Greenジャーナルvol.54 2025年10月3号

2025年10月17日金曜日

Greenジャーナル オトシンネグロ 新着情報 水草水槽 熱帯魚 熱帯植物 繁殖記録

t f B! P L


金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.54 2025年10月3号のお届けです! Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です 日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです ※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です 個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております! 是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければと思っております 掲載の体裁上、お借りするお写真は一部カットさせて頂くこともあるかと思いますのでその点のみご了承ください よろしくお願いします


今週末注目のイベント

 

「パンタナルフェスタ vol.4」(富山市)10月18日開催!

富山の名店AQUA World パンタナルさんで熱帯植物や生き物の即売会、パンタナルフェスタvol.4が
10月18日(土)に開催されます
東京からAQUA FORTUNEさんが出張してブセやエビ、エンドラーズをお持ちになる他、パンタナルさんでも割引セールが開催され、更にカシワストアさんのフードもあるという夢のような即売会です!これは楽しみですねぇ…
FORTUNEさんのブセのみ最初に抽選販売があるそうなので、詳しくはXのポストからご覧下さい


【蔦屋植物園】vol.2〜もりお花園と全国の仲間たち〜(高知市)10月18日開催!

高知県の蔦屋書店テラスにて植物即売会[蔦屋植物園]vol.2〜もりお花園と全国の仲間たち〜が10月18日(土)に開催されます
アロイドなどの生産で名高いUrban Jungleさんや、南ア球根植物のエリオクエストさん、ビカクシダの座間洋ランセンターさんなど日本各地の生産者さん
ねこのどうぐ屋、兼弥産業などのメーカーも参加するイベントになっていますので、熱帯植物、観葉植物に興味のある方にはたまらないイベントになりそうです!

TOKYO BOTANICAL MEETING vol.5(中目黒)10月18日開催!

都会の植物フェス「TOKYO BOTANICAL MEETING vol.5」が中目黑のフナイリバにて10月18日(土)に開催されます
「植物の魅力を多くの人に届ける」というテーマで初心者から愛好家まで楽しめるラインナップになっているそうです
素敵な休日の一日が過ごせそうな雰囲気を感じるイベントですので、お近くの方はプラっと遊びに行ってみるといいかもしれませんね

アクアリウム東京ネイチャー2025(新宿)10月18日、19日開催!

関東最大規模のアクアリウムイベント「アクアリウム東京ネイチャーが」新宿住友ビル三角広場にて、10月18日(土)19日(日)に開催されます
アクアリウムメインとしてで始まったイベントですが、現在は様々なペット業者や手作りグッズ、メーカー出展などがあり非常に華やかなイベントになっています
今回はcharmさんが参加されていたりして今までとは一味違う感じになりそうですね…
財布が死んでしまう!!是非!!

第二回うじ草合わせ(宇治市)10月18日、19日開催

LA熱帯草屋の長谷さん主催のイベント、うじ草合わせが宇治植物公園にて10月18日(土)、19日(日)に開催されます
即売会「市」、品評会「闘草」、うじを楽しむと銘打ち「闘茶」やフードトラックが集合して楽しいイベントになりそうです
闘草は毎回レベルの高い出品が並ぶので見に行きたいですねぇ…


いきもにあ2025(京都市)10月18日、19日開催!

生き物を多角的に楽しむ祭典「いきもにあ2025」が京都市みやこメッセにて10月18日(土)、19日(日)に開催されます
生き物系デザフェスとコミケの融合…とでも言えば伝わるでしょうか?同人誌やクラフト作家などの物販、展示、博士による講演会と生き物が好きな人にはたまらないイベントです
とにかく守備範囲が広く、アカデミックな香りもあるイベントですのでお子さん連れで遊びに行くのも良さそうですね…オススメ!

