ルックバック:お昼下がりの水草投稿Vol.1~5

2024年6月11日火曜日

AZ便 Roots クリプトコリネ 神畑インド便 水草語り 南米水草

t f B! P L

今回は好評?を頂いている”お昼下がりの素敵な水草投稿”から5回目までの草を再掲しつつ、語ったりソースを付けたりしてみようと思います


しがない水草オタクの水槽の儚い水草達を楽しんでいただければ幸いです


1:Pogostemon stellatus "Berry Creek"

砂礫+ソイルでの水中表現

砂礫のみの水中表現

流通名:ポゴステモン ステラータス ”ベリークリーク”


2023年末に突然シンガポール経由でカミハタから入荷したオーストラリアのオランダプラントの仲間(WPLの高城氏がカミハタに入荷依頼していたらしい)

この便ではバリスネリアルブラが大きな注目を集めていたが、個人的にはこちらの水草が熱かった

アクアグリーンというオーストラリアの水草ファーム由来と思われる

アクアグリーンのサイト

オーストラリアのポゴステモンといえば、昔”キンバリー産”という小型のオランダプラントがあり個人的に探していたのだが、23年秋頃から欲しい欲しいと一人で騒いでいた(日本中の水草に強いショップに問い合わせしていた)その数カ月後にオーストラリアからポゴステが入ってきてビックリ

数ヶ月育ててみた所感では、気難しい草が多いポゴステの中では結構簡単な部類かなと感じる

ソイル環境よりは砂礫環境で育てた方がより繊細な草姿に育つが、育成環境での違いも楽しい

ポゴステといえば上見や下から見上げた時の花火の様な美しさが楽しめるものだが、本種もやはり上見が美しいのでオープンアクアリウムで活きる草かもしれない



2:Cryptocoryne nurii var.raubensis

5月の姿

6月の姿

23年11月の購入時(水中葉)

流通名:クリプトコリネ ヌーリーvar. ラウベンシス


古のアクアリストならその暗い趣深い葉に憧れや溶かした思い出があるクリプト、それがnurii (var.nurii)

当時はオリエンタルなど東南アジアのファームからほぼ野採りのような株が輸入され、まあ溶けた溶けた…

入荷状態が悪かった事もあるが、昔は育成難易度の高い種として知られていた水草である

ソイルやヨーロピアンスタイルが導入されたおかげで現在では圧倒的に簡単に育てられるようになった


アジア全体に分布するクリプトコリネの中でもnuriiはマレー半島からインドネシア島嶼部まで広域に分布していて、地域による差異がかなり大きくコレクションする楽しみがある

ラウベンシスは葉にはっきりした虎斑の入るnuriiのバリエーションで、エビ界隈で人気のピンクエッジやAZ便のRozenmaidenもラウベンシスの一種である

現在はトロピカから組織培養株が来ているので入手しやすいのも良い


泥炭質の土壌に生息する事が多いnuriiとヨーロピアンスタイルの相性は抜群で、twitterで最初に紹介した時からほぼ1月経った現在は倍のサイズに成長していてランナーで子株まで吹いている

他にもnuriiのバリエーションを3種程ヨーロピアンスタイルで育成しているが、どれも調子が良いのでやはりnuriiに合っている育成法なのだと思う



3:Persicaria sp. Red from ”SaoPaulo”

このキャッチーな色味は唯一無二



流通名:ペルシカリアsp.サンパウロレッド (旧名ポリゴナムsp.サンパウロレッド)


ワインレッドやショッキングピンクで非常に目を引く水草。タデ科らしく縦方向の成長が早いため若干扱いにクセがある

南米水草らしい扱いをすれば特に難しいことはないが、硬度が上がると新芽が捻れたりするので、そういう指標として扱うことも可能である(ちゃんと水質測れ

聞いた話ではビオトープなどの水上育成だとうるさいことを言わず奔放に育つそうだ

一目見れば分かるのにわざわざ”レッド”と付いているのは、同時期に流通していたタデ科水草にポリゴナムsp.マナウスという茶色っぽい草があったので、区別するために付けたのではと想像している



僕がこの草と初めて出会ったのは90年代の南米水草ブームの真っ最中

現在An aquariumの店主、志藤氏が経営されていた銀座松坂屋屋上熱帯魚売り場の南米水草展示販売水槽で、様々な珍水草に囲まれて燦然と鮮烈な赤を誇っていて目を奪われたのを今も覚えている

