Greenジャーナルvol.46 2025年8月4号

2025年8月22日金曜日

Greenジャーナル イベント情報 ヒシ 水草、果てしない挑戦の数々 熱帯植物

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鮮やかに
写真ご提供:けんなかさん


金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.46 2025年8月4号のお届けです! Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です 日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです ※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です 個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております! 是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければと思っております 掲載の体裁上、お借りするお写真は一部カットさせて頂くこともあるかと思いますのでその点のみご了承ください よろしくお願いします


今週末注目のイベント

HeatWave×PlantsBase(神奈川県相模大野)相模原熱帯夜市8月23日開催

福間の熱い熱帯植物販売店「HeatWave」さんが、相模原の熱帯植物専門店「PlantsBase」に出張出展するイベント相模原熱帯夜市が8月23日(土)に開催されます!
夜市と銘打つだけあって開催は16時から!(抽選は15時~15時50分まで)最近のAZ甲斐さんと共に採集に行ったばかりの貴重な植物が数多く出品されるようです!
これは熱い夜になりそうですね…!!HeatWaveさんは先日の九州の豪雨被害に遭われたばかりなのにイベントに間に合わせて頂いて本当に感謝です…!

いくとぴあ食花(新潟市)熱帯植物販売会8月23日開催

趣味家のringo_aquaさんの増殖したホマロメナやアグラオネマ 、ベゴニアなどの即売会が、新潟市の複合施設いくとぴあ食花で8月23日(土)に開催されます
便モノはもちろん、オリジナルハイブリッドモノも複数販売されるそうなので面白い植物に出会えるかもしれませんね!
入場無料だそうですので是非!(ツイッターに年齢制限設定をされているようでリンク張れていないのですが…ラインナップ素晴らしいので是非ご覧ください)

Aquagrass(埼玉県川口市)5周年セール8月23日、24日、25日開催

埼玉県東川口の熱帯魚店Aquagrassさんの開店5周年セールが8月23日(土)~25日(月)まで開催されます
5,000円買い物事にADA製品やレアな水草などが当たるハズレなしのクジが引けるそうなので、この際大物を買ってしまうとお得かもしれませんね…!
24日までは組織培養カップ20%オフセールと流木3本毎に一番安い流木が無料になるセールが同時開催されていますので、レイアウト水槽を立ち上げたい方には大チャンスかもしれません
我が家からもベトナムタイガーシュリンプやブセなどをご提供しておりますので、よろしければお迎えいただければ嬉しいです

アクアテイクE(足立区綾瀬) 8月23日~31日まで33周年記念&上野独立応援祭開催

足立区綾瀬の老舗熱帯魚店アクアテイクEにて、33周年記念&上野独立応援祭が8月23日~31日まで開催されます
先日店舗からの独立を宣言して関係者のド肝を抜いた上野店長最後のセールということで、かなり気合が入っているようです
石や流木、生体、水草などすべて20%オフということで大変お得なセール、かつ3,000円購入ごとにハズレなしのクジが引けるということで、こちらも大物の購入がお得ということで…
お財布が爆発しますね笑

トイ吉園芸タイ直輸入植物即売会(大阪市中央区)8月24日開催

つい先日までタイに採集旅行に行っていたトイ吉園芸さんが持ち帰ってきた植物の即売会が熱帯魚店レインボー(大阪小虹)にて8月24日に開催されます
帰国ホヤホヤでの植物の即売会ということで、なかなかアチアチなイベントになるのではないかなと思います(トリートメントに気を遣いそうではありますが…)
レインボーさんもベゴニアを始めとした熱帯植物を販売されるということで、タイの土産話を聞きに行くのも良さそうです!

今週の気になる情報

 

『魚の譜 長嶋祐成作品集』8月25日発売

以前もご紹介しました、魚譜画家長嶋祐生氏の作品集「魚の譜」が玄光社より8月25日に発売になります
2013年から2025年までの間に描かれた作品のうち400種の生き物の絵が収録された192頁の画集になっているそうです
本文中に文字はなく、あとがきに随筆のみがあるスタイルで叙情的な作りになっているようですね…これは楽しみです!

