてはいかがでしょうか?
当日はあいにくの雨予報ですが、温室内でのイベントですので気軽に見て回れるのも良い点ですね

今週の気になる情報

 

エイチツー吉川美南店がオープン

SENSUOUSやH2目黒、e-scapeなどでおなじみエイチ・ツーグループの新店舗がカインズ吉川美南店内に12月7日にオープンしました
元々e-scape坂戸店で轟さんと一緒に働いていた千葉さんが店長ということで、センスの光るお店になるのではないでしょうか?
店内には海水魚も扱っているようなのでお好きな方は見に行ってみると良いかもしれませんね

アクアリウムトールマン被災地の愛好家向けに「RO水」「RO海水」配布

12月8日に発生した青森県東方沖の地震で被害を受けた愛好家向けに大阪のアクアリウムショップトールマンさんがRO水を配達するサービスを行っているそうです
地震で被害にあった愛好家を助けたいという一心でのサービスということで、頼りたい方は助けを求めてみてもいいかもしれません
アクアリウムは地震と相性の悪い趣味ですから、無事な地域から連帯の手を差し伸べるのは素敵な事だと思います

バイオキミアXアカウント開始

ジメジメ植物には何かとおなじみの”ネイチャー”シリーズのアイテムを販売しているバイオキミアさんがXのアカウント運用を開始したようです
早速フォローして新製品の情報などを受け取ってみましょう

アクアライフ1月号発売中

MPJのアクアリム総合誌アクアライフ1月号が発売中です。今月は「特集 2026カラシン超図鑑500」ということでベーシックな種類からマニアックな種類まで幅広いカラシンが載っている図録コーナーがあります。その他にもIAPLCで活躍しているタナカカツキさんのインタビューや、"1億円の水槽"の取材など面白い記事が載っています!カラシンマニアもそうでない方も是非!


新着情報

 

クワンシーニュータニクティス(Tanichthys sp.Guangxi)

中国から真っ黒いアカヒレがあくあしょっぷ石と泉さんに入荷していました!
過去にGuanxi(広西チワン族自治区)から入荷のあったアカヒレといえば、TeamBorneoの季子さんが輸入し販売していたSouth Guanxiのアカヒレ(いわゆるアカヒレの原種に近い種)がありますが、今回来たアカヒレはなんと全身銀黒の日淡のようなシックなアカヒレ…(クロヒレ?)
"様々な理由から、現地でも詳しい情報を明かしてくれないので、おおまかに「広西チワン族自治区あたりで採集された」という情報のみになることもあっての「クワンシータニクティス」。
アカヒレの赤をとったら、ほぼ無色…という、現状、まったくもって派手さはありません。
飼いこんだ先に婚姻色があるのだとすれば、今よりかは綺麗になるのだとは思うのですが、いずれにしても、美しさを求める貴兄向きの魚ではないのかもしれません。”
とのことで、確かにここから婚姻色が出るならそれは見てみたいなあと思いますね…ネオンテトラにおけるブラックネオン的な存在でいい魚だなぁと思います

コラム

革命前夜

黒バックと白バック

黒バックは、小さい魚のほうがやりやすく、大きい魚では難しい


水槽で撮影をする際バックの処理が重要になる。

水槽内は、ごちゃごちゃしていることが多いので余計なものが写りこむとバックが汚くなる。
撮影用にセットをするか、水草水槽であればバックは納得いくものになると思うが、普通に飼育をしている水槽だとそうもいかないことが多いと思う。
一番簡単なのが黒バックにすることだと思う。黒く写すためにバックに暗幕を張る必要はない。黒く写っているという事は、光の反射が無い事である。蛍光灯程度の光で、カメラの絞りを絞って、f16、SS1/100ぐらいで写すと多分写真は、真っ黒に写る。

そこでストロボの出番になってくる。正面から焚くのが一番いいけど、ガラス面にストロボ光が反射してしまうのでカメラからストロボをはずし、水槽上部にストロボを置くといい。この状態だとストロボの光だけで撮影している事になる。

