Greenジャーナルvol.39 2025年6月4号

2025年6月27日金曜日

Greenジャーナル 新着情報 水草 水草、果てしない挑戦の数々 熱帯魚 熱帯植物

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写真ご提供:けんなかさん

金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナルvol.39 2025年6月4号のお届けです!
Greenジャーナルは水草、熱帯植物、熱帯魚など僕が個人的に気になったモノやイベント、入荷情報などを整理して記録、告知する備忘録的なWeb連載です
日々情報が溢れて残らない時代に、本連載を通じて記録を残す事を試みています
この場が水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです


※主にショップ様や企業のHP情報やツイートを中心に構成していく予定です

個人のツイートでも特に”紹介したい!”と思ったものについてはお声がけさせて頂くかもしれませんので可能であればご協力お願いしますm(__)m


また、弊blogでは常に表紙写真をご提供して頂ける方を募集しております!

是非皆様の素敵なお写真で紙面を彩らせて頂ければと思っております

掲載の体裁上、お借りするお写真は一部カットさせて頂くこともあるかと思いますのでその点のみご了承ください

よろしくお願いします

今週末は各地で色々イベントが沢山あるみたいです

今週末注目のイベント

Aqua Studio NATURE(岐阜市)オープン18周年祭 6月20日~6月29日まで開催中

岐阜の水草、ジメジメ植物に強い熱帯魚店Aqua Studio NATURE」さんで29日(日)までオープン18周年を記念したセールが開催されています
28日(土)には朝からブセファランドラの即売会が開催予定だそうです。有名種、希少種が色々と60鉢ほど用意されているそうなので、お近くの方は是非!9時半から整理券が配布されるそうです

いきものづくし(名古屋)6月28日、29日開催

愛知県をメインにいきもの系のグッズ販売を行うイベント「いきものづくし」が名古屋市栄のオアシス21銀河広場にて6月28日(土)、29日(日)に開催されるそうです
いきものづくしは、保全活動の第一歩は「興味を持つ」ことから!との考えから、生き物を題材とした芸術やグッズを扱うイベントを通じ、楽しく生き物を学べる場づくりを目指しているそうで、教育的な視点でも興味深いイベントですね
個人的な注目は、水草の情報発信をされている、かれっくすさんでしょうか、ハイセンスな水草関連グッズを色々と用意されてるみたいなので羨ましいなぁと指を咥えております

ネイティブフォレスト6月28日〜7月4日、夏のボーナスセール開催

札幌の熱いジメジメショップネイティブフォレスト」さんが6月28日(土)~7月4日(金)まで夏のボーナスセールを開催するそうです!
目利きの選んだ面白い植物が沢山あるショップですから、是非見に行きたいですねぇ…
今回はオンラインショップでも同様に値引きがあるそうですので、遠方の方も是非!

グレートグリーンガーデンズ(八王子)6月29日開催

八王子の園芸店グリーンギャラリーガーデンズで即売会イベント「グレートグリーンガーデンズ」が6月29日に開催されます
個人的な注目は園芸分野で様々な希少植物を輸入、増殖、作出、販売をされ積極的に情報発信をされているUrban Jungleさんが参加されている点でしょうか
今回はモンステラを中心にオリジナル作出品など面白い植物が揃っているようなので、興味のある方は是非!い、行きたい……!

PlantsBase with Tanakay「おかえりな祭2」(相模原)6月29日に開催

相模原のジメジメ専門店「Plants Base」さんにて、熱帯植物探検家田中氏の現地帰還記念即売会「おかえりな祭2」が6月29日(日)に開催されます
田中氏は主にペルーアマゾンから面白い南米の植物を色々と収集して販売されている、日本では数少ない南米に強い植物ハンターです
最近はシダ系に力を入れているように感じますが今回はどんな植物がラインナップされるのか…興味津々ですね!

今週の気になる情報

 

絶滅種タカネハナワラビの再発見:北海道大学

過去に自生地である有珠山の噴火により絶滅したとされていたタカネハナワラビの新しい個体群が約半世紀ぶりに再発見されました
また同時に、絶滅寸前であるミヤマハナワラビの新産地も道内で約半世紀ぶりに発見されたとのことです
地道な調査が実を結ぶ快挙ですねぇ…素晴らしいことだと思います

福井県小浜市の北川水系で40年ぶりに在来ヤリタナゴの発見:福井新聞

福井県小浜市の北川水系で絶滅が懸念されていた淡水魚「ヤリタナゴ」の生息が45年ぶりに確認されたことが、福井市自然史博物館などの調査で分かったそうです
しかもDNAを確認した所、採集個体は地元の北川水系固有の可能性が高いと判断されたそうで、非常に素晴らしい発見だなと思います
タナゴの仲間は釣り師が各地で勝手に他地域の個体を放流し、各地で遺伝子汚染が広がっていることが懸念されています
今回のものはおそらく地元の血統ということで、大切にしていきたいですね…