今週の気になる情報

 

京都大学淡水研2024年「大ヨシノボリ展記念図録」発売中

昨年日本中の淡水魚類マニアをビビらせた、国内全記載種ヨシノボリを一同に集めた京大淡水研の「大ヨシノボリ展」を記念して作成された図録が発売中です
昨年のイベント時から発売されていたのですが、今回「いきもにあ2025」のD-100,101の水景回遊,サークル汽水域ブースにて委託販売されるそうです
またお魚関係の書籍を扱うSAKANA BOOKSさんでもオンライン通販が行われていますので、ヨシノボリマニアの方は是非!

新着情報

 

コペイナ オスグッティ(Copeina osgoodi

堺の熱い熱帯魚店Aqua Focusさんにペルー便でコペイナ オスグッティが入荷しています
相変わらずの新着ではないですが、単独で輸入されることはかなり珍しい魚です
10cmにはならない中型カラシンで、水色の光沢のある身体に赤い斑点が並ぶ、強い存在感を持つ美しい魚です
過去にはピルリーナ(Pyrrhulina)に分類されていましたが、近年コペイナ(Copeina)属に移動しました
ピルリーナの仲間は若干気が強い面があり、同種間ではよく小競り合いをしますが単独飼育で楽しむには最高に美しい魚の一種だと思います

コラム

オトシンネグロ産卵記録

今回は8月から約2ヶ月産卵を続けているオトシンネグロ(Hisonotus leucofrenatus)の繁殖と稚魚の育成について、観察記録と育成時の雑感、気付いた事などをつらつらと書き連ねて行きたいと思います。ネグロの繁殖にチャレンジする方のご参考になれば幸いです

観察記録

水槽を見ていたら角で2人並んでじっとしている怪しいネグロがいたので、なんか怪しい…と思い網で掬ってサテライトに入れてみました。メスっぽい方はそこまで太ってはいないので繁殖は期待してなかったのですが…
あやしい



サテライトに入れた途端にすぐに産卵が始まりました
オトシンネグロの産卵はコリドラスなどと同様に”Tポジション”という交尾形態をとります
オスの精子をメスが吸い込んで腹ビレで抱えた卵に流し込んで受精させるという方法です
おそらく流れのある環境で卵1粒ずつを確実に受精させるための行動だと思いますが、面白い繁殖形態ですよね

オトシンネグロのTポジション


オトシンネグロの卵黄は淡い緑色をしています
コケ取り生体と呼ばれたりもするネグロの卵が緑色なのは何か習性を運命づけられたような、命の不思議を感じます(単に保護色なのかもしれませんが


緑の宝石



産卵から大体48時間で卵から目と尻尾が飛び出してきます。ネグロの場合はこれが孵化みたいです。熱帯魚の中でも結構孵化が早い部類な気がします。僕が知る限りではベタが一番早いかな?孵化後1~2日はその場を動かないでじっとしています

小さきいのち

孵化から大体3日から4日かけてお腹の緑色のヨークサック(卵黄部分)を吸収していきます
徐々にお腹の緑の部分が縮み、身体が魚の形になっていきます

萌えの権化


ヨークサック吸収中


孵化後3日~4日程度でヨークサックが身体に収まる頃になるとエサを探すようになります
この時点ではまだブラインシュリンプを口にすることができないので、我が家ではウィローモスについている汚れやスポンジフィルターの絞り汁などを与えました

餌さがし


孵化後5日~一週間程度からブラインシュリンプを食べられるようになりました
ここからは毎日2回から3回ブラインシュリンプを与えます。我が家ではブラインシュリンプは沸かしたてを冷凍保存し、使う度に解凍しスポイトで与えました

お腹いっぱい

育ててみると分かるのですがネグロの稚魚は驚くほど成長が早いです
孵化から仔魚サイズ(2cmくらい)まで約一月で成長します。成長痛とかないのかね?というくらいの育ち方です
成長が早い

生後約一月

すっかりオトナみたいな顔をしています
大人ですと言われても信じそう


徐々に人工飼料を混ぜながら与えて慣れさせて、約1月半飼育したところで家の水槽に入れたりお店に持っていったりしました


よく育ちました


成長段階ごとに育成で気を付けたこと

卵期
卵はとても強いが水カビにだけ注意!