水作HP山崎浩二のSmall Beauty World 第105回「ニュー・キャンディ」公開

体の中に様々な色が乗るカラフルな”コイベタ(キャンディ)"の新しい表現群であるニュー・キャンディが水作HPにて紹介
されています
改良品種はどこをゴールに設定するのかが鍵になると思うのですが、未だに新しい可能性を追いかけ続けるブリーダーのチャレンジには頭が下がりますね…
これは今後日本でも人気が出るかもしれません

鹿児島県指宿市二反田川水系と湊川水系における小型外来魚類の生息状況,およびグッピー属に内包される亜属の標準和名

鹿児島の指宿市内の河川(温排水)で定着が確認されたグッピーやモーリー、改良メダカなどの調査状況の報文と、外来種の新たな標準和名についての論文
です
グッピーが日本の温排水地域に定着しつつあるのは有名ですが、新たにエンドラーズやモーリー、第3の外来種と呼ばれる改良メダカの定着、逸出などが指宿市にて確認され、P.wingeiなどに国外外来種としてエンドラーズグッピーという標準和名をつけようといった内容の論文です
読者諸賢は飼育個体の屋外逸出などはされないとは思いますが、外来種や改良品種は野外に放さないように気を付けましょうね…
溢水する屋外ビオトープなどでは逸出のリスクが高いため、工夫をしましょう(たとえば我が家はベランダ飼育のビオトープは雨樋排水になるので排水部に網を置いています

ピクタ「TERRA BAIT」8月23日発売

ピクタから新しい底床肥料TERRA BAIT(テラベイト)が発売
されます
緩効性の有機質肥料で、"テラベイトは、「微生物が有機物を分解し、その副産物を植物が利用する」という自然の仕組みを、小さなレイアウトの中で再現できる新しいタイプの栄養ペレットです。"
細長く硬い溶解しにくい作りになっていて、微生物による分解によって緩やかに継続的に植物に栄養が供給されるという特性があるそうです
また、自然の切り売りにならないように資材の中に”漢方薬の絞り粕など、未利用資源も活用。循環の中から新しい価値を創出することを大切にしました。”とのことで、
持続可能性まで考慮されているという素晴らしい商品…これはぜひとも使ってみたいですね…

ドイツ人熱帯魚研究者ハイコ・ブレハー氏逝去

ドイツ人熱帯魚研究者、写真家、探検家であるHeiko Bleher氏が8月15日に80歳で逝去
されたそうです
ハイコ氏はアマゾンを中心に熱帯地域のジャングルに分け入り、ラミーノーズテトラやロイヤルブルーディスカス、アルタムエンゼル、レッドテトラ、ハーフオレンジレイボーなど様々な観賞魚を採取、増殖し、観賞魚の世界に紹介してきた大人物です
ディスカスに関連した書籍を沢山著し、日本にも来日しディスカスの品評会の審査員などを務め日本のディスカス隆盛の立役者の一人として活躍されました
ちなみにシュミット・フォッケ博士が作出したブリランテターキス(ブリリアントターコイズ)、やコバルトブルーの種親はハイコ氏の採集したディスカスというのは有名なお話です

世界を股にかけた採取家であり、良く言えば野性味のある、悪く言うと現代社会にはなじまないタイプの変人・超人といったお方だったかと思いますが、日本の熱帯魚界は彼のロマンにあてられて引っ張られてきたシーンが少なからずあり、多大な功績を残された大恩ある方だと思います。

御冥福をお祈りします

新着情報

 

インペリアルラピステトラ(wild)

ペスカドールさんのオリジナルダイレクト便でインペリアルラピステトラが入荷しています
おそらくインペリアルラピステトラではない魚だそうです。たしかにちょっと違う感じがしますが…美しいのは間違いないので気になりますね

コラム

水草、果てしない挑戦の数々

ヒシのこと



 夏だ。ヒシの季節だ。 

現状、池探しの際にはごく当たり前で、もっともふつうな水草の一角といえよう。
 …しかし、とても変わった水草である。 そもそも。かつてはスブタなども「どこにでもある植物なので」と書かれたりしたし(たしか立花吉茂だった気がする)、クロモなどもいまだに「ごく身近にありふれた水草」と形容されてしまったりするので(一部の大きな湖のほとりに住んでいる人以外、目にする機会はないだろう)、いまの「普通」は決して未来や過去における普通ではないことに留意が必要である。 げんに――ヒシもまた、かなりの勢いで減少している。何も生えていない池の畔にヒシの種の殻が流れ着いているのをよく目にするが、それはその池の水草が一種残らず滅び去ったことを意味する墓標である。


ヒシの種子は大きくてわかりやすいが、底の堆積物を検鏡すれば、さまざまな水草がそこにあり、みな滅び去ったという事実がわかるのだろう。ヒシの種子殻はあるが現状何も生えていない池の多さは、日本の湿地環境の劣化のすさまじさを意味するものであって、どんな普通種でもまったくもって安心できない状況にあることを無言で表している。 