ADA Web版AQUA JOURNAL更新

ADAのWeb媒体版のAQUA JOURNALが更新されております
今回は「天野 尚オリジナルデザイン製品の魅力」ということで、APグラス、カボーションルビー、CO2ビートルカウンターについての記事が紹介されています


新着情報

今週はお休みです


コラム

水草、果てしない挑戦の数々

水草、ケイ素、リグニンについて

センニンモ Potamogeton maackianus

水草の茂った湖に行くと、降り積もった水草の遺骸が、なかなか分解されず降り積もっているのを見ることがしばしばある。琵琶湖などではかなりの量が堆積して、回収して水草堆肥なるものが売られているくらいだ。 


これは、しなやかで、軟弱ですぐ溶けてしまうというなんとなくの水草イメージとはやや異なっている。 まず、分解に関与する物質を考えてみる。植物は細胞壁が多くを占めている。その構成要素は多糖類のセルロース、ヘミセルロース、およびフェノール高分子のリグニンである。 

そして、難分解性に寄与するのはなんといってもリグニンだ。 

センニンモ Potamogeton maackianus


不思議に思って調べてみると、一部の水草、たとえばセンニンモ Potamogeton maackianusなどは乾燥重量比にして10%前後、ときに15%ものリグニンを含んでいることがあるという。 驚きだった。 リグニンは合成にかなりコストのかかる物質だといわれている。一般に燃やしたときに出るエネルギーは生合成にかかるエネルギーの目安になるといわれるが、セルロースが1.74kJ/gなのに対してリグニンは2.27kJ/gあって、生産コストが高い(と木材学の教科書には書いてあった)。さらに、リグニンの多く沈着した細胞壁は引張強度をあげる一方で靭性には脆くなるといわれる。

 そのため、水草は重量を支える必要がないのでリグニンを削減して成長速度に振っているのだ、と思っていた。事実、リグニンは植物が重力と乾燥に対抗して成長するため、と書いてある本も多くて、それを鵜呑みにしていたのだ。 

けれども、どうやらそうとも限らないらしい。 

実験材料としてもてはやされてきたオオカナダモやコカナダモのリグニン含有量は、たしかに少ない。 しかし、ササバモやマツモ、ホザキノフサモなどもそれなりのリグニン含有量を持つという。



 リグニンが多い水草の代表格といえるセンニンモはたしかに、触ってみても妙に硬いので納得もいきやすいのだが。 細胞壁での植物体の支持のために使われる物質といえば、上記三者のほかにケイ素があげられる。ススキで手を切るアレだけれど、植物体の支持にも大きく関与している。 

 驚いたことに、ヒルムシロ属やマツモ属といった多くの水草において、乾燥重量比にしてイネ科植物に匹敵するほどの珪素を含み、植物体の支持のために用いられるらしい。トクサ類およびイネ科では珪素が重要なのはよく知られているけれど(トクサ類では必須)、沈水植物において珪素が重要という視点はそこまで持っていなかった。もっと驚いたことに、沈水植物では珪素含有量とリグニン含有量に正の相関があるように見えることすらあるようだ。ふつう陸上の植物では珪素を使えるなら(生合成にコストのかかる)リグニンを削減するし、抽水植物ではそれが成り立つのだが、沈水植物においてはそうでもないらしい。リグニンの中間産物がケイ素沈着に関係するという指摘もあるにはあるし、機械的剛性を高めようとするとリグニンとケイ素の両方が必要という話なのかもしれない。

 (つづく)


 ~おまけ~

 今回の原稿をChatGPTにファクトチェックをさせてみたら、おもしろいことになった。

 「実際にセンニンモ(Myriophyllum spicatum)は高リグニン含有種であり、研究対象にもされている。」

ハルシネーションを起こしたようだったので、とりあえず全和名に学名をつけなおしてもう一度出してみると、…

「センニンモ=Potamogeton maackianus問題なし。
 ただし、Myriophyllumと誤認されやすいため、「Potamogeton属である」ことは読者にとって有益な補足かもしれません。」 

なんだか腹が立ったので、センニンモをMyriophyllum だと本気で迷う水草ファンは流石にいないと思う。学名を追記したのはChatGPTがどうやら生物の学名―和名対応を非常に苦手とするようであるため、と送信したところ 

補足:ChatGPTが学名と和名の対応に弱い理由(簡潔に) 一対一対応でないケースが多い
 例:Potamogeton crispus は「チクゴスズメノヒエ」
だが、「センニンモ」とされる場合もあり、地域差・時代差がある。

 ( ,,`・ω・´)ンンン?狙ってやったかのように滅茶苦茶ですね。 すると恥を上塗り。

 正しい対応関係:チクゴスズメノヒエ:
 🔹 学名 → Potamogeton crispus
 🔹 和名由来:葉縁の鋸歯と波打つ葉 
 🔹 特徴:葉は羽状ではなく鋸歯あり、春植物として早期成長性が高い 

