レッドチェリーラスボラとアマニアsp.海南島

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.11 11月3号のお届けです

Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なウェブ連載です


日々情報が溢れて残らない時代に、本誌を通じて記録を残す事を試みています

この場を通じて新たな出会いや学び、楽しみが広がる一助になれれば幸いです


※主にショップや企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です

個人のツイートで特に紹介したい!と思ったものはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m

今週末注目のイベント

JOGA秋の洋らんフェア(立川市)11月15日~17日開催中


JOGA(日本洋蘭農業協同組合)が開催する秋の洋ラン展示・販売会が立川の昭和記念公園で11月15日(金)~17日(日)まで開催中です!
ランの愛好家が手掛けた自慢の花が並ぶため、目の保養に訪れてみるのもいいかもしれません
昭和記念公園は有名なイチョウ並木が紅葉の盛りだそうですので、紅葉のついでに見に行くのもオツだと思います



大阪自然史フェスティバル(大阪市)11月16、17日開催

100団体超の自然に関係するサークルや、自然保護団体等が一堂に会してブース出展するイベント「大阪自然史フェスティバル」が大阪市立自然史博物館で11月16日(土)、17日(日)に開催されます!
サークルだけでなく企業や博物館も参加する大規模イベントで、クラフト作家による販売、興味深い展示やワークショップが目白押しです
子どもも大人も夢中になれそうなイベントですね!



国内最大のオンリーイベント食虫植物祭(加西市)11月16、17日開催

日本食虫植物界の最大規模のイベント、「食虫植物祭」が兵庫県立フラワーセンターで11月16日(土)17日(日)に開催されます!
いくつもの愛好家団体や育種業者が集まる大規模イベントで、毎年食虫植物界隈の人が万難を排しても参加したいと言われるほどですので、その熱を感じに行ってアテられてくるのもいいいかもしれません!うーん行ってみたい…




デザフェス60(有明)11月16、17日開催

プロアマ問わずあらゆるジャンルの作家が集う国内最大規模のイベント、「デザインフェスタvol.60」が東京ビックサイトで11月16日(土)、17日(日)に開催されます
植物や魚に関する作家さんも多数いらっしゃるので、ソレ目当てでも、そうでなくても行けば間違いなく楽しいイベントですよ!
思いもしなかった出会いがあるかもしれません!個人的にも昔参加していましたが、一度は行ってみると良いイベントだと思います
人によっては人生を変える出会いがあるかもしれません


アクアリウムバス(浅草)11月17日開催

アクアリウム業界最大の展示即売会、アクアリウムバスが都立産業貿易センター浅草館にて11月17日(日)に開催されます
熱帯魚、両生類、爬虫類、小動物、植物、クラフトと手広いジャンルの皆さんが出店されていて、必ず何かしら心に響くイベントですので、是非!
また、当blogでコラムをご担当して頂いているねめさん(珍草屋Plants-AXIS)やWhitemoonさん(南房総水草愛好会)も出店されているので、是非覗きに行ってみてください。
ずっと探していた草に出会えるかもしれません!


今週の気になる情報

ひかりベルツノ120gパック発売(2月)



両生類愛好家に愛用されている人工飼料ひかりベルツノの120gパックが2月に出ていたコトを昨日知りました。大容量パックは以前から要望があったそうなので愛好家には朗報かもしれませんね!

京都大学11月祭 「大ヨシノボリ展」、「車軸藻の世界展」11月20日(水)~11月23日(土)開催!


先月水物業界の話題をさらった京大学園祭での国内ヨシノボリ全種展示という前代未聞の企画展「大ヨシノボリ展」(京都大学淡水生物研究会)がついに来週開催されます!
更に企画展「車軸藻の世界展」(京都大学藻類研究会)も開催されるそうです!
ヨシノボリに車軸藻…やっぱり京大って変な人しかいないんだなぁ……最高!

ADA阪急うめだ店「ガラスケースと小型着生ランの新たな可能性」ワークショップ開催


ADA LAB UMEDAで11月17日(日)に菌従属植物の研究者、谷亀高広氏による講演会と着生ランを使ったレイアウトのワークショップが行なわれます
なかなかの参加料ですがかなりお得な内容になっていると思いますので、着生ランを使ったパルダリウムに興味がある方は参加されると楽しそうです!予約制ですので上記サイトから予約して行ってみてください

足立区 au Pay、D払い、paypay、楽天payなどキャッシュレス決済で20%キャッシュバックキャンペーン開催!!


過去にpaypayのみで行なわれていたキャッシュレス決済で20%キャシュバックキャンペーンが対象決済方法を増やして帰ってきました!
足立区の熱帯魚店といえば、アクアテイクE、アクアショップフルーメンなどがキャッシュレス決済に対応しているため、利用してみる良い機会かと思います!

