Greenジャーナルvol.18 2025年1月1号

2025年1月2日木曜日

Greenジャーナル 新着情報 水草 水草、果てしない挑戦の数々 熱帯魚 熱帯植物

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ジグザグスパイニィイール
写真提供:さん

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.18 2025年1月1号のお届けです

Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です


日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています

この場を通じて新たな出会いや学び、楽しみが広がる一助になれれば幸いです


※主にショップや企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です

個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m



表紙画像ご提供募集中です

Greenジャーナルでは現在表紙写真をご担当して頂ける方を大大大募集しております!

わが家の表紙用写真ストックが底を尽いています_(:3」∠)_

是非皆様の素敵なお写真でご助力を賜われればと考えております

掲載の体裁上、お借りするお写真は縦長にカットさせて頂くことになると思いますのでその点はご了承頂ければと思います

一回限りのご担当でもありがたいです。ぜひぜひお気軽にお声がけ下さい


今週末注目のイベント

CafeGrass(豊橋市)初売りイベント 熱帯植物即売会「カボフェス2025」1月4日開催!

本年内の閉店が決定している愛知県豊橋市のカフェ&アクアリウムショップCafeGrassさんの最後の初売りイベントが1月4日(土)に開催されます
愛好家の間ではとんでもないレア種がポロッと出てくるすごいお店として有名ですが、今回の初売りのラインナップも圧倒的です!
当日は結構な激戦になるかと思いますが、新春の運試しに参加してみるのもいいかもしれませんね!




第64回全日本蘭協会洋らん展 サンシャインシティ世界のらん展2025~百花繚乱魅せられて~(池袋)1月9日~1月13日開催


毎年恒例新春のサンシャインシティ世界のラン展が今年も1月9日(土)~1月13日(月・祝)に開催されます

特別展示のカトレアも楽しみですが、やはりLA熱帯草屋の参加が楽しみですね……ジメジメ新年会になりそうな予感がします


杜若園芸(城陽市)新年初売り開催!1月8日~1月13日に開催


水生植物やメダカ関連の商品を数多く扱う杜若園芸本店(京都府城陽市)で、新春の初売りやくじ引き、パルダリウムや苔テラリウムのワークショップが、1月8日(水)~13日(月・祝)に開催されます
今年の屋外栽培の準備を整えるのも良いかもしれませんね!

今週の気になる情報


川虫専門HP An Artless Riverside ​川虫館 公開開始



約220種の川虫(カゲロウ、カワゲラ、トビケラ)などの美麗な写真が掲載された日本一?の川虫サイトが公開されました
川虫は環境指標生物としての役割も大きいため、川で見かけた虫の名前を調べることでその川の栄養状態や汚染度が確認できます。是非参考にして身近な川の環境を見つめる機会にするのも良いと思います


鹿児島大学中央図書館(鹿児島市)にて第22回特別展「鹿児島の外来魚」1月8日から開催


鹿児島大学総合研究博物館の第22回特別展として、鹿児島大学中央図書館にて鹿児島県内で採取された外来魚50種の液浸標本の展示やパネル展示が1月8日(水)から開催されるそうです
11日には本企画展の講演会も行なわれるそうです。昨今日本各地で在来種や外来種の展示が行なわれるようになってきましたが、緩徐ながら生物環境への関心が増しつつあるのかなぁと感じます



