金曜夜のお楽しみ、Greenジャーナル vol.83 2026年9月3号のお届けです! 弊blogは情報の残らないこの時代に、何らかの情報を残していくことは可能であろうか?という事を主題に、幼い頃からお世話になった観賞魚の世界への恩返しをできれば…と細々と発信するWeb連載です読者様と水草や生き物との出会いや楽しみ、学びが広がる一助になれば幸いです


今週末注目のイベント

【第31回東京展】【第29回瑞祥展】(上野)9月25日~27日まで開催中

盆栽、水石、皐月、小品盆栽といった盆栽の総合展である「東京展」と、五葉松の変異種である瑞祥の盆栽展である「瑞祥展」が、上野グリーンクラブにて同時開催中です
一度に盆栽の魅力を大量に浴びられる良い機会だと思いますので、遊びに行ってみてはいかがでしょうか?種苗の販売もあるそうですよ!

今週の気になる情報

Youtube Oliver LucanusのBelow water”新種のプレコ”

 

ADAの冊子Nature Styleの現地写真でおなじみOliverLucanus氏のYoutubeチャンネル「Below Water」にて、コロンビアのバウペス川から新たに分類された新種のプレコが紹介されています
Hypostomus sp. Vaupes : L544、Exastilithoxus sp. Vaupes: L545、Lasiancistrus sp. Vaupes: L546、Rineloricaria cf.cachivera: L547の4種類で、個人的にはL546が気になる…どれも魅力的なロリカリアだと思います

ピクタ SpotifyにてPicuta Radio公開

ピクタの陶さんが作業中にも聞けるラジオ形式のSpotify配信を開始されました
生き物飼育を通じた人間と自然の関わり、陶さんの人生観や価値観などに触れていて、広範な知識や興味の一端に触れられるとても面白い番組だと感じました
聞き役の方も機知に富んでいて聞き役に徹しているのがノイズにならなくていいですね…(ノイズおじさんとしても身につまされます

エムピージェー刊「最新 アクアリウム超水草図鑑 750種」予約開始



東日本唯一の水草専門店WaterPlantsLoverの高城氏が執筆されたエムピージェー刊の「最新 アクアリウム超水草図鑑 750種」の予約が開始されています
Amazonでも買えますが、お近くの方は高城氏のお店で直接購入するのもオツかもしれません。この時代に水草図鑑が出ることは意義深い事だと思います。水草好きの皆さんは是非。


新着情報


春日部のジメジメ植物に強い熱帯魚店アクアパークさんにカミハタインドネシア便で色々面白そうな植物が入荷しています
細葉の青光りマパニアや、マパニアクスピダータ、巨大なアスプレニウムなど面白そうな植物が目白押しです。五目系の輸入は今後難しくなるという話もチラホラ聞こえてきていますので、お好きな方は来ているうちが華で買っておくのが良いんじゃないかなと思います…

コラム

水草、果てしない挑戦の数々

「白く、太く、針金みたいな、不定根の話」 


 両生植物の沈水葉は、しばしば陸上形と同等かそれ以上の含気構造をもっています(調べられている例では、ウォーターウィステリア)。水草レイアウトで用いられる水草の多くは、この黄緑色の水草に入るようです

リムノフィラsp.ワイナード(おそらくL.ルゴーサ)非常に含気的な”輝緑色”の水草


 黄緑色の水草がなぜ黄緑色に見えるかといえば、その組織内が含気しており、含気した組織が光を乱反射するからです。その色鮮やかさを色で表現しようとすると思ったより難しく、暗い部分とのコントラストをつけるか、もしくは少し蛍光色を混ぜるくらいでちょうどよいでしょう。 
いっぽう、完全に沈水性の水草には透明感のあるものが多い傾向があります。 こういうこともあって、「水草」レイアウトなのに、完全沈水性種が少ない…という逆説的な状況が起きているというわけです。