新着情報

リオアマヤ クリムゾンレッドペンシル

今週も新着というわけではないのですが、特に赤の発色のすばらしいクリムゾンレッドペンシルが入荷しているのが目に止まりました!ペンシルの中では結構気性が荒いため同種でも水槽に1匹で飼育するのが無難な魚ですが、一匹でも最高の存在感があると思います!いやあ美しいですね…


コラム

迷宮探訪

「ベタをたずねて三千里・カンボジア採集記①シアヌークビル」

こんにちは。闘魚庵のけんごです。

当コラムも第二回。

本来ならば予告通りベタ以外のアナバスのお話をするつもりでしたが、この記事を書いている現在カンボジアに滞在しています。

せっかくなのでこれから数回カンボジアのアナバスについてお話をさせて頂きたいと思います。

今回の旅最初の目的地はシアヌークビル。カンボジア南部の港湾都市です。
中国からかなりの金と人が流入しており、カンボジアにおけるチャイナタウン的な雰囲気になっています。

シアヌークビルの町。かなり活気があります


成田空港を出発してから飛行機を2便、長距離バスを2便乗り継いで計28時間ほどの大移動の末13時ごろに到着しました。
すぐにホテルに入って採集の準備を整えて出発。

しばらくバイクを走らせると目的の湿地が見えてきました。


スプレンデンスグループのベタはこのような浅い湿地を好んで生息しています


ここシアヌークビルの一部にはBetta imbellisによく似た魚が生息しています。
もしかしたらBetta imbellisそのものかもしれません。(詳しくは後述)

過去にも来たことがあるのですが、そのときは輸送に失敗してしまって満足な数を得ることができませんでしたので再訪となります。

しばらく網を振ると無事に入ってくれました。
今回の目的であるBetta cf. imbellis "From シアヌークビル"です。

採集直後のBetta cf. imbellis この時点でも非常に美しい色彩を確認できます


さて、目的の魚の写真もご覧いただいたところで私がこの魚をBetta imbellisであると断言しない理由、そしてcf.としてBetta imbellisである可能性が高いものとして扱っている理由をご説明させて頂きます。(アナバスオタクの戯言と思って頂いて結構です。笑)

今回採集したcf.imbellisはシアヌークビルをはじめとしたカンボジア南部に生息しておりますが、実はベトナム南部にも同様にBetta imbellisによく似た魚が生息しており、カンボジア、ベトナム、マレー半島におけるBetta imbellisおよびそれによく似た魚の生息地はほぼ同様の緯度に収まっているのです。

現在タイランド湾と呼ばれている海は大昔は陸地であり、スンダランドと呼ばれる広大な陸地を形成していました。
つまり昔はマレー半島からインドシナ半島まで陸続きだったわけです。
これらのBetta imbellisに似た魚たちは以前はスンダランドを伝って分布しており、タイランド湾が形成された際にそれぞれがマレー半島、インドシナ半島、カンボジアの一部に隔離されたのではと個人的には考えています。

上記の仮説が正しければこれらの魚は共通のルーツを持っているはずですが、隔離されてからかなりの時間が経過しているため種単位で別の遺伝的特徴を備えている可能性があります。(外見的特徴はまさにBetta imbellisのそれですが…)

と、こんな感じで同じように見える魚でも色々なところで観察していくとあるとき点と点が繋がる瞬間が訪れます。
これが現地での観察、ひいてはロカリティ情報の正確な魚を観察することの最大の楽しみの1つではないかと私は思っています。

どうでしょうか?
ツラツラとご説明するよりもよほどアナバスという魚の面白さを感じていただけるトピックになったのではないかと思います。
ベタと地理の話はまだまだ面白いものがありますので今後も遠征を通じて皆様にもお楽しみ頂けますと幸いでございます。

ではまた次回。

著者プロフィール

けんご

原種アナバス専門店「闘魚庵」
主催のアナバニスト

アナバス以外にもメダカや水草などの採集も行っており、業界注目度が高い熱帯魚ハンターである


”原種アナバスと呼ばれるグループの魚に魅せられ、闘魚庵という原種アナバスの専門店を営んでいます。

「アナバス全種の繁殖維持」を目標に掲げ、東南アジアをフラフラしながら観察、収集や繁殖などにも力を入れています。”




コラム2

水の中の草コラム

「トニナsp. “ベレン産”」


やはり、この水草沼に嵌まったきっかけとなった水草から始めよう。



トニナsp.

このトニナsp.の登場が、底床素材としてのソイルを一般的にしたと言っても過言ではないのではないか?