新春特集第一弾「2024年買って、使って良かったモノ」紹介

僕が昨年買ったもの・使ったもので特にコレは良かったなぁ…と思ったものをご紹介
皆さんの琴線にふれるものがあるといいのですが…

機材


HaruDesign 植物育成LEDライト GLT5 L530 18Wx2本




スポットLEDなどでも定評あるHaruDesignの植物育成用ライトですが、本品はバータイプで天板などに固定、吊り下げして使う照明です

内蔵のLEDチップは植物工場で採用されているサムスン製のLM281B+Proというものが使われていてなんだか良さそう(雑)です

価格も18WのLEDバーライトが2本で5,980円と大変お安い

2本並べて使ってもいいでしょうし、延長コード(580円)をつければ棚二段に分けて使用したりもできます



難点はほぼむき出しのライトなので、高さによっては横に漏れる光が眩しい点。設置場所にブラインド的な目隠しが必要になるかと思います。

また若干発熱するため冬はありがたいですが夏はどうなんだろうなと思ってます。

ちなみに光はやや紫がかった色なので水槽の照明には向かないと思います

今のところ、このライトを照射している植物は概ね元気に育っているので案外良いもののような気がしますよ。コスパの良い育成ライトを探している方にはオススメ


水作 水心SSPP-2S



言わずと知れた国産エアポンプのベンチマーク、水心シリーズの一番大きいやつです

吐出量は4.0L/mで、3~4分岐くらいで使うのに丁度良いくらいの吐出量かと思います

静音性が売りの水心シリーズとしては若干音がするなと感じることもありますが、性能的にはトレードオフかなぁとも思います

セールの時などに一つ買っておくと何かと便利だと思います。オススメ


キング砥石 いぶきエアストーン18φ×150、18φ×300




これまた定番の高品質エアストーンです。ブセの水耕栽培に使うために購入しました

150サイズはダイソー透明ケースに、300サイズはダイソー20Lケースに斜め置きで使っています。頑丈かつ泡が均質で素晴らしいエアストーンだと思います

難点は特に無いです。強いて言うなら扱ってるショップが少ないことでしょうか?



メンテナンス用品

水作 プロホース2&3



言わずと知れた(何度目だ)、水換えポンプの永遠の定番プロホース…のクラシックモデル?とでもいうべきか、現行品の蛇腹ポンプのついてないモデルが復刻販売されていたので買いました

復刻とはいえ吐出口周りはシリコン弁になっていたり現代風に改良されていて以前よりも水が出やすくなっている…ような気がします

プロホースといえばこの形!!という人にはオススメ

難点は特に思い当たりませんが、身体がポンプ付きのモノにすっかり慣れていて一瞬戸惑います


水作 クイック水換えポンプミニ



水作の回し者ではないのですが、これまた水作製…良い物沢山作ってるってことですね…

ミニNA水槽の換水用に買った小型のプロホースです(プロホースではない)



ポイントはポンプ部分と排出口が一体成型になっていて水槽内に影響を与えないで排水できる所でしょうか

このアヒル口が意外とよく出来ていて、使ってみると”なるほどよく出来ているなぁ”と感じること請け合いです

難点は吸水口の径が狭いためソイルを吸ってしまうと詰まりやすいところでしょうか…またアヒル口がゴミを噛むとポンプを動かしても空回りするのが地味に面倒くさい

ヤマトの糞くらいなら余裕で吸い出せるので使い方次第でしょうね


ナルビー アクアステンレススクレーパー



ご厚意で頂いたのですが、すでに使ってる人がみんな良いというだけあって本当に良いモノでした

刃のスパンが広いのでプロレイザーでチマチマやってたコケ落としを一発で綺麗にできて爽快です

個人的なポイントは水面近くのカルシウム沈着系の汚れと水槽内のコケをまとめて削げる点でしょうか。この爽快感は使えば分かりますが地味に嬉しいですよ

また刃が硬いので折れにくいのも美点でしょう



難点は価格がやや高い点ですが、元々は窓清掃用のものをアクアリウム用に材質の色を変えているアイテムなので、色にこだわらなければ半額くらいで同じ機能のものは手に入ります
(が、やはり白いとコケや汚れが見やすいのでとても使いやすいです)


ADA


ADA キューブガーデン15×15×20セット



ミニNAセットの中核である小型水槽です

こだわりの4mmガラスを使っていて透明感が抜群です。

小型水槽は各社から出ていますが、やはりADAの水槽のクオリティは頭一個抜けてるなあと個人的には感じます

底床材のアマゾニアver2とバクテリア材のバクターRがセットされているのもなんとなくお買い得感があります

難点は専用のガラスフタがないところ。正直怒りを覚えます

また専用のステンレス蓋が水槽側にもツメがあるデザインなので傷を付けないか心配になりますね

DOOA CO2ミニディフューザー φ15



DOOAブランドの小型CO2ディフューザーです。小さいし形状がシンプルなのでメンテナンス性が高くて便利です。意外と60cm水槽くらいならこのサイズでも事足りる気がします
難点は…廃盤品らしいので入手しづらい点でしょうか…?