将来安泰な水草など、一種もない。

 ありとあらゆる水草が、今日も滅びへと向かっている。


ヤナギモと混生するヒシ


 さて――前置きはさておき、まだある程度「身近」といえるヒシの話をしようと思う。 ヒシというのは、実態以上に「強い」水草だと思われがちである。

 たとえば、かつては大量に繁殖したヒシをどう処理していたんだ、というような話が話題に出たりするけれど――ヒシは相当富栄養化したアルカリよりの環境でないとうまく育たない植物である。化学肥料や苦土石灰がここまで普及する前は、今ほどにはヒシが跋扈していなかったのではないだろうか。それに、ヒシはジュンサイハムシやヒシハムシにしばしば食いつくされる様子がみられ、水草の中でもかなり被食圧が目立つものといえる。

 さらにイメージとは逆に、ヒシは極めて繁殖力が低い水草である。


ヒシの実

 ため池の墓標になってしまっていることからわかるように、またヒシの実は古くから食用として知られるように、ヒシはかなり大きな果実をつけ、中には種子が1個だけ入っている。
 大きな種子をつけるということは、種子数とトレードオフの関係にある。 最大でどの程度増えるのだろうか? 
真面目に農業として栽培される場合、1株あたり100~200個、といったところらしい。
 なお、私はヒシ類の栽培を非常に苦手としているので、その1/10程度の種しか回収できないこともざらである。さすがプロだ。

 しかしプロが育てたとしても、水草として、いや一年草としてはやはり、その種子数は桁が1つ、いや2つほど足りない。

 上記の数字もよく分岐している場合であり、野生の株はしばしば2~3分岐しかみられないものを見かける。なお葉10枚あたり2輪咲くというから、葉痕を5で割ればある程度の概算ができるはずである。さらにヒシの果実がしばしば未熟果(しいな)に終わることからするに、野生での種子数は上記の数字よりもさらに少ないと思われる。さらに、種子の寿命も短い。ヒシのシードバンクは5年持つかどうか怪しいレベルらしく、ほかの水草のシードバンクと比べると寿命の桁がやはり1つ足りない。

 つまり翌年には前年にばらまかれた種子の多くが発芽し、種子が巨大なこともあって高い生存率が見込めるということらしい。いっぽう、数年連続で全滅したら、その池のヒシはもう絶滅である。池によって種子の形が結構違うことからして、(種子がいかにも水鳥に引っ付いて移動しそうな)イメージに反してヒシはそこまで移動できていないのだと思う。そもそも、あの巨大な種子が引っかかっていたらまともな鳥なら羽繕いで取り除くはず…と思っていたら、バードウォッチャーがヒシ付きの水鳥を観察する例はまれにあるようだ。 

このようにヒシは一年生水草としては珍しく、少数の生存率の高い種子をつけ、しかも定住型・・・という、きわめて保守的な繁殖戦略をとっている。 動物で言うところの、K-戦略的な水草といえるかもしれない。


北陸で見かける変なヒシ


 余談。ところでヒシの栽培はさきに書いたように私は苦手としていて、大量の肥料を施肥しなければいけないと思っていた。しかし実際の作付けでは化成肥料の施肥量はイネなどとそう変わらない~むしろ少ないようであり、ほかの要因が絡んでいそうだ。古くはテオプラストスも書いているが――ヒシがとりわけ変わっていると感じるのは、その特異な水中根だ。細かく分岐した水中根は葉緑素をもっており、しばしば沈水葉と間違われる。このように、ヒシの根はアンカーの役目を果たす根と、肥料吸収と補助的な光合成をおこなう水中根に分かれており、どちらもなかなか発根してくれない。

 栽培の難しさはこの特殊な根にあるのではないかと思っている。 栽培にあたって特にネックになるのが、ヒシの発根能力の低さと、肥料が枯渇すると水中根が脱落し、さらに肥料吸収効率が落ちて肥料切れが激化しているように見える。弱アルカリ性の濁った水域を好むことからCa, Mgの要求量が多いこと、また有機質の要求量が多いのではないか(大量の腐植酸を要求するのではないか、また、リン要求量が多いため、有機酸が多くないと水中のリンが沈降して枯渇するのではないか?などなど)、と思っているが、いまいち納得のいく説明ができているわけではない。ほかにもヒシが好む濁り水の懸濁物質も成長に有効なのではないか…などなど。 