 私はこの、「水草水槽なのに完全な水草が排斥されている状況をどうにかしよう」、というレジスタンス運動を展開したいわけではありません。
 むしろ、なぜそうなるのか、と興味深い現象として観察しています。 
水上葉のほうが輸送や検疫をしやすいといった事情もあるでしょう。
 沈水植物の多くでは、外部からのCO2を取り入れるために表皮や葉肉を極めて薄くし、表皮にも葉緑体を持ち、細胞内でも葉緑体を草体外側に張り付けるようにしています。表皮に葉緑体をもつ、ということは陸上植物としてはかなり異端なのですが、これはガス拡散が極端に遅い水中において、わずかでも光合成組織とCO2源となる水中との距離を近づけるための適応です。

 いっぽう両生植物の沈水葉では、表皮での光合成はあまり盛んではなく、表皮自体は薄くなってはいるものの、主要な光合成組織は含気した柵状組織の中にあります。完全沈水植物で含気率の高い葉を持つ水草も、ミズオオバコやスブタ属など一部にはあるのですが、かなり例外的です。高い光合成代謝とロゼット型であることによる根からのCO2供給(Blyxaでは言えそうだがOtteliaではおそらくそうではないだろう)が関与しているのではないか、と思っています。そのため、むしろ両生植物の沈水葉よりも沈水植物の葉は、デリケートな傾向があります。たとえばNajasを例にとってみれば、検疫のための炭酸水ですら簡単に枯死させてしまう場合があり、注意が必要です。 

さらにレイアウト的な視点からすると、草体内での乱反射が少ないために茂み全体の透過性が高く、数を植えても茂みのボリュームが出ず、さらにもう一つの問題が生じがちです。その問題とは、不定根です。水中に特化した水草の場合、底質を探索し草体を固定するためのアンカーとして、草体の各所から不定根を出します。そして、この不定根は、大抵の場合太くまっすぐで、非常に強く含気しています。含気する、というのは乱反射を生むということです。結果としてボリュームのない茂みの中に、真っ白な不定根が出る…ということになります。 
では、なぜ完全沈水性の植物において、不定根が非常に強く含気しているのか。

Najas indicaの不定根

先述したように光合成で得た酸素を根に送り込み、また土中で発生したCO2を高速で草体に送り込むことができるためと考えられます。事実、一見すると薄い葉をもち水中からのCO2に依存しているように見えるオオカナダモなどですら、光合成に用いられるCO2のうち、無視できない量が茎を通じて運ばれるCO2に依存しており、距離にもよりますが不定根からの土中CO2も影響するはずです(特に茎がまだ短い定着/植え付け初期)。そのため、完全な沈水植物を育てるときは不定根を大事にしたほうがよいだろう、と構造からも予想できます。 興味深いことに、不定根にも沈水適応の程度によって形態の差があるようで、沈水適応の非常に強い種では真っ直ぐな不定根を、そこそこの種では分岐の激しい不定根をだすようです。(あくまで、個人の感想です)抽水植物であるナガエツルノゲイトウなどでは不定根をエラのように使って水中から酸素を得るようで、浮きイネなども不定根を輪生状に発達させます。こうした方面へのガス交換器官としての適応では細かい根を群生させるような形のほうが有利になるはずで、完全な沈水植物でよくみられる太く真っ直ぐな不定根とは逆の形が有利になることでしょう。このことから、不定根の機能におけるウェイトが水中適応の過程で変化した可能性があるのではないか、と思っています。なにより、不定根のガス交換面が大きくなってしまえば、水中での光合成で得た酸素が土中に届く前に拡散してしまうと予想されるためです。 

こう考えてみると、まっすぐな不定根がモサモサ主張しているアナカリスやクロモ、ナヤス、そしてイネ目なのにそれそっくりな不定根をもつマヤカなどが急に、素晴らしいものに見えてきませんか?そしてミリオフィラム等の不定根も、水中を進んでいる間は基本的にまっすぐなのに、土中に入ったとたん分岐し始めるなぁ、などとも。 
――というわけで、透明な葉に白い不定根もしゃもしゃさせませんか? 自然界に水草がいかに適応しているか、野生の機能美を水景に・・・(おい)

著者プロフィール


4.04

今まさに失われつつある水草のある景色を求め、日夜フィールドを彷徨い記録している

"いつまでもあると思っていた。
ようやく手が届く、そう思ったとき、もう何もなかった。
空虚と無念と後悔は、記憶と合して憧憬を生む。その先が過去なのか、未来なのかは、もはや朧げで。
ただ私を引き込んでいく。もっと知れと。