卵は魚卵なので柔らかいですが、しっかりと壁に張り付いていていてちょっとやそっとでは動きません。色々と試してみましたがこの段階では多少無茶なことをしても特に成長には影響がないと感じました

我が家では最近は親をサテライトに隔離して産卵させて、産卵後に親を移してから水を一度全部捨てて、水道水で内部を軽く濯ぎ洗い(殺菌と汚れを落とす目的)孵化に向けて準備をします。そのくらい乱雑な扱いをしても何事もなく孵化するくらい卵は頑丈です

ただ唯一水カビにはかなり弱く、初期は1/4程の卵をダメにしてしまいました。そこでグリーンFゴールド、次にメチレンブルーで飼育水を殺菌するようにしたところ、水カビはほぼ出なくなり歩留まりが上がりました

おそらく水道水(浄水ではない)の塩素でもある程度の殺菌効果があるので、水道水管理でもそれなりに歩留まりは上がると思います。すくなくとも飼育水のままはオススメしません


孵化後

産卵から48時間程度で孵化します。最初卵から尻尾が出ているだけなので孵化しているのかイマイチよく分かりませんでしたが、経験者からその状態がネグロの孵化であると教えていただきました

先述の通り生まれたばかりの稚魚はまだ壁に張り付いている状態ですので、我が家では全ての稚魚が孵化したのを確認したら、殺菌剤の入っている水を茶こしで受けつつ全部捨てて、飼育水を優しく注いで管理しています(最初はサイフォンで水を吸い出していましたが稚魚を誤って吸い込んでしまう事があったのでこういう管理法になりました)

孵化後からヨークサックを吸収しきるまでの4日くらいは特にやることがないので、あまり触らないように、エアレも優しくするようにしています

保育期
孵化から3~4日目くらいでヨークサックが目立たなくなった頃から成長の早い子は摂餌できるようになります。ウィローモスに沈殿した汚れやスポンジフィルターの汚れなど、何かしらの微生物やプランクトンがいそうなバイオフィルム的なものを与えるとハムハムし始めます
(我が家では抱卵エビを隔離していたサテライトの浮泥が特に人気でした)

繁殖に慣れている人はインフゾリアやワムシ、コペポーダなどを用意してあればすんなりと餌付くと思いますが、ブラインを摂餌できるようになるまでの期間が短い(摂餌開始から2~3日後くらい)ので、そこまで気を遣わなくても大丈夫だと思います
念の為餓死対策でウィローモスやナヤスなどをサテライトに入れてやりましたが、物陰ができるので落ち着く気がします

摂餌できるようになったばかりの稚魚はまだ遊泳力がないので、我が家では活ブラインシュリンプだと食べにくいようなので冷凍したものを都度解凍して与えています。冷蔵庫で保存して活性を下げてから与えるやり方もあるそうです

ブラインに切り替えて一週間くらいは食べ残さない程度の量を細かく(1日4回)与えました。成長してくると自分で餌を探し歩くようになり、壁面のバイオフィルムやコケも食べるようになるので、その段階まで育ったら1度の餌の量を多めにして給餌回数は朝晩2回に変えました

成長期
ブラインを与えはじめて一週間も経つとかなりしっかりとネグロらしい体型になってきますが、人工飼料はそこまで喜んで食べてくれません。

生後3週目くらいから餓死対策でプレコタブレットなどを小さく割ったものを毎日与えています。初期はあまり食べずに水カビが生えるだけなのですが、徐々に餌付いて残らないようになります。

朝はブライン夜は人工飼料といった具合で変化をつけて与えています。最近はテトラのキリミンベビーを水に含ませたものをスポイトで与えるとなかなか食いが良いので、こちらを愛用してます