正直迷走していて、うまく育てられている方がいれば是非…と言いたいところだが、まだもう少しいろいろ試してみようと思う。

ヒシの実比較(福島潟にて展示されていたもの)

ヒシに関しては分類史、進化史、各地のトウビシなどなど、語りたいことはまだあるが、今回は字数オーバー甚だしいのでこのあたりで終わりとする。



著者プロフィール


4.04

今まさに失われつつある水草のある景色を求め、日夜フィールドを彷徨い記録している

"いつまでもあると思っていた。
ようやく手が届く、そう思ったとき、もう何もなかった。
空虚と無念と後悔は、記憶と合して憧憬を生む。その先が過去なのか、未来なのかは、もはや朧げで。
ただ私を引き込んでいく。もっと知れと。

ここを翌年訪れた時、もう水草はなかった。しかしいまでも夢に出てくる。"




表紙

ミクロラスボラ”ハナビ”(Danio margaritatus)

ミャンマーのインレー湖周辺に生息するミクロラスボラの一種
かなり最近(2006年)に発見され、鑑賞魚界に導入された後、世界中で愛好されている小型美魚の代表格ではないだろうか?現地では食用に供されていたというから驚き

初めてその姿を見た時はこんなに美しい魚がまだいたのか…と感動を覚えたもので、同じくミャンマーのインレー湖周辺に産するミクロラスボラ エリスロミクロンに似た、小さな体に渓流魚の佇まいを秘めた野性味溢れる姿が好みであった
入荷当初はかなり珍しく数も取れない魚で結構な価格で取引きされていた(ミャンマーから禁輸になったりもした)が、見た目からは想像できないくらい繁殖力が強く、あっという間にブリード個体が流通するようになった

インレー湖は弱アルカリ性の水質の湖であることが知られており、この湖に産する魚は飼育に一癖あるものが多いが、ブリードによって累代を重ねたおかげか最近流通する個体は特に難しい事は言わないように思う
同種間では意外と激しくやりあうので、隠れ場所を多めにして単独種で複数匹飼育すると本種の魅力を感じられるかもしれない

週刊「自宅田園ビオトープを作ろう」

今週は写真を撮り忘れたのでお休みです…_(:3」∠)_

オススメTools



今週ご紹介するのはGEXスリムフィルター DC-X SS1です
今更かよ…と言われるかもしれませんが今更買ってみて普通に使いやすくていいフィルターだったので…
以前からあるスリムフィルターのモータをトルクの強いDCモータにしたもので、寸法は使い慣れたサイズながら静音性が高く、省エネかつ流量アップということなしなアイテムになっています
しかもシンプルな作りながら流量調整ができて、コードが1.5mと必要十分に長い!
これだけいいこと尽くめにもかかわらずとても安い!(実売千円前後)と、とんでもないアイテムだと思います

SSは幅が12cmとかなり小型に収まっています。いままで止水でしか管理できなかった小型水槽やフィルターを入れづらい小型の水槽にも設置できてしまう素晴らしさ…
唯一の難点は小型水槽に入れるにはモータ部が大きいところでしょうか…こればかりは仕方ないですかね…?
濾材はスリムフィルター用のものが使えるのでお好みで、例えば濾材を入れずにヤマサキカズラやスパティフィラムなどの水生植物を育てるスペースにしても強力な水質浄化能力を得られるので遊びがいがあると思います

PostScript

エキノドルス エルディアブロ


産めよ増えよ地に満ちよ

オトシンネグロの産卵

先週の記事を書いた後、水槽を見ていたらオトシンネグロが二匹並んでいて、なんとなーく怪しい雰囲気を醸し出していたので、サテライトに入れてみた所すぐ産卵を始めました
コリドラスの繁殖行動でもおなじみですが、Tポジションという体制で、オスの放精をメスが促した後に吸い取り、産卵と同時に受精させるという荒業です
コリドラスの場合は体が曲がらないのでTの字の姿勢になるのですが、オトシンの場合は体が曲がるので↑ポジションとでも言えるような独特な形になりますね…
保護色なのか分かりませんが、オトシンネグロの卵は緑色をしていて稚魚のヨークサックも同じ色です。ヨークサックというとなんとなく栄養たっぷりな黄色なイメージがありますが、コケを食べるオトシンのヨークサックが緑色なのは、どことなく生態に結びついているようで不思議です
現在稚魚を育成中ですが、無事に大人になってくれるとうれしいですね

(green)

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