Greenジャーナルvol.22 2025年1月5号

2025年1月30日木曜日

Greenジャーナル 新着情報 水草 水草、果てしない挑戦の数々 熱帯魚 熱帯植物

t f B! P L

 

クラウンキリーとロタラ’フロリダサンセット’

写真提供:あまみやさん

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.22 2025年1月5号のお届けです

Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です


日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています

この場を通じて新たな出会いや学び、楽しみが広がる一助になれれば幸いです


※主にショップや企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です

個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m


ただいま表紙画像ご提供募集中です!

Greenジャーナルでは現在表紙写真をご担当して頂ける方を大大大募集しております!

わが家の表紙用写真ストックが底を尽いています_(:3」∠)_

是非皆様の素敵なお写真でご助力を賜われればと考えております

掲載の体裁上、お借りするお写真は縦長にカットさせて頂くことになると思いますのでその点はご了承頂ければと思います

一回限りのご担当でもありがたいです。ぜひぜひお気軽にお声がけ下さい



今週末注目のイベント

ADA LAB ssp. HAKATA(福岡市博多区) 2月4日まで開催中!


先日もお知らせした博多阪急で開催中のイベント「野野野!?ハンターの好奇な世界」にADA Labが2月4日(火)まで出店中です

Lab限定アイテムの他、ミニパルダリウム作成ワークショップなども行っているようです(有料・要予約)

ADA Labは今のところ梅田、東京、札幌しか常設店がなく、GlassPot KAKUなどのLab限定アイテムを手に入れる貴重なチャンスだと思いますので九州にお住まいの方は是非!



沖縄国際洋蘭博覧会(国頭郡本部町)2月1日~2月9日まで開催!

国内最大規模のランの博覧会、沖縄国際洋蘭博覧会が海洋博公園熱帯ドリームセンターにて、2月1日(土)から9日(日)まで開催されます

国内の蘭展では唯一大賞に内閣総理大臣賞が授与されることから注目を集めるランの展覧会となっており、期間中は3つの温室すべてに国内外から出店されたランが配置されるというランパラダイスのような展示があるそうです
それ以外にも育成相談会、栽培教室、講演会、フラワーアレンジメント、生け花のレッスン、即売会に椿油絞り体験と面白そうなイベントが目白押しです!

また、2024年に新たに名前が付けられた希少ラン「ムニンキヌランモドキ」の液浸標本の展示も注目ですね!

お近くの人は是非!!行ってみたいにも程がある…


今週の気になる情報

岐阜大学Global Lesson 向井貴彦教授の「生物地理と岐阜県の魚類」オンライン講義公開

岐阜大学で系統地理学,生態学,外来種の研究で教鞭をとる向井貴彦教授による「生物地理と岐阜県の魚類」というオンライン講義が公開されています(要無料登録) 生物地理とは何か、外来種問題の何が問題で、保全にはどんな意味があるのかを平易に、熱を持って語られていますので興味がある初学者にとって勉強になる内容だなと感じました
”Global Homogenization”という単語に聞き馴染みの無い方には特にオススメです

ピクタ「植物用LED開発者が語るライトの秘密」動画公開


ピクタの陶さんが植物育成LEDの光の波長、拡散度、太陽光のポイント、草による向き不向きなど、LEDについて総論的に解説されている動画が公開されました
以前にアクアライフなどにも掲載されていた内容を更に踏み込んだ内容になっていますが、LED選びに必要な知識や工夫がギュッと凝縮されていると思います
陶さんは専門的な知識を平易に伝えるのが本当に上手だなぁと感心しきりです


新着情報

グラステトラsp.ヴァウペス


コロンビアのヴァウペス川(下るとブラジル,アマゾナス州のウアウペス川、更に下ってネグロ川へと注ぐ)からやってきた不思議なカラシン。あまり見ないスリムな体型で
心が惹かれますね…
個人的にコロンビアルートの魚は今後増えるんじゃないかなと思っているのですが、まだ見ぬ素敵な魚が見られると嬉しいなあと期待しています

コラム

水草、果てしない挑戦の数々

水草の色には理由がある(1)」

1. 色々な水草

色が明るい水草にはCO2がいる?