通説?伝説?
一般的にオトシンネグロの親は卵を産んだ後に食卵をすると言われていますが、我が家では何回か卵と同居させてみたものの特に卵には興味を示さず食卵することはありませんでした。なので、ネットで見かける通説は間違っているのでは?と思っていました
ところが、稚魚が孵化するまで同居させた場合、親が孵化直後の稚魚をしっかり選んで食べる姿を確認しました。(親にしてみれば稚魚は動物性プランクトンですからブラインと同じようなものですよね)先にも書きましたが、孵化直後のネグロは卵とあまり見分けがつきませんので、それを見て食卵すると言われるようになったのかもなと思いました

雌雄差?個体差?
同じタイミングで生まれても一月もするとかなりサイズに差が出てきます
これは最初は個体差なのかなと思っていたのですが、極端に小型化する個体はいても極端に大型化する個体はいないため、雌雄差なのかもしれないなと感じています。実際はどうかは分かりませんが…




オマケ
初期はなんとなく上げの小潮周りに産卵することが多いように感じたので、産卵日と潮汐の関係を並べてみました。まとめてみると上げ下げ関係なく小潮や中潮の日に産みやすい傾向があるようです
アピストグラマなどは地域ごとに別れて潮汐に準じて産卵することが知られていますが、オトシンネグロも産卵しやすい潮汐傾向がありそうですね

第1陣

8月16日(上がり小潮)産卵

8月17日(上がり小潮)産卵

第2陣 

8月30日(上がり小潮)産卵

8月31日(上がり小潮)産卵

第2.5陣 

9月1日(上がり長潮)産卵

第3陣

9月4日(上がり中潮)産卵

第4陣

9月9日(下げ中潮)産卵

9月10日(下げ中潮)産卵

第5陣 

9月12日(下げ中潮)産卵

9月15日(下げ小潮)産卵

第6陣

9月28日(上げ長潮)産卵

第7陣

10月5日(上げ中潮)産卵

第8陣

10月13日(下げ小潮)産卵


著者プロフィール

green


blog連載「Green JOURNAL」席亭

小学三年生から熱帯魚飼育にハマり、水草達と格闘し、ADAの薫陶を受け、珍カラの混じり抜きに夢中になり、時々アピストにも浮気をし、南米水草ブームのビッグウェーブに踊った昭和生まれのアクアおじさん

社畜時代に十年程度水槽を維持するのみの空白期間を挟みつつ、再び還ってきたアクアリウム浦島太郎。失った過去の記憶の中の水草を探し求めつつ、最近はジメジメ植物にも手を出して部屋と財布をますます圧迫しているリベンジ消費おじさんでもある

ロゴは原初の憧れTropicaのパク…オマージュ。「スイレンとシダが嫌いな水草好きは居ない」

Noスポンサー、No広告、No収入、コラムを書いて頂いている皆様にもNo謝礼!を掲げ毎週blogを更新している物好き

お友達にも弊blogを紹介してお友達も綺麗にしてあげましょう

表紙

ということで今週のコラム合わせでオトシンネグロ
シャーレに入れて撮った生後一ヶ月の稚魚ですが、なんか雰囲気よく撮れてしまいお気に入りです
ほとんどオトナと変わらないですねぇ

Good Tools feat.ADA特集

今週は手一杯なのでお休みです…グヌヌヌ_(:3」∠)_

PostScript

季節の変わり目か、ここ最近はあちこちでイマイチ体調が優れないというか乗り切れない人をチラホラ見かける。ご多分に漏れず僕も…皆様もくれぐれもご自愛ください

などとジジイじみたことを言っている間にも、穏やかな気候でイベントや入荷が花盛りで賑々しくていいですねぇ…誰か僕の財布を助けてあげてください

趣味を長く楽しむためにも健康が一番大事です。くれぐれもご無理はなさらぬよう

(green)


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