DOOA マグネットライトG スリム



DOOAブランドの照明機材。旧型と比べるとライト側がUSB‐C端子になったことで本体が薄くなり、スイッチ周りが変更されて2千円値上がりした新型モデルです。

照明性能自体は同じなのでミニNA以外で使うのであれば旧型で事足りると思います

ミニNA水槽に専用蓋で使用する場合はスリムモデルの方が取り回しがいいと思います

難点は高いところです



キョーリン ひかりベタアドバンス


ベタ用の人工飼料としてお店でオススメ頂いた餌です

今年お迎えしたベタのオスがやたらに食が細く、喉も細かったのかブラインシュリンプしか食べてくれなくて困っていたのですが、辛抱強くこちらの餌を与えていた所ちゃんと餌付いてくれました

餌付いた後は成長速度もみるみる上がったので良い餌なんだと思います

今では二代目の子ども達も喜んで食べているので親子ともどもお世話になってますね

難点?は嗜好性を上げるためキョーリンお得意のひかり菌を入れてない餌だそうなので若干水が汚れやすいと聞きましたが、正直そこまで汚れるという印象は今のところはないです


キョーリン パラクリア



これまたキョーリンの人工飼料。7種のハーブが配合されていて、実験でも体表の健康を保ち、魚病の発生率を下げ寄生虫への抵抗性を高めることが実証されているという触れ込みの高機能な餌です

実際の効果は分かりませんが、少なくとも去年一年我が家では何らかの病気や寄生虫被害は出ませんでした

毎日あげるとより効果があるそうなのですが、餌は色々ローテーションして与えているためマニュアル通りの使い方になっていない点はダメかもしれません

単純に嗜好性がかなり高いのも良い餌だなと思います。さすがキョーリン


GEX ワイルドバイト



GEX期待の餌。一般的な飼料はフィッシュミールがメインの原料ですが、こちらはアメリカミズアブの幼虫を主原料にした餌で、とにかく異常に食いつきが良く名前通りのワイルドなバイトが見られます

自然状態の熱帯魚の多くは昆虫を餌にしていると思われますので、彼らの嗜好に最も近い餌なのかもしれませんね。WC魚の人工飼料への餌付けにも効果的だと思います

元々は試供品で頂いたのですが、あまりにも食いつきが良いので底物用も買い足しました

昨今のGEXのチャレンジングな姿勢には好印象を持っている僕ですが、改めて”やるじゃんGEX!”と思わされたアイテムです

エビちゃんに与えるとこれまた狂ったように餌を奪い合うので、エビの餌としても優秀なんじゃなかろうかと思っています

難点は、飼育水に特有の匂い(釣りエサのサナギ粉っぽい)がつきやすい点でしょうか…そのため毎日与えるというよりは高タンパクなオヤツ枠で使っています


神畑養魚 みじんこ畑シリーズ


カミハタから発売された、自宅でミジンコを増やしてメダカにあげよう!というコンセプトのシリーズ商品です

プラケがセットになっているスターターキット的なものもありましたが、用土と餌、増殖エキス、卵がそれぞれ個別で売られていてそちらのほうが安かったのでバラで購入しました

セットから2週間くらいで毎日おやつとしてあげるくらいにはミジンコが増え、半年後の現在までずっと維持できているので案外お買い得だったような気がします(用土だけ途中で一度買い替えました)

ミジンコはブラインシュリンプの替わりに与えていますが、ブラインと違って死骸が残らない(死なない)ので水が汚れにくい点が美点だと思います

難点はマニュアル通りの飼育法だと飼育容器の水が一月くらいでドブ臭がしてくることで、気温の高い時期に室内に置くのは若干厳しいかもしれません

僕は色々試行錯誤して最近やっといい感じに水を保ちつつミジンコも維持できるようになってきたので、皆さんもチャレンジしてみてほしいです(この試行錯誤についてはそのうち記事にしようかなと思います)


以上、greenの2024年買って、使ってよかったもの紹介でした!!



来週はお正月特集第二弾として、コラム連載陣の「2024年に印象に残った植物、生き物、製品」を挙げていただきますのでお楽しみに!!



今週は新着情報はおやすみです


コラム

水草、果てしない挑戦の数々

「水草という視点からみた植物の進化」




いまを深く知ると、過去に行きつく。
しかし過去を知るためには、いまをより深く知ることが必要である。

水草というものを知るためには、植物というものを知らなければならない。
そして、植物というものを深堀りすると、水草というものの存在感が奇妙なまでに大きいことに気づかされる。
いま目の前に広がる植物は、いかにして進化してきたのだろうか?