よくある話がある。

アクアリウムを始めたばかりの方が、「CO2の要らない水草がほしいです」というパターンだ。こうしたとき、ショップがおすすめする水草は2パターンある。

1つはアヌビアス、ブセファランドラ、ミクロソリウムなどの活着性で成長の遅い水草。
もう1つは、アナカリスやナヤスなどの濃い緑で透明感が強い水草。

しかしながら、大抵の場合次にこういう台詞が出てくるのだ…

「置物みたいのじゃなくて、金魚藻っぽいのじゃなくて、黄緑色で水槽を明るくできるものがいいんです」と…。

そしてグリーンロタラだったり、トニナspだったりを欲しがって店員の頭を抱えさせる。


つまりアヌビアスやミクロソリウムはプラスチッキーに過ぎたり、黒ずんだ緑色が微妙、アナカリスやナヤスは透明感が強く全体に“色が濃い”ので微妙、というわけだ。

ハイグロフィラ・ポリスペルマなどの例外はないことはないが、これらにしても丈夫なために育っているという面が強く、アナカリスやナヤスのような良好な生育が望めるかというと微妙である

(CO2無添加の水槽で育つハイグロフィラ・ポリスペルマは魚の糞などによる水の汚れのストレスに強く、魚の出すCO2で育っているのではないかという疑いすら個人的に持っている。この水草の劣悪な環境に対する耐性は異常である。)

いずれにしても、CO2添加なしで栽培できる水草には色が濃いものが多い。

そして、こうした分類群を超えた一般的法則にはかならず理由があるのだ。



植物の葉は基本的に黄緑色である


では、なぜ黄緑色なのか考えたことはあるだろうか。

葉を両面から見てみよう。葉は表が濃い色で、裏が淡い色である。

料理をする人なら、茹でた野菜が黄緑から濃い緑色に変色する現象を見たことがあると思う。

葉緑素の中心金属の置換、変質による面も大きいが、単純に色が濃く見える理由はもっと物理的なものによる影響が大きい。

茹でることによって何が変わっただろうか?茹でた葉を両面から見てみよう。表も濃い色、裏も濃い色になっているはずだ。

これには葉の断面構造を理解することが有用である。

葉の断面は上部が柵状構造、下部が海綿状構造となっている。

直感に反するが、索状構造と海綿状構造の間に極端な葉緑素の量の差はない。この色の差を生んでいるのは空気の有無であり、海綿状構造はより含気的である。

理科の実験には葉を減圧することにより表裏の色の差をなくすものがあるが、温野菜でも同様の変化が見て取れる。


葉は黄緑色なのではない、“輝“緑色なのだ


葉の色は、上面から来る光が空気を多く含む組織にあたって乱反射することにより“明るく”見えているのであって、葉が白や黄色っぽい色素を含んでいるためではない。

つまり、黄緑色の葉はバックスクリーンが反射して光っているから黄緑色なのであって、正確には“輝“緑色なのである。

これは葉の上面から入った光をバックスクリーンにあたるガスを多く含んだ組織で乱反射させることにより、光を貫通させず光合成の効率を上げるために作用している。

初心者アクアリストが“難しい”黄緑色の水草を欲しがるのは、それが“輝いている”からではないだろうか。

目が慣れていない初心者の感性はある意味、見慣れたものより鋭いといえるのかもしれない。

2. "輝"緑色のオオカワヂシャと透明感の強いコカナダモ。オオカワヂシャは湧水の影響が強い高CO2水域でしか水中で育たない。コカナダモはCO2濃度の低い水域でも生育できる。



さて、水草に戻ろう。

水草の葉に関する記述にはしばしば問題がある


キクモやミズハコベなどの明るい葉をもつ植物を例示しながら、オオカナダモなどの濃い緑色の葉をした植物の話をしていることがままあるのだ。

一般的に説明される水草の葉構造は非常に単純かつ極めて薄く、わずか2~3層の細胞のみから構成され、ガス層はほぼないとしている。


これはオオカナダモやポタモゲトンなどの透明感のある緑色の葉をもつ水草の特徴であり、
こうした透明感のある葉をもつ水草は、一般にCO2の添加が少なくても栽培できることが多い。