南米水草販売水槽のスタンダードとなっていた志藤氏の南米水草の密植スタイルは、おそらく元々はダッチアクアリウムに由来するものだったのではと考えているが、サンパウロレッドはそんな密植水槽の華として強い印象があった(個人的には志藤氏にとっても特別な草だったのではと思っている)

脇芽をあまり出さず、縦に伸びやすい性質から後景ではなくあえて中景や前景直後に配してアイキャッチしつつ段差や奥行き感を演出すると楽しい水草だと思う



4:Heteranthera sp. Itapua from ”Paraguay"


23年12月2日

流通名:ヘテランテラsp.パラグアイ

パラグアイ産のヘテランテラ

水草に詳しい人はパラグアイと聞いただけでピンと来ると思うが、2011年頃にAzul aquariumの甲斐氏がパラグアイの採集旅行の際に日本に持って来た水草である

後に世界の前景草史(そんな言葉はない)を変えた、Newラージパールグラスと同時入荷の模様

Newラージパールグラス同様に、甲斐氏が卸した兵庫の水草専門店Rootsの仲里氏によって這うように伸びる性質が見出されたが、ラージパールはその後世界に羽ばたいていった一方でヘテランテラの方は存在をほとんど忘れられてしまった

入荷当時の愛好家のブログにいくつかその面影を見ることができる

ちなみにNewラージパールグラスは甲斐氏があげているEch.サイサリスの採集動画にそれらしき草がちらっと映っていたり、仲里氏のblogに経緯が載っているので興味がある方は是非御覧いただきたい


さてこのヘテランテラ、入荷から約10年後に何故か突如大躍進を遂げ、2022年あたりから話題の水草となる。捲土重来の時来たるといった感じ

育成は比較的容易でソイルでも砂利でも止水でもCO2無添加でもしっかりと這う姿を見られる(勿論暗いとやや立つ傾向がある)

導入直後だけやや不安定で溶けることもあるが、落ち着いてしまえば成長は早い

レイアウトで使う上で良い点はCO2無添加でも這い、前景から中景を繋ぐような他の草にはあまりない使い方ができる点

難点は導入時に溶けやすい、ミズアオイ科らしく葉が傷つくと紫に変色する、環境が合うと爆発的に増えるのでトリミングが忙しい点など

勢いの強さはズボラな人には脅威だが、砂礫の貧栄養で小さく仕立てると扱い易い

速さの目安としてソイル水槽でCO2を1秒2滴添加の軟水環境での成長具合を御覧いただきたい


23年10月13日

最初砂礫水槽に導入したが、切れ藻的に浮かんできた3芽程のヘテランテラをソイル水槽に移して植えてみた(下方に見切れているのがそれ


23年10月25日

ソイル→砂礫だとグズつくが、砂礫→ソイルだとすぐに慣れるようで、一気に横に這っている

23年11月7日
前景が埋まりだした

23年11月27日

2ヶ月もかからずに完全にトリミングのタイミングである。ここまで成長の早い水草はなかなかないのではないだろうか?

透明感のある明るい緑の茂みはエキノドルス ラティフォリウスのようでどことなくノスタルジックだ


これを更に放置したのがこの項目の1枚目の写真である


砂礫環境

ソイル環境ではまさに爆発といった殖え方をするが、砂礫環境で栄養を絞ると葉長3cm程度と締まった姿になる。かなり生育も緩やかになるためじっくりと底床を覆っていく姿が見られる


5:Rotala macrandra ”Shimoga”

上見が美しい草だと思う



流通名:ロタラ マクランドラ ”シモガ”


神畑インド便2015年?で入って来たロタラマクランドラのバリエーション。シモガはインド南部カルナータカ州の都市名。現地の綴りではShivamogga

かなり薄く繊細な葉は表は淡い黄色、裏はピンク色(構造色?)に色付く。赤い茎とのコントラストが印象的

形自体はマクランドラナローに似ているのだが、本当にmacrandraか?と言われるとどうだろか?となる程度には異質


育成は比較的容易とされているが、強光が好きで暗いとぐずる印象があるため、水草水槽環境に向いていると言える

少しこなれた水槽の方が調子が良いように思うので、古の栽培難種マクランドラの面影があるといえばあるかもしれない

後景に植えてオーバーハングさせて葉の表裏を楽しんだり上から見たりすると他の草とは違う本種の魅力を味わえる

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