その起源には水草が極めて深くかかわっている。水草オタクとしての発想ではなく、過去から繰り返されてきたことからの経験則として、今後新しいタイプの植物が現れるとすれば、それはおそらく水草からであり、上陸した水草が陸を征服することになるだろう。
一年のはじめに、はじめの陸上植物とその進化についてザックリと語ってみようと思う。



A.  最初の陸上植物




最初の陸上植物について知られることは多くない。クックソニアをはじめとした最初期の維管束植物は気孔と部分的な維管束を持っていた。根はまだ発達していない。そもそも根も葉も維管束植物において複数回獲得された形質である。そのため、最初期の維管束植物は水辺に生育していたとしたほうが考えやすい。またその中には気孔を退化させたTaeniocrada dechenianaのように早々に水中に戻ってしまったものもあったらしい。





バラグナチアBaragwanatiaは初期のヒカゲノカズラ類であり、かつ最初の大型植物である。クックソニアとほぼ同時代でありながら最初に大型化した植物であり、茎の太さ6㎝、葉長4 ㎝に達する。奇妙なことにこれらは湖成層から発見されており、しかも根がない。気孔をもつため少なくとも水上に葉を突き出していたはずだが、このような“根無し”植物がどのように成長したか、その理解にはマツモなどの“根無し”水草がどのように養分を吸収しているのかが役立つ・・・かもしれない。



B. 水辺にできた最初の森と、脊椎動物の上陸




原裸子植物は、シダのような葉と木のような茎を持つ最初の木本である。この化石はボツリオレピスというデボン紀後期の甲冑魚の化石として展示されているものだが、アルカエオプテリスArchaeopterisの葉が一緒に保存されている。当時の植物はいまだ湿生植物的性格が強かったようで、大量の落ち葉を水中に堆積させた。この分解による水中の酸欠状態が肺の発達とひいては四足動物の上陸を促した可能性がある。



C. 奇妙な巨大ミズニラの森




維管束植物の中で最初に分岐したのはミズニラ類、イワヒバ類、ヒカゲノカズラ類で、これら三者は小葉植物とされ、残り全て(つまりほぼすべてのシダと種子植物)とは根も葉も相同でない異質な生き物である。その中でもミズニラ類は最も異質な維管束植物であり、最初に森を開拓したものの生き残りである。

前裸子植物とともに最初の森を作ったのは巨大なミズニラ類であるリンボク類であり、ミズニラ類とは葉と根の構造の相同性が著しい。リンボク類の“根“であるスティグマリア複合体は、ミズニラの根本にあるこぶ状の部分と相同であり、長さ以外をほぼ殆ど引き継いでいる。しかしリンボク類はミズニラと違って一回結実性で、高さ30mに達するにもかかわらず世代交代の早い植物だった。

その生態は謎に包まれており、すべての種が新生代以降に1種から分岐したとされる現生ミズニラから想像するのはむりがあるかもしれない。



D. 種子の獲得は多分、水草から





種子と花粉は、元をたどれば大胞子と小胞子に起源があると考えられている。

このような異型胞子性はシダ植物においても複数回獲得されている。そして、ここにきわめて重要なことがある。水生かつ種子植物でない植物の大部分が異型胞子性であり、その逆もまた然りである。異型胞子性はミズニラ(3億年くらいの水生歴)やデンジソウ(1億年以上)、サンショウモ(1億年以上)といったベテラン水生植物だけでなく、それらに比べるときわめて水生歴の浅いミズワラビ(おそらく恐竜が絶滅してから水に入った)ですら生じている。

リンボクや巨大トクサのロボク類(高さ20mを超えた)は根が水に浸るような環境に生育していたようで、これらもまた異型胞子性を獲得している。

つまるところ、種子形成に至る道はおそらく抽水植物から始まったはずである。



E. 被子植物も水草から




かなり時間を飛ばす。というのも、“裸子植物恐水症仮説”というものがあって、裸子植物には水生のものを現生種も化石種もほぼ欠いているという現象があるためだ。そのためペルム紀からジュラ紀まで水草はほとんど繁栄しなかった。そのニッチはシャジクモ類によって埋められていた。

つまるところ、水辺にはニッチの空白があって、そこに入り込んだのが被子植物の祖先だったのだろうと想像される。それは化石記録からも裏付けられる。

現在のところ、最も古い被子植物化石は沈水植物でありマツモ類との関連性が示唆されているMontsechia、沈水~抽水植物であるArchaeofructusなどである。そしてそのすぐ後にはハス類や水生サトイモ類が出現する。すくなくとも白亜紀前期後半~中期におきた被子植物の侵略的拡大が水辺から起こったというのは考えやすいことだ。


最後に……水生と解釈することの難しさ

水生植物の化石記録は白亜紀以降大変多い。この化石ハスのように現在とほとんど変わっておらず、かつ化石記録が多いためにトレース可能なものはよいのだが……水草を見慣れたものからすると、水生とする主張が眉唾物な“化石水草”はきわめて多い。その根拠とされる事象を理解するためには現在の水生植物を、形態とそれがもたらす機能の観点から説明できるようにならねばならない。