葉が黄緑色の水草はより多くの含気構造をもち、しばしば葉もより厚い(たとえばルドウィジアやロタラの葉をみてみよう)。





さきほど海綿状組織は空気を多く含むと書いたが、柵状組織も細胞に平行に(図示しにくいが)また多くの空気を含んでいる。

これは、気体中の二酸化炭素の拡散速度が水中より遥かに速く、空気を直接葉に接触させることが光合成に有効であるためだ。

植物中の通気組織における二酸化炭素の移動は高速道路に例えられるかもしれない。


つまり、二酸化炭素を効率的に使って光合成するためには、植物体にガスを隅々までいきわたらせる必要があるか、もしくは細胞自体を二酸化炭素に近づける必要がある

植物体にガスを隅々までいきわたらせるのが、いわゆる「明るい」水草の戦略である。

しかし水中でのガス調達は空気中と違って簡単ではない。つまり、光合成に必要なガスを調達するために光合成が必要になる。


そのため、“明るい”水草はCO2が豊富にある環境で光をより有効に使って光合成し、しばしば色の濃い水草の勢いを凌駕するが、光とCO2の不足する水槽内などでは簡単に枯れてしまう。

アヌビアスなどに関してそこまで詳しいわけではないが、これらに関しては代謝が遅くガス消費の方を押さえていると思われる。

(続く)



著者プロフィール


404

今まさに失われつつある水草のある景色を求め、日夜フィールドを彷徨い記録している

"いつまでもあると思っていた。
ようやく手が届く、そう思ったとき、もう何もなかった。
空虚と無念と後悔は、記憶と合して憧憬を生む。その先が過去なのか、未来なのかは、もはや朧げで。
ただ私を引き込んでいく。もっと知れと。

ここを翌年訪れた時、もう水草はなかった。しかしいまでも夢に出てくる。"


表紙



クラウンキリー (Pseudepiplatys annulatus)

クラウンキリーはアフリカ産卵生メダカ類の一種であり、日本でもかなり古い時代から観賞魚として飼育されてきた

僕が子供の頃に買った絵しか載ってないような熱帯魚の指南書にも載っていたくらいなので本当に観賞魚として歴史のある魚ではないだろうか

それでも昔はそこそこのお値段がしていたが、近年ではかなり安価で東南アジアブリードが流通している

名前のクラウンはピエロのことであり、青い目の周りが白や黒に彩られることを表現したのだろう

他にロケットキリーという呼び名もあり、これは尾びれがロケット噴射で推進しているように見えることから付けられた名だろうか?

ワイルド個体には地域変異があるため、コレクションしてみるのも面白いかもしれない

飼育、繁殖ともに容易な種で性質は比較的温和な部類であり、昔から定番の熱帯魚の持つおおらかさを味わえる

ワイルド個体は亜硝酸に敏感なところがあるのでろ過の効いた綺麗な水を用意してやるべきだろう

飼い込むことで各ヒレの伸長や色づきを楽しめるため付き合っていて楽しい魚である

表層付近を泳ぐ性質のため飛び出しには注意が必要だが、浮草などを入れて水草が茂った水槽に入れておくといつの間にか稚魚が泳いでいることもあるので


今回の表紙写真ご提供:あまみや(@neb_ln)さん

YouTubeでご自宅の水槽や植物の動画を上げていらっしゃる方です。元々は海水魚を飼育されていたそうで、水草はまだ始めて日が浅いそう…とは思えないくらいしっかりと水槽を維持されていて、そこはマリンアクアの経験が活きているのかなと思います。

YouTubeチャンネル「あまみや(働かざる者)」は画面の随所にこだわりを感じつつ(そもそも画が美しい)、肩の力が入りすぎてない緩さもあって素敵だと思います。巨大水槽のネオケラちゃんがとても可愛いので必見です。オススメ!


ボルネオの植物

Matang,Sarawak


PostScript

Clinopodium brownei(カーナミン)



暗渠化を控えた冬枯れの用水路に思う







緊急告知



3月の後半に弊ジャーナルにてエキノドルスの特集を組む予定なのですが、その際に掲載するお写真や文章を募集したいと考えております

テーマは「私の好きなエキノドルス」

エキノドルスの思い出やエキノへの熱い思いや、お気に入りのエキノドルスのお写真(我が子自慢的な)などをドシドシとDMにお送りいただけたら嬉しいです!

コラム執筆陣やショップ店員さんへのインタビュー、育成情報や幻のエキノの写真まで…丸々エキノ一色の特集にしようと考えておりますので、是非皆さんのお力添えを頂ければと思います

よろしくお願いします


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