Greenジャーナルvol.55 2025年10月4号

2025年10月24日金曜日

Greenジャーナル イベント情報 新着情報 水草、果てしない挑戦の数々 熱帯植物

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滴る緑

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.55 2025年10月4号のお届けです! Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です 日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです ※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です 個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております! 是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければと思っております 掲載の体裁上、お借りするお写真は一部カットさせて頂くこともあるかと思いますのでその点のみご了承ください よろしくお願いします


今週末注目のイベント

雨林植物即売会inリミックス名古屋インター店 10月26日に開催

リミックス名古屋インター店で熱帯雨林即売会が10月26日(日)に開催されます!
ベゴニアやホマロメナ、ジュエルオーキッドの輸入、育種、販売を手掛けるトイ吉園芸さんが参加されていて、非常に珍しい植物が目白押しとなっているようです…これは…いや行きたいな…
近県の方は是非!

Aquarium Time 合同即売会 vol.3 10月26日に開催

仙台の熱帯魚店Auarium Timeさんで合同即売会が10月26日(日)に開催されます!
出展参加される皆さんも多く、魅惑の植物が集まる賑やかな店内イベントになりそうです
個人的に注目なのはライフさんの熱いクリプトコリネコレクション…!
何故かクリプトコリネが集まるイベントは日本の北側で開催される気がします…なんでだろ…羨ましい…
近県の方は是非…!!!

mishima高岡店 植物といきもの即売会 vol.6 10月26日に開催

富山の熱帯魚店mishima高岡店さんで植物といきもの即売会が10月26日(日)に開催されます!
様々な熱帯植物と奇蟲、爬虫類、両生類が集まる他、カメ界では知らない人がいない和象亀さんまで参加されるということで、貴重な生物に出会うチャンスかもしれませんね…!
身体と時間がいくつあっても足りない…!!!
近県の方は是非!!!!!

今週の気になる情報

 

TAKASHI AMANO L Photographyフェア 紀伊國屋書店新潟店にて10月27日(月)から開催

紀伊國屋新潟店 中央催事コーナーにてTAKASHI AMANO L版写真集発売記念のパネル展示、書籍、グッズの販売が10月27日(月)から開催されるそうです
地元新潟での開催ということで、東京の展示会には参加できなかった方も、参加した方も見に行ってみてはいかがでしょうか?

新着情報

 

タンスイコシオリエビ(Aegla sp.

名古屋の熱帯魚店アクアショップロイヤルクイーンさんに淡水コシオリエビが入荷していました。相変わらず新着ではないですが個人的に店舗で販売しているのは久々に見かけたのでご紹介。探している人も実は多いのではないかと思います
南米大陸(ブラジル南部~アルゼンチン北部)に広く生息する淡水生のヤドカリの仲間で、大きさはやや小さく最大で甲羅の長さが約3cm程度の甲殻類
コシオリエビといえば海水性のものが知られるが、こちらは淡水で終生飼育が可能である
性質は温和だが雑食なので混泳には注意が必要で、甲殻類のご多分に漏れず酸欠に弱いので高水温には注意が必要である
見た目は愛らしいコロっとした生き物で、現地便で来ていた頃は赤っぽいのや紫、青白いものまでカラーバリエーションも結構あったように記憶している
現地便での入荷が途絶えて久しいが、今回のものは国内繁殖個体ということで、安心して導入しやすいのではないかと思う
ちゃんと維持してくれていたマニアには感謝しかない

コラム

水草、果てしない挑戦の数々

ウリカワのこと

水草を探し始めたころ、ウリカワがなかなか見つからずに探し回った覚えがある。

というのも、小林道信氏のメダカ飼育本にウリカワを薦めるものがあって、水草を始める前から存在だけは知っていたのである。
さて、水田雑草から水草を始めよう、となって近所のわりあい山あいの水田を巡ってみたが、ない。
滑稽なことにミズオオバコやホシクサ、イトトリゲモなどを一通り見てから、ウリカワに遭遇することになった。そのころは徒歩圏内でもバイカモが茂っていたし、近くの池にはイトモなどもみられた。いまでは、信じがたい話である。

とはいえ、いつまでも見つからなかったわけではない。
分布にどうやらムラがあるらしい、と気づいたのはしばらく経ってからで、探す場所を変えてからは、見かけることも多くなった。
特に印象に残ったのが、浅い掘りあげに、一面茂っているものだった。
ミナミメダカがたくさん群れていて、数センチの水中から花を上げていた。
たしかにこれは綺麗だ、と感動したものである。

水田に生えるウリカワ(Sagittaria pygmaea)


それから、何回かウリカワを栽培しようと試みたけれど、全然うまくいかなかった。
ちょっと気難しい面があって、なかなか根付いてくれないし、根付いても田んぼで見るあの増殖力を見ることはできなかった。
やっとウリカワが育った!と思ったら、その後オモダカの矢じり状の葉が出てくることもしばしばだった。オモダカの幼株はウリカワとよく似ており球茎が大きいので、球茎をつけて持ち帰れば、より長く育つのであった。

今から思うと、当時の栽培法はただ単に肥料が足りなかっただけのように思う。
改めて真面目に育てて、1鉢くらいはウリカワで満たさねば、と思っている。




 さて、ウリカワはへら状の葉を数枚つける、オモダカ科オモダカ属の植物である。オモダカといえば矢じり状の葉を思い浮かべる方も多いかと思うが、私はずいぶん長いこと、ウリカワを姿形の似たピグミーチェーンサジタリア(Sagittaria subulata var. pusilla)の近縁だと思ってしまっていた。
とくにあの、田の浅い掘りあげに群生する姿のイメージが強すぎて、これはピグミーチェーンサジタリアみたいなものだという誤認をさらに強くしてしまっていたのだった。