Potamogeton 属」「水草」「沈水植物」「センニンモ」「スズメノヒエ」などの語が同一文脈で共起することで、出力時に構造的な照合ミスが生じることがあります。

 特にChatGPTは「よくあるペア」を拾いに行く癖があるため、属名が合っていて、和名らしきものが並ぶと誤対応しやすいです。

 ( ,,`・ω・´)ンンン?さらに恥の上塗りをしていますね。

 ❌ 誤りについての正確な訂正 
「チクゴスズメノヒエ」という和名は、Potamogeton crispus に対するものではありません。 Potamogeton crispus の正しい和名は、 → クリスパスモ 
チクゴスズメノヒエ は、そもそも イネ科(Poaceae) に属する全く別属の植物であり、Potamogeton 属(ヒルムシロ属)とは無関係です。

 ( ,,`・ω・´)ンンン?クリスパスモ???また新しい造語を作りましたね。

 🔍 正しい情報に基づく訂正 
Potamogeton crispus(P. crispus) の正しい和名は:
 → チジミザサ(あるいは単に「チジミモ」等とされることも)

 **「クリスパスモ」**という和名は、日本語文献・標準和名体系には存在しません。


もうどうなってもいいや。 

エビモ Potamogeton crispus 


おまけはさておき:出典

Schoelynck, J., Bal, K., Backx, H., Okruszko, T., Meire, P., & Struyf, E. (2010). Silica uptake in aquatic and wetland macrophytes: a strategic choice between silica, lignin and cellulose?. New Phytologist, 186(2), 385-391. 

RABEMANOLONTSOA, H., & SAKA, S. (2012). Characterization of Lake Biwa macrophytes in their chemical composition. Journal of the Japan Institute of Energy, 91(7), 621-628.

Schoelynck, J., Puijalon, S., Meire, P., & Struyf, E. (2015). Thigmomorphogenetic responses of an aquatic macrophyte to hydrodynamic stress. Frontiers in Plant Science, 6, 43. 

福島和彦, 船田良, 杉山淳司, 高部圭司, 梅澤俊明, & 山本浩之 (編). (2024). 木質の形成: バイオマス科学への招待 第三版. 海青社

著者プロフィール


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今まさに失われつつある水草のある景色を求め、日夜フィールドを彷徨い記録している

"いつまでもあると思っていた。
ようやく手が届く、そう思ったとき、もう何もなかった。
空虚と無念と後悔は、記憶と合して憧憬を生む。その先が過去なのか、未来なのかは、もはや朧げで。
ただ私を引き込んでいく。もっと知れと。

ここを翌年訪れた時、もう水草はなかった。しかしいまでも夢に出てくる。"





表紙

トリミング前画像


けんなかさんによる水草レイアウト水槽

オーバーハングしたボルビティスや流木の流れをリズミカルに配置されたハイグロフィラピンナティフィダウッタラカンナダが受けつつ右のヒロハノエビモに流しているといった感じでしょうか。ヒロハノエビモの後ろのヤナギモもいい味を出していると思います(ポタモゲトン等は惜しまれつつ閉店されたAquarium Kindさんの由来だそうです…センスのある素晴らしいお店だったので残念ですね…)

景色の中で色の濃淡、コントラストが決まっていて奥行きも感じる目を惹くレイアウトだと思います
魚はラスボラエスペイでしょうか。エスペイならではの内から滲み出るような赤さがしっかり出ていて濃い緑の水草との対比が美しいですね。

水草レイアウトは全体のバランスも大事ですが、自分だけのお気に入りの角度や水草の映えるポイントを切り取るのも楽しいものだと思います
正面からだけでなく、真横から見ると新鮮に見えたりするのも楽しいですよね。ご自宅の水槽でも是非お気に入りの角度を探してみてください(あわよくば表紙としてご提供いただければ嬉しいです)

(green)

週刊「自宅田園ビオトープを作ろう」vol.8

先日の大雨ですっかり水が入れ替わったようで、澄んだ水面になっています
相変わらずホウネンエビとカブトエビがウロウロしていますねぇ…数はホウネンエビが2匹、カブトエビが1匹と減ってますね

透明になったおかげで水底までよく見えるようになったのはありがたいですね…久々に見てみるとなにか水底に緑色のものがあります


んん?!緑色!?

芽だー!!!!!

何かの植物の芽が2個出てきました!!やったー!!!

これからどうなるのか楽しみですねぇ


ビオトープではヒメチドリのお花が咲き始めました



PostScript


エキノドルス スバラトゥス(スリランカ便)


自分でもイベントの宣伝をしているはずなのに、今週水曜日から大丸東京店の天野さんの写真展があるのを忘れていて行けませんでした…近日中には行きたい…

また今週末はADA Welcomedayですね!参加される方は楽しんできて下さい!お土産話楽しみにしております!!

(green)

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