ストロボの光が廻った場所だけが写真に写るわけである。魚を被写体とすれば被写体の回りに物がなければ黒くすっきりした写真になる。

それに対し白バックは難しい。水槽の中の魚を白バックで撮るのは簡単ではない。一番簡単なのは、白いどんぶりを使うと上手くいく。どんぶりに魚を入れてストロボ撮影するのが一番簡単かと思う。このように白バックはかなり難しいので、黒バックの撮影方法は上手く撮れるようになると見栄えのいい写真になるため知っておくと便利である。






著者プロフィール

おさかな繁殖ラボ:及川義明


ベテランアクアリスト&フォトグラファー

バルブス ヤエの繁殖など数々の育成難魚のブリーディングを手掛け熱帯魚雑誌への寄稿もされているベテランアクアリスト兼写真家

中米、南米、スリランカ、パプアニューギニアと広く海外に在住した経験から現地の風土を知る数少ない日本人でもある

パプアニューギニアの蘭を捉えた写真集を自費出版、更に今まで撮りためた熱帯魚の写真集「Los duendes en aqario.」を自費出版予定(green)


1998年頃ショーベタのブリーダーを廃業、その後、愛と花の大使として世界各地を巡る。

コロナ禍をきっかけに海外生活を辞め日本国内で「おさかな繁殖ラボ」を創める。


表紙


立ち上げ時


今回の表紙の水槽は4月に水草ストック用水槽として30cmキューブを立ち上げた水槽である。

一応コンセプトはピクタの陶さんが語っていた嫌気底床の有効性について自分なりに実験するつもりで作った水槽である

鉢を並べて作るつもりであったが、鉢はどうしても転倒してしまう恐れがあるため、園芸用の鉢トレイを水槽サイズにカッとし、そこに鉢(プレステラ75ロング)を並べた
その時の気分で好きな場所に鉢の配置を入れ替えられるので飽きない…つもりのシステム?にしてある

鉢には観賞魚店で水草を買った時に貰えるビニール袋を鉢の深さにあわせてカットしたものをはめて、底床肥料(パワーサンドとカミハタスティック、イニシャルスティックなど)を底に配置し、ケト土で蓋をして、ソイル、炭、バクテリア剤などを混ぜたものを3cm程度入れ、その上を津軽プレミアム、最後に化粧砂としてデナリーのクリスタルクォーツナノを入れて鉢の底部分が嫌気的になるように通水性を削いだ構成にした
結果から言うと落ち着くまでに3ヶ月程度かかり順調に育ち始めたが、その後に大量発生したアオミドロを駆除するために計量せずにオキシドールを入れて水槽を漂白してしまった(その際に愛好家の方に譲っていただいた希少な水草をロストしてしまったので軽率な行いを猛省するばかりである)

芯の部分が生きているように見える草も多かったので、水を替えて一週間ほど待っていたところ新芽が動いてきたのでそのまま育て、結局再び落ち着いたのはその3ヶ月後の10月後半であった

10月前半。まだミドロが残っていたのでしっかり計量してオキシドールを入れ、更にヤマトヌマエビを10匹入れて完全に駆除ができた

オキシドールの最適量も自分なりに割り出せたのでいい経験にはなったが…草には申し訳ないことをした

10月後半。いい状態である


色々試してみて分かったことは、嫌気的な底床を使った栽培法は種類によっては強烈に奏功するが、絶対に合わない草もいるということである
クリプトコリネや深緑のエキノドルスは今の所好成績だが、アフレイムや一部の有茎草は徐々に弱るもの、鉢から外に出たがるものなど様々あった
このあたりの好みを探りながら合う水草を探していくのもストック水槽ならではの楽しみかなと思っている
意外な草の反応を見られて面白いので皆さんも試してみてはいかがだろうか?