種として見るとピグミーチェーンサジタリアとウリカワはむしろ遠縁で、ウリカワは国内種だとアギナシ(Sagittaria aginashi)に近く、ピグミーチェーンサジタリアはナガバオモダカ(Sagittaria graminea)と近縁である、と知ってみると、栽培の気難しさもちょっと納得できると思った。
さらに、オモダカ属の中で最も早期に分岐したグループである北米原産のタイリンオモダカ(Sagittaria montevidensis)にもウリカワそっくりのベルト状の葉で一生を過ごすssp. Spongiosaがいるように、オモダカ属の中でもベルト状の草姿を持つものはいくつかのグループで収斂進化している。

調べていくうちにウリカワは“塊茎から芽が出たばかりの状態を模倣する”幼形成熟(neoteny;ネオテニー)のサジタリアだ、と思うようになった。
ウリカワの塊茎は著しく休眠性が弱く、ランナーが出てもそのまま発芽してしまう。さらに成長は日長ではなく萌芽後日数で決まり、花を上げるタイミングもあまり決まりがないように見える。球茎から発芽して葉を5枚ほどつけるとランナーを伸ばしはじめ、葉が10枚になるころには子株が根付いている。
事実、ウリカワがネオテニーであるという考えは新しい物でもなんでもなくて、かつてから言われている話である。

ちなみに”ネオテニー”という観点から水草を見渡してみると、よく似た姿のアクアリウムプラントが多いのも納得がいきやすい。というのも、水草は通常、発芽→成長→抽水化、のように成長ステージごとに姿を変えて育つので、水中で成長を続ける間は発芽直後の幼形葉の姿を維持するのが効率的といえるのだ。

ところで、サジタリアの類の沈水葉というとピグミーチェーンサジタリアのような、肉厚でスポンジ状で、基部まで幅広のものの印象が強い。(少なくとも1つ例外があって、だからこそ凄いのだけど!)。
同じオモダカ科でも、チェーンアマゾンやアフリカンチェーンソードの沈水葉はだいぶ趣が異なり、これらの沈水葉は基部は細く葉身は薄い。そして、属が違うにもかかわらず、よく似ている。
この事はとても不思議に思っていたのだが、オモダカやヘラオモダカを“播種した時に“、発芽後は基部が細く葉身は薄い沈水葉がまず展開し、この質感も形態もチェーンアマゾンやアフリカンチェーンソードにとても似ているので驚かされた。

もしかすると、これらはオモダカ科に共通したもので、種子から発芽した直後の段階を模倣しているのかもしれない。げんに、これらの種や近縁属は明らかな球茎を持たず、「球茎から発芽した直後の段階」がそもそも推定される祖先はない。

草姿が似ている水草には、おそらく似る理由があるはずだ。


著者プロフィール


4.04

今まさに失われつつある水草のある景色を求め、日夜フィールドを彷徨い記録している

"いつまでもあると思っていた。
ようやく手が届く、そう思ったとき、もう何もなかった。
空虚と無念と後悔は、記憶と合して憧憬を生む。その先が過去なのか、未来なのかは、もはや朧げで。
ただ私を引き込んでいく。もっと知れと。

ここを翌年訪れた時、もう水草はなかった。しかしいまでも夢に出てくる。"




表紙

魅惑のクレピドマネス

表紙の写真中央から左がクレピドマネスsp.カリカット産、中央から右がクレピドマネス sp. siamensisである
どちらも水中育成が可能な小さな水生シダの仲間である。カリカット産はカミハタインド便由来(2010年の第三弾にシノブゴケsp."CALICAT"というものがいて見た目がほぼ同じである)と言われているが、近年も同じ名前で現地採集株っぽいものが輸入されてくるので他産地のものが混ざってきているのかもしれない。siamensisの方は由来不明である(ご存知の方教えて下さい)
カリカット産の方はご覧の通り横に這ってそれなりの速度で増えてくれるのだが(半年かけて倍になるイメージ)、siamensisの方は新しい葉が一枚出るのに2~3ヶ月くらいかかる印象で、そこまで水中が得意というわけでもないのだと思う
いずれにしても美しい、他の水草には代えがたい姿をしているのでもっともっと普及しても良さそうな魅力ある植物である
皆さんも一度手にとってみてはいかがだろうか?

Good Tools feat.ADA特集

今週も記事用に準備している素材が整っていないのでお休み…開店休業か??
楽しみにしていただいている方もいらっしゃるので頑張りたい……スイマセン

PostScript

”君にシスティーナ礼拝堂の匂いは語れない”


先日近所のお店でEch.アフレイムが売っていたので衝動的に手に取った。

アフレイムの存在は昔から知っていて、お店で見かける度にあの紫色のデッカいエキノをいつか育ててみたいなぁと思っていたが、恥ずかしながら今日までその機会は来なかった
ということで、初めて水槽に入れてみたけど、深いバーガンディを思わせる新芽はベネチア織物のような深い光沢をまとい、古い葉のオリーブグリーンと合わさってシックな雰囲気が上品で良い草だと思う
(なお意外と気難しいらしい)

僕は自分でエキノ好きを自称するわりに、未だに育てたことがない種類はかなり多い
名前は知っている、書籍で見たことがある、ネットで見たことがある、お店で見たことがある…そんな草の方が正直多いくらいだし、いまはもう手に入らないエキノをまた育てたいなぁなどと夢想している
集めて育てるほどのスペースはそこまでないけれど、好きを自称するうちはなるべく手を出していない品種を育てて、知っているから育てたことがあるに変えていきたいなと思いを新たにした

(green)

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