それまでの底床の主流といえば「大磯砂」

今や自社製品として「アクアソイル」シリーズを販売するADAですら大磯砂を使ったレイアウトが普通だったが、トニナsp.は当時の大磯水槽ではなかなか上手く育たなかったのである。

そんな中、ドイツの専門誌「Das aquarium」アクアズーム主宰、三浦達雄氏による本種の育成記録が掲載され、本種の栽培条件が広く知れ渡ることになる。



トニナは水中の炭酸塩硬度(KH)の存在を嫌う。

大磯砂は海産の砂利でそのまま使うとどうしてもKHを上げてしまうが、当時出始めのソイル系底床はカルシウム分を含まず、使用することでソイルの吸着効果(陽イオン交換)や有機酸によりpHやKHが低下し、トニナsp.の栽培に適した水質を得ることができたのだ。

トニナsp.から始まる後の「南米産水草ブーム」で登場する多くの新着水草にもこのソイルの効果は絶大で、ソイルは一気に水草栽培底床の主流となっていった。



過去に育成経験のある方はもう一度、まだ未経験の方は是非一度、本種を育ててみてほしい。

トニナ育成の水質目安はpH6以下、KH0〜1

これさえクリア出来れば、トニナ育成は8割成功したと言っても良いだろう。
炭酸ガスの添加は有効だが少量でも良く、光も特別強くなくても大丈夫。
とにかく水質条件さえ満たせばそれほど難しい水草ではない。



頂芽が魅力的な水草なのでトリミングは差し戻しが基本となり手間はかかるが、是非一度ご自宅の水槽でトニナを育ててみてほしい。

そして出来ることなら1度で良いので水槽全面にトニナを植えてみてほしい。
他種では見られない個性的かつ美しい光景が見られるはずだ。




著者プロフィール

アクア日記2は水草ブログの草分け的存在。数多くの飼育経験からまとめられた考察や記述は示唆に富み、飾らない語り口も心地よい。その記述は現在では流通しなくなった南米水草達の往時の情報や姿の記録として、今一層の価値を持つ

”ブログ時代の残党。
もはや過去の人。
アクア日記2は一応稼働中。
更新はごく稀。。。”



表紙



レッドチェリーラスボラRasbora lacrimula)は薄く赤く色づくヒレに濃紺のラインが走る魅力的な小型ラスボラである
記載は2009年と比較的新しくボルネオ島に産する種である。先月久々にまとまった入荷があったが、記録によると2019年以来約5年ぶりの入荷となったようだ

見た目はマレー半島に産するラスボラ(トリゴノスティグマ)ソムフォングシィに似ているが、本種の方が一回り大きくなるようである
特別に気性が荒いような所は感じないが、餌を与えていないのにやたらにお腹が膨れていて不安である(エビちゃんを食べていやしないだろうかとヒヤヒヤ)
飴色に色づく魚体は翻るたびにキラキラと輝き非常に美しいが、名前のとおりのレッドチェリーと言えるほどの赤さになるのかは謎であるため、今後が楽しみな魚である

アマニアsp.海南島(Ammannia sp.’Hainan Island’)は中国は海南島に産するアマニアの仲間である。
15年ほど前にある愛好家によって日本にもたらされた水草として知られる
日本の田園地帯で見られるヒメミソハギ(Ammannia multifloraがこの水草とかなり似通ったものとして知られる
育成は中性寄りを好むためソイル環境よりも砂礫に向く水草である
かなりゆっくり生長する水草であるため、中景のポイントに植えておくと長期間維持ができて美しい色の変化も楽しめるためなかなか観賞価値の高い水草だと思われる

反面、生長が緩やかであるために価格はやや高くなりがちで入手しづらいのがネックだが、その価値は十分に感じられる魅力的な植物だと思う

PostScript

Ludwigia sedoides


緊急告知
現在Greenジャーナルでは表紙の写真とその写真についてのひとくちコラムをご担当して頂ける方を募集しております!
わが家には水槽が3本しかないため、写せる生き物の数に限界があり、表紙用の写真のストックがそろそろ底を尽きかけておりまして、是非皆様のご助力を賜われればと考えております

写真の方向性は今までの表紙を参照して頂ければと思います。美しい写真は勿論、写っている生き物への愛を感じられるものであれば嬉しいです
コラムも1ツイート分程度で十分ですので、是非お気軽にご応募頂ければと思います

なおご担当は毎週ではなく、連載コラム同様にこちらで複数人にご担当週を分けさせて頂き、日程調整後にご指名させて頂く形(月1回程度担当予定、1度切りの掲載でも大丈夫です)になると思います

掲載の体裁上、お借りするお写真は縦長にカットさせて頂くことになると思いますのでその点はご了承頂ければと思います

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

自己紹介

自分の写真
釣りが好きなオジサンです

QooQ