(green)

Good Tools feat.ADA特集

チェックバルブ(逆流防止弁)

上:現行品 下:過去流通品


チェックバルブ(逆流防止弁)は名前の通り、CO2の配管の途中に付けて水の逆流を防止するための一方通行の弁である
初めてCO2レギュレーターを使う時に何故この弁が必要なのか分からない人も多かったのではないだろうか?使ってみれば一目瞭然でコレがないと夜間にレギュレーターまで水が侵入してくるため、特に電磁弁などを利用している場合には大事なパーツである
基本的な注意として、樹脂製の逆止弁は強度が低いため水圧のかかりにくい場所に設置することが推奨されており、水槽横に設置したバブルカウンターのすぐ下くらいに設置してやるといいだろう(水面よりも下になっただけ圧がかかるため)
また先述の通り強度が低いため、定期的な確認や交換が推奨されている(ここからCO2が漏れることもある)

さてその強度の問題を解決したアイテムがADAにはある



カボーションルビー

ガラス管にルビーに近い硬度の鉱石がはめ込まれていて、陰圧になると内部のガラス管に球体の鉱石がハマって強烈に逆流を予防する
見た目の美しさと機能、耐久性を兼ね備えたアイテムであるが、昔も高かったが今は更に高くこんなものをわざわざ買って使うのはよっぽどの変人か信心深い人くらいではないかと思う

個人的には信心深かった頃でも手を出さなかったアイテムであるが、近年たまたま入手する機会があって購入した。使ってみると思ったより満足度が高く、半永久的に使用できることを考えると案外いいもののように思う(それでも三千円くらいがいいところだと思うけど)

実はカボーションルビーは天野尚のデザインの中でもやや異端的な商品であると思っている。というのも、ADAには赤い色を使った商品が極端に少ない

基本的には緑色になる水槽の中で、緑の補色にあたる赤は目立ってしまうため、水槽内で器材の存在感をなるべく消したいことにこだわりを持っていた天野尚は”赤”を採用しなかったのだろう

唯一と言ってもいい赤い器材、カボーションルビーを水槽の外に置いた天野の美意識を感じられるアイテムであると思う


ところで最初の写真で紹介したチェックバルブの旧モデルに使われている海松藍(みるあい)色は天野が一時ハマっていた色である。
結構主張を感じる強い色であるが、現在ライトグレーで統一されているCO2周りのチューブやヒーターなどは以前この色を採用していた時期があった
水槽内でもやたらに目立つエーハイムの緑とは異なり、水槽に入れてみると意外と水草の濃淡に溶け込み存在感の消える不思議な色であった
バリエーションとしてまた出してくれないかなぁなんて期待してたりする



PostScript




”夢は枯野をかけ廻る”

宅地化の進んだ我が家の近所に、一箇所だけエアスポット的にススキの茂る野原が残されている

この場所は30年以上前に東西に隣接する市同士を結ぶ幹線道路の建設予定があり、早めに押さえられた土地である
しかし、その道路の延伸上には既に住宅地があり用地買収が進まないこと、河川に新たに橋を掛けなければならないことなどで予算が嵩むため計画が宙に浮いた

結果として、この野原は活かさず殺さずずっと残されたままになっている

以前から意外と希少な動植物がいるのではないかと思っているのだが、田んぼに挟まれた場所にあり、稲作中には少し訪れにくくなかなかしっかりと観察には行けていない

今年の年始の新聞ではこの道路の計画を進めるという県の方針が発表されていたので、いずれ無くなってしまう運命ではあるが、最後に残された手つかずの土地(といっても元々は畑作をしていたようだが)を観察、記録しなければならないなと思っている


都市化の進む我が地元で、数少ない生き物たちの拠り所が行政の都合によって結果的に”守られている”のは皮肉としか言いようがないが、そういう曰く付きの場所はきっと日本中にあり、近年は助成金目当てのソーラーパネルで埋められたりしているのだろう

そういったエアスポット的な土地があることで守られてきた各地の自然があり、そのバッファが埋められた時に失われるものの大きさを我々はちゃんと予測できていないのではないかと思う


……とはいえ、非才な一個人が行政/政治の動きに対して何をかするわけでもない

せめてここにこういう自然があり、そこに生きる生き物たちがいたことを記録をして、残すくらいはしたいと思う


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