古植物の文献を読み漁っているが、つくづく現在の水草に関する知見と理解がまだ足りないことを思い知らされ、今をもっと学ばねばと痛感する。観察し、理解し、一般化することを通じて、批判的な目もあわせて化石記録を解釈する必要があるだろう。

そのためには栽培がとにかく重要だと思う。水草の形態変化は著しく、三次元的な”その場での“姿では理解できないことがあまりにも多い。栽培しその生活史や形態変化を観測し、そのうえで機能的意義について考え続けることは何より大事だろう。

著者プロフィール


404

今まさに失われつつある水草のある景色を求め、日夜フィールドを彷徨い記録している

"いつまでもあると思っていた。
ようやく手が届く、そう思ったとき、もう何もなかった。
空虚と無念と後悔は、記憶と合して憧憬を生む。その先が過去なのか、未来なのかは、もはや朧げで。
ただ私を引き込んでいく。もっと知れと。

ここを翌年訪れた時、もう水草はなかった。しかしいまでも夢に出てくる。"


表紙

今週の表紙は巳年ということで何かニョロニョロしたお魚を…と思い餅さんにお写真をお借りしました。スパイニィイールは門外漢なため、餅さんに解説をお願いしました…微に入り細を穿つおもしろ情報満載!ありがとうございます
green)



ジグザグスパイニィイール 
Macrognathus cf.circumcinctus

皆様新年明けましておめでとうございます

greenさんより干支にちなんだお魚ありませんかとのことでニョロニョロしたスパイニィイールを紹介させていただきます

スパイニィイールとは



スパイニィイール(Spiny eel)はトゲウナギ科の魚で、頭の後ろから背ビレにかけての棘条(トゲ)と細長い体型が名前の由来です。

特徴的な鼻先端にあるピロピロ(鼻孔がヒゲのように発達した器官)と吻が可動するのが可愛い魚です

私は昔からコミュニティタンク作りに取り憑かれておりまして、遊泳魚や小さな底モノと一緒に怪獣っぽい魚がいると水族館のメイン水槽のような、竜宮城のような感じが出て大変魅力を感じます。




スパイニィは面白い見た目や砂に潜る性質があり、性格もきつくなく、回避能力もあって混泳水槽向きな種類かなと思います。


表紙の個体



表紙の個体は「ジグザグスパイニィイール」として購入しました。
餌は冷凍赤虫を食べます。
底砂に潜る習性があるので砂底床で飼育していました。
性質は温和で水草を抜いてしまうほどのパワフルさもなく、ネオンテトラサイズの遊泳魚やコリドラスとも混泳可能なので一風変わったタンクメイトが欲しい時にオススメできる魚だと思います

同じく小型のイエロー(グリーン)スパイニィイールも同様の感覚で飼育が可能です
大型のスパイニィの仲間には魚食性がある種類もいるようなので、注意が必要だと思います
口の大きさである程度は推測できると思います

観賞魚ルートでは熱帯アジア産(イエロー、ピーコック、ファイヤー、タイヤトラックなど)と、アフリカ産(ブラインド、フレナトゥスなど)が流通しています。
アジア産のスパイニィは背びれと尾ビレと尻ビレが融合しておらず、アフリカ産のグループは融合しています。


現地情報

2015年に初めての海外遠征で行ったカンボジアでは3種類のスパイニィを見ることができました。
市場では食用魚としてタイヤトラックとピーコックが並んでいました。






フィールドではブラックウォーターの野池にてジグザグと思われるスパイニィが同行者の網に入りました。
オリジアス、ベタプリマ、グーラミィなどと一緒に生活しているようです。

タイヤトラックの幼魚はミズカマキリ、クーリーローチ、ヨウジウオ、ノーマル体色のデルモゲニーと同じ川にいました。



餅さんのカンボジア遠征行の記録はこちらからどうぞ!→「カンボジア遠征まとめ

ボルネオの植物





Postscript


Echinodorus parviflorus “Tropica”


新年1回目ここまでお読みいただきありがとうございます

初回からどんだけボリュームあるんだ…と思いつつ、とても得るものが多い記事が揃っていて個人的には満足しております

本年も読んで楽しく、常にフレッシュ、それでいて懐古を意識しつつ、魅力的な執筆者の皆様にお付き合い頂きながら連載をしていきたいと思います

何かがあなたのご興味に繋がることを祈りつつ…

(green)

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