ここを翌年訪れた時、もう水草はなかった。しかしいまでも夢に出てくる。"




表紙


今回の表紙は何度か紹介していると思いますが、東南アジアの田園地帯を流れるどこかの小川をイメージしたレイアウト…から脱線してボルネオに片足を突っ込んでしまった水槽です


こういう鬱蒼としたレイアウトが好きなのでこれはこれで良いと思うんですけどね…60cm水槽できっちりレイアウトするなら水草は10種以下に絞って勝負するべきだと思います…この水槽は軽く数えるだけで50種類以上入っているのでごった煮もいいところです



この水槽はGEXのレイアウトカーニバルにも提出しています。提出時は凹型構図として見せたくてアポノゲトンの葉を大分漉き取っていたのですが、中央付近に余白を作りきれてなくて馬鹿の考え休むに似たりで正直今のほうが全然好みです…笑

僕は昔からコンテストみたいなものに興味がないのですが、「今年はこういう水槽を作っていたよ」という定点観測記録を残してもいいかぁ…と思ったのが応募のきっかけです
結果としてレイコンの応募数の肥やし?になるならWINWINで悪くないんじゃないかなと思いました。今年応募しなかった皆さんも来年は定点記録提出してみてはいかがでしょうか?


 

 動画モアルヨ!

日本水草紀行

今週はお休みです

自宅田園ビオトープを作ろう2026



花の盛りは過ぎましたが、乾かそうと思うと台風が来て水浸しに…
終わりかと思ってもまだまだロスタイムがあるんです


今週のgreen


今週は引きこもって主に自宅の植物棚のメンテナンスと冬に向けてベランダに出している熱帯植物達を取り込む準備などをしました

オブオブのエケチュン

いよいよオブオブらしくなってきました

ビカクシダ リドレイのエケチュン

夏を越えたエケベリアの皆さん


美白エケベリアチーム
屋外で夏の暑さを浴びて育ったアンスリウム…立派になって嬉しいけど置く場所ないんだ…

なんとなく今年は冬が来るのが早そうな予感があるので本格的に寒くなる前に整理して取り込まないと…まずは消毒、殺虫、ナメクジチェックから…

PostScript

大は小を兼ねぬ

An.ハスティフォリアの新芽

大きい植物の子株の時の姿は、特有の愛らしさがあると思う

ビカクシダやゾウコンニャクなど、名前にギガントであるとかマックスであるとかワンダーであるとかエレファントであるとかの巨大感のある名前が付くヤツらである

大概最終的には植物園サイズになるわけだが、その小さいうちは一際愛らしさを放つのだ

今でこそ生き物は終生飼育してなんぼと思うが、右も左も分からない頃はどうしてもそのかわゆさに負けて飼いきれない植物に手を出してしまうのがマニアの悲しきサガとも言えよう(真っ当な人間ならこの隘路には陥らないのかもしれないが、残念な事に我々は正道から外れた道しか歩けないのだ…)

最近はやっと分別も付いて無茶な植物は飼わないようになったが、だからといって何も知らない初心者が巨大植物の子を手元に迎えることを責められようか…?

せめて、介錯までその手で行うか、引き取り手を探すまでが植物を飼う人間に生じる責任であるとコンセンサスを作る必要はあるかもしれないが

さてそんなわけで我が家の大型植物の場合だが、大きくなったらバッツリ切って縮んでもらうストロングスタイルである

泣いて馬謖を斬る孔明の心持ちで(孔明が手をかけたわけではないが)屋外で大きく元気に育った植物も全部根本付近でカットして小さく仕立て直してお家に仕舞う

(勿論枯らさない加減はわきまえた上で)

なんもかんも無責任に購入した自分の罪ではあるが、買ってしまった以上は付き合ってもらうしかないのだ…

この立派なハスティフォリアも、そろそろカットのタイミングである

エゴと現実の折り合いは、いつも悲しい



でも小さいうちはかわいいんだよなぁ